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72.支流に雑多の華も咲く

 メインステージはRFA(ゲーム)に移行する。

 RFA‐WAなアラアマコンビの言である。


『ヤツは罠を仕掛け策を弄し、その上でお前を取り込み損ねた。さらに例の河川敷の件は、五家の警戒を厚くする結果となった…これで現世(リアル)の監視が、ほぼ万全となったと見ていい』


『実はRFAには抜けを作ってある。ヤツらが利用するのに、お誂え向きのを、ね。時悠には誘導を頼んである。だから、発生しつつあるモノとの最終決戦を、RFAでやり遂げたいところ』


『RFAの中では、この世界(ゲーム)のルールが絶対』

『テリトリーに引き込まれた憐れな鼠たち』

『利用させてもらってるだけの情けは掛けるさ』

『更生の余地さえあれば、だけど』


 暫定ボス・善霊。それを作り出す、狭窄視野な黒幕たち。後者のリストは、すでに何度も世界を繰り返す執行者たちの手の中に。


 視野を広げ、己の内と素直に向かい合えば解放。

 心通わす努力なく、己が妄執を徳として貫くならば…善が悪へと転換し、人に害をなす存在、悪霊へと。


 来栖(幻家)を中心とした五家の中、或いはその周辺に散らばった敵の種は、間違いなく回収され、RFAの中で明暗を分けるだろう。


「ゆーて、わたしらが特別にやることって、バイトくらいよね」

「生霊の退治とか、おれ経験ねぇんだけど」


 正確には、生悪霊とでも呼称すればいいんかな。退魔要領は普通(?)の悪霊と同じでいいっぽいが。


 要は自説にこだわってやんちゃし出した妄信者から、半強制的に執着や瞋恚を引き抜いて、RFAで悪霊に加工しちゃう、みたいな。「凝った妄念は、取り出しただけで悪心に変わるから楽だぞ」とWA談。


「さてここで、ライハから流れてきたコーヤ氏の情報です」


《近頃、コーヤ君の活躍に感銘を受けたと、彼を持ち上げるグループがいる》

《コーヤ君を神格化して、宗教でも作るのかな? という動き》

《探り出した内容から、中心人物はおそらくダミー。裏から唆す存在がある》

《RFA内に黒幕自身がいそうにない…VR生体登録からの身バレ防止か》

《VR機の生体認証を誤魔化せないレベルの技術力と推測》

《そのためRFA内部の技術的協力者はなし、また特殊能力での機械干渉も不可と考え、()()のうち北と南の直系は関与していない可能性》


「WAから黒幕リストは貰えないのかな」

次元(場所)によって増減/変化するから、先入観防止で教えてもらえないんだと」


 流れが変われば心の機微も変わる、犯人も多少変わる、と。


 ちなみに時悠(ライハ)は来栖のことを知らないので、未だ五家ではなく四家と称している。いつ教えるんだろ。時悠に言ってないってことは、来栖家も黒幕候補からは外していいのかな。


 というかふと思ったんだが。わたしがWA、そして彼らのオリジナルである紀璃氏の目的に協力する筋合いって、実はないのよね。


 一応はWAのおかげで、今のわたしが五体無事でウェーイしていられるみたいだが。

 究極を言ってしまえば、この先はフリー。


「面白そうだから協力するけど」

「協力しないと『天国』になるんじゃね?」

「喜んで協力させていただきます」

 あの天国はめちゃくちゃつまんなそうだから、パス。


 そうか。そういう意味では一緒にがんばらないといけない。


 だって、放っておくと『公平平等完璧担保のすばら天国☆ただし生まれることができるかは当人の資質によるし、思想・言動・行動的にはみ出したら即つまみ出しますあしからず』な世界になるのよね。


「あらためて言葉にすると、すっごい狭量だなって」

「ワンマンの進化形みたいな」


 諸々の話を統合すると『天国(未来)』には以下のような側面もあるらしいがな。


 気温も気候も完全快適管理、厳しく監督されし千差万別の娯楽と美味しいご飯はいくらでも与えられ放題、生物であっても長距離を瞬間転移可能、寿命は医療の技術革新を繰り返し伸びる一方などなど。


「※ただしエリート魂の持ち主のみ」

「エリートってか、支配者の寵愛を受ける者に限る的な」


 端的に言うとそれだ、違和感の正体の最大なる部分。

 支配者と思想を同じくし、従順に侍る者にのみ与えられし特権。それ以外はポイポーイ。


「うん、すっごい気持ち悪。わたしはそういうの遠慮するわー」

「おれも。たとえ寵愛を受ける側と言われても怖気ヤバいわ」


 というわけで。わたしも比悠も、RFAバイトに励むことを決意する夏の日。


「今回の標的は~付喪神?」

「錬金の失敗で呪物化した刀が、輸入悪霊が憑くのにちょうどいいって利用されたんだと」

「長年経ってないなら付喪神ではないのでは」

 古いモノに宿るのが付喪神よな?


「昔のNPC錬金術師が失敗して封印してたって設定らしい」

「プレイヤーの失敗じゃないのね、なるほど」


 そしてフュージョン~久々の陰陽姫参上★


『しかしこれ、封印を解いたのはプレイヤーじゃね』

『しかも、依頼人はまた別プレイヤーと言う』


 陰陽姫出陣依頼書の記載を読むに、封印を解いたプレイヤーは持ち前のタフMNDで抵抗し、悪霊憑き刀を売り払ったようだ。

 依頼人は、知らずに刀を買ってしまった商人プレイヤー。ご愁傷様である。


『可哀想だねぇ』

 錬金術か。…ふーむ、今、いいんちょってばinしてるな。


『陰陽姫が一般プレイヤーに協力依頼。あると思います?』

『禁止されちゃいねーだろ』


 協力プレイで悪霊退治もOKだもんね、依頼しちゃってもいいよねー。


 錬金術の失敗で呪物化とか初めて聞いたけど、トップレベルの錬金術師であり、NPC師匠に師事しているいいんちょーなら知ってそうだ。


 とりあえずライハ経由でいいんちょに連絡しよ。

 ライハなら陰陽姫と知り合いだとRFA中に知れ渡っても大丈夫そう。訊かれても適当に躱したり排除したりしそう。謎の信頼感。

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