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桜蛇お嬢は自由奔放、無手勝流!@Real ⇒ Fantasy Adventurers  作者: 酒色南肴
1 Creators did redesign another world.
25/423

23.ソロってレベル上げ、そして

 そしてわたしは草原(ここ)に立つ。


 かっこよく言ってみたが、ようはギルドと提携している外部の訓練場で弓術生えたから、フィールドに出てきたってだけですわ。冒険者の兄ちゃん物知りだったから、ついでにと弓のこと、種類だとかおすすめの店だとかいろいろ教えてくれたよ。ありがとう。


 訓練場だと特定のスキルのレベル上げには補正かかって早くなるけど、種族およびjob・roleレベルはほとんど上がらないみたいだからさ(NPC冒険者(にーちゃん)情報)

 逆を言うなら、特定のスキル上げ目的なら訓練場の方がいいということ。


 で、わたしは他のスキルも欲しいし、他のレベルも上げたいしでね?


 広大な大地に飛び出たわけよ!


 チュートリアルの時には街出たら森に一直線だったから見かけてもスルーしていたが、街出てすぐの草原にも、魔物らしき姿はあちこちにいるわけで。それらはチュートリアルと違って、アクティブが多くて。そして今は、それらを相手取るプレイヤーたちもいるわけで。


「うむ、実によく戯れておる」

 腕を組んで重々しく頷くのはともかく。

 プレイヤーたちの目的は、考えるまでもなくレベル上げだ。そりゃそうだ。わたしも同じく、である。


 ステータス…オプション…ソロモード発動、と。

 このソロモードというのは、言うなればレベル上げモード、かな。自分にしか見えないモブが現れ、ターゲットを取ると初めて他人からも視認できるようになる。また、ソロモ中は他人が持っているモブのタゲは飛んでこない。よほど積極的にタゲ取りしない限りは。

 悪質な横取りや不用意なMPK対策って感じだね。…他人に見えるようになるのは、見えない敵相手にしてる~みたいな滑稽なことにしないためだろうか。ブラックリストにでも入れない限り、プレイヤーは常に見えているからね。

 パーティモードもあるよ。もちろんPTにしか見えないモブが現れ以下同文。


(まずは弓を活かすために『遠目』とかそういう系統のスキルを生やしたいからなー)


 もしくは蛇体の動作をマスターする方を優先するか。

 ん、というか、蛇って熱源感知とかそういう獲物の探し方じゃなかったっけ? 蛇になったらふつうに使えないかな? しゅるるん変身。

 んー…わかるようなわからないような。

 感覚に引っかかる方を見るとプレイヤーなりモブなりがいるから、蛇の本能としてはあるっぽい? 経験が少ないから云々みたいなもんなんだろうか。というか、『熱源感知』スキルは出ないのか?


こういう時は公式情報! そこになければ掲示板!

 えーっとどの辺この辺…公式にあったわ。


 まとめるとですね。


『スタート時のそれぞれの種族は幼体扱い。ヒューマン等の特徴のない種族は例外だが、それ以外の種族の固有スキル(例:犬の嗅覚など)は獣体の熟練度で生える。スキルとなる以前にも本能としてはある。スキル化すると人型でもわかるようになり、スキルのレベルを上げることで鍛えられる』


「ん。ということは、まずはやっぱ、森より草原だな」


 森もきっと蛇にとってホームグラウンドだよね。視線を遮るものが多いから、熱感知が活躍しそう。

 ソロで行くなら蛇体に慣れて、動けるようにしてからの方が効率がよさげ。その時には熟練進んで熱源感知スキル生えているかもだし、鬱蒼とした森の中での人型行動が楽になるだろう。


 ならば視力を鍛えるためにも、まずは草原のような広大なエリアで経験を積んだ方がいいだろう。


 なにせこの手にある得物は遠距離の弓。弓と言われて一般的に思いつく形の、長弓。なんとも手作り感あふれるチュートリアル産だが、最低限は飛ぶ。


他人(ひと)より遠くへ! そして殴る!!」

 とりあえずそれでいこう。


 目を凝らした遠方に向け射る、そして獲ったタゲをカモンして殴る蹴るカウンター撃破。


 敵はチュートでも出会った野犬ぽいの(掲示板によるとワイルドドッグらしい。まんまや)が多いが、どれも単体。初心者向けエリアなのだろう。たまに草をもぐもぐしている兎にも遭うけど、こちらがスルーするとあちらもスルー。近づくと逃げる。野犬が無限増殖(ポップ)してるから、兎はまぁいいやでスルー。かわいいし。


 チュートリアルではなかった、犬のドロップは牙や毛皮。ドロップがあるとモブが消えた後の光の粒がするっとこっちの収納袋(インベントリ)に収納される。

 こういう素材は売ったり武器防具に使えたりできるらしいので、ホクホクでサーチ&デストロイ。


 あれ なんかわたし ゆみのつかいかた ちがくね?


 わりと早い段階で気づいてたけど、目的は達したのでOKです。


《視力強化 を取得しました》

《気配 を取得しました》

《体術 を取得しました》

《体術Lv1 パンチを習得》

《体術Lv2 キックを習得》

《体術Lv3 足運びを習得》

《体術Lv4 受け身を習得》

《体術Lv5 足払いを習得》


 予定外に増えたけど、OKです。


 視力強化Lv1:視力を強化する。Lv上昇で強化値上昇。

 気配Lv1:気配を探りやすくなる。Lv上昇で補正値上昇。

 体術Lv5:身体を使った攻撃・補助を覚える。

    パンチLv1:パンチを強化

    キックLv1:キックを強化

    足運びLv1:足運びを以下同文

    受け身Lv1:受け身を同文

    足払いLv1:足払いを〃


 よく見たら体術がLv5になっていた。

 前にヘルプを見たところ、リアルでなじみのある技能は最初からLv2~5で覚えることがあるそうだ。脳細胞に刻まれてるから引き出しやすいとかなんとか。バランスブレイクいくないってことで、達人であってもLv5までらしいけど。

 逆に言えばLv5までは基礎だけなんだろうって、ウチの腹黒が言ってました。


 きりがいいので息を抜いてみるRFA時間18時前。現実のうちの辺りでは夏とはいえ西日の方が強くなってくる時間帯であるが、ここはまだまだしっかり明るいね。南国だから?


 現在ステはこんなんです。


   ――――――――――


 シュシュ 桜蛇★ 種族 Lv 2 冒険者(ビギナー)Lv5


 <スキル> 弓術Lv1

       (構えLv1)

       体術Lv5

       (パンチLv1)

       (キックLv1)

       (足運びLv1)

       (受け身Lv1)

       (足払いLv1)


       アースヒールLv1

       スプレッドヒールLv1

       森林浴Lv1

       ヒールLv1

       ドレインヒールLv1


       視力強化Lv1 気配Lv1


 <固有スキル> 桜吹雪

 <種族特性> 木属性

 <称号> なし


   ――――――――――


 弓術上がってない。タゲ取りにしか使ってないもんね、そうだよね。

 そして冒険者(ビギナー)レベル上がりやすいな~。

 種族Lvは少し前に上がりました。

 あんなに使ったドレインヒールがLv1なんて!と思ったけど、あれはチュートリアルでした。残念。

 あ、桜吹雪まだ試してないや。


「なぁアンタ」


 ん?

「さっきから弓でモブ釣ってたアンタ」

 知らない人からお声がかかりましたね。


「わたしかな?」

「アンタ、ソロだろう? 俺たちとPT組まないか?」


 話を聞いてみると、この辺は慣れてきたので森に行こうと思っているのだが、どうせなら一緒に行かないか、というお誘いらしい。


 話しかけてきたのは剣と盾装備の少年。

 後ろに杖を持った少年と槍を持った少女がいる。

 杖持ち少年がVサイン。槍持ち少女は笑顔だがちょっと緊張している気もする。


 剣盾少年がVサイン少年を小突いているね。「おまえが誘ってみようと言ったんだろ」とかなんとか。それに答えて曰く「これから陽が陰るんだぞ。夜は敵が強くなるのが定番だろ、今のオレらだけじゃ厳しいって」とかなんとか。ふむふむ。


 見知らぬ人と即興PTとかMMOの醍醐味だよねぇ。

 種族Lv的にPKは警戒不要だし。


「いいよー」


 時間に余裕あるし、森に行ってみたい気もあったし。夜の森で熱源感知とか鍛えられたらいいな的な下心もあるし。

 二つ返事でオッケーです。


 PT登録にOKを返しましたよ。

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