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桜蛇お嬢は自由奔放、無手勝流!@Real ⇒ Fantasy Adventurers  作者: 酒色南肴
1 Creators did redesign another world.
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20.報連相!

※説明が足りてないと思った部分を投稿後修正しました

※内容に変更点はありません

 人と建物のひしめく街中にあって、ざっくりぽっかり空いた広場。外周にはところどころにテーブルセット。ぐるりと見渡せばあちこちに空きがあったので、適当に4人で一つ占拠してみる(たぶん7人用。PTの最大数に合わせたんだろう)


「さてさて、個々人フリー探索タイム終了しまして、いかがお過ごしされましたかッ」


 チュートリアル終了が正午ぴったり。それからログアウトして食事休憩。そして食事休憩兼でRFA時間15時までをフリー(やりたいことを)タイム(やりましょう)に設定。

 なんと、現実時間ではまだ13時台だ。3倍速さすが。若干名、昼ご飯すっぽかした疑惑があるような…。


 そんなソロタイムを終えて、集合した現在です。


「一番、ヒュー! 初期費用は35,375円…じゃねぇ、353アール75エフ! 大盾×2の購入費用370アール! 以上!!」

 ドヤァなヒュー、どでかい盾を掲げてホクホク顔である。


「初期費用超えてるし」

「俺が貸しました」

「弟に甘いぞ兄ちゃん」


「二番、ライハ。初期費用は25,375円、253アール75エフ。うち、ヒューに13アール貸与。残り240アール75エフ。シュシュの推薦で鍛冶師に弟子入り。roleが半強制で鍛冶師見習いになったよ」


「はぁぁ?! 兄貴とシュシュが、なんで!?」

「シャラップ! 今は発表の場です。質疑応答は全員の発表が終わってからです」


「では三番、リカム。初期費用は37,375円、373アール75エフ。水魔法レイン、土魔法泥濘(ぬかるみ)を習得した。どちらも初級だ。100アールずつ使ったな」 


 なぜか初期費用を言うのが義務みたいになっておる。


「本当は風魔法ストームと土魔法アースクエイクが欲しかったが、どちらも上級だったので手持ちが圧倒的に足りなかった。ゆえにデバフ目的でその二つにしてみた」


「アースクエイク…て、アブジンスキー?」

「なぜ飲酒可能年齢未満の君がカクテルに詳しいんだ」

 まま、それはちょっとした欲求による好奇心ということで☆

 飲んではいないですよ? 調べただけです。調べただけ、です。


「はい、四番シュシュ、初期費用は採取依頼で10,000円+追加報酬15,375円+工房と交渉して輝石を売ったお金9,000円で、合計34,375円、343アール75エフです! スプレッドヒール(水)とアースヒール(土)、森林浴(木)とヒール(光)を覚えてきました! スプレッドとアースと80アール、森林浴とヒールが50アールでした! 残金8,375円=83アール75エフ、後は籠手と肘当てと脛当てが欲しいです!」


 何をしたんだとジリジリしているのは、ヒューとリカム。ライハには都合上さっさとバラしたため、彼は今のんびりとオレンジジュースみたいなものを飲んでいる。屋台で買ってきたんだそうだ。一杯25エフ=25円。安い。


「ぶっちゃけちゃうと、輝石セットを工房の黒石5アール、教会に卸す白石4アールの合計9アール×10で売る代わりに、鍛冶師を紹介してくれと頼みました!」


 わたしじゃなくて、ライハを弟子入りさせるためにね。


 どういうことかというと、工房側の損失(喜捨を損失とは捉えないだろうが)を減らす代わりに、こっちに融通を利かせてくれと頼んだわけよ。

 こちとらこの世界に来たばかりで、住人(NPC)との縁はない。職人世界が縁故の世界とかありそうじゃないですか。


 そこでだ、繋がりを作るためにですね!


「オマエ自身が弟子入りじゃねーの?」

「ライハが目指す創造魔法って、なんか生産系も必要そうじゃない?」


 武器作ったことがないのに想像だけで武器創造とか、ちょっと難しそうじゃない?


「なので魔道具工房の主人にですね、知り合いの鍛冶師を紹介してください、弟子を取ってくれそうな人限定で! と頼んだわけよ」


 ライハの希望は大斧の投擲なわけで~金属武器なら鍛冶師かなぁって思ったのさね。


「ライハの後衛化を切に目指しております」

「なるほど」

 ヒューの賛同を得られました。


 うんうんいい仕事をしたと頷き合う年下組に対して、のほほんライハと「ん?」という顔をするリカム。


「ライハ。君、前に何かのゲームで生産中心でやっていたと言ってなかったか?」

「鍛冶も木工も調薬も服飾も彫金も一通りやっているね」

「武器の仕組みなども熟知できているんじゃないのか?」

「まぁだいたいはね。作り方はゲームにもよるけど、出来上がりに大差はないかな」

「今更弟子入りする意味はあるのか?」

「あるよ? おかげですぐにスキルを覚えたし、Lvが少し上がればすぐに使えるって、師匠が喜んでくれてね。見習いとして、少しだけど給料も貰えることになったんだ」


 ………あれ?


「ライハ、武器、わかる?」

 なぜ片言なんだ、わたしよ。


「わかるけど、このゲームではもちろん作ったことがないからね。弟子入りして教えてもらった方が、スキルも生えやすいでしょ?」

 素材も施設も師匠持ち、さらには給料という定期収入もありがたいし、と微笑む。


 わかってて黙ってやがったぁぁぁ!!

 チュートの採取依頼の時といい、ライハの詐欺師め。知ってたけど! 幼なじみゆえにわかってたけど!!


「ヒュー~アンタの兄貴にまた騙された~!!」

「兄貴には勝てない。おれ、知ってた」

 愕然とするかわいい年下組を見ても、笑顔を絶やさないライハ兄貴です。ちくしょう。


「まあなんだ、知識だけあっても、このゲームで何かするならスキルレベルが関わる可能性が高いだろう。修行でレベルアップが図れるだろうし、どう考えても弟子入りはいい手段だと思うぞ」

 マイペース・リカムですらフォローにまわってくれるっていう。


「そうだね、感謝しているよ。でもそれはそれとして、弟と義妹のこの顔も可愛いよね」


 嬉しそうだね~楽しそうだね~ライハよ。


 いつでも実害はないけどね! むしろ効率がいい結果になるんだけどねいつも!!


 しかしあれだ、釈然としない。


「ところでシュシュは籠手に肘当て、脛当てが欲しいんだよね? 師匠の友人に革細工職人や服飾系の職人がいるんだよ」

 なぬ。

「えーちょっと見に行きたい…」

「上手くいけば弓籠手兼用肘当てみたいなものをオーダーメイドできるかも。知り合い割引で」

「乗った」


 初期費用 大事にせねば すぐ枯渇


 ていうか、安くいいモノをゲットしたい気持ちはリアルでもゲームでも同じなのだ。


 特にこのゲーム、Adventurersという銘打ってるだけに、『冒険』が主体らしいよ。どんどん冒険するということは、どんどん強敵のいる地に踏み入っていくということである。いい武器防具で実力底上げも必須ですよね!


「兄貴の懐柔策に騙されてる…」

「いつものことよ…」


 いつものことなんですよ。

(2021.6.24)ご指摘いただいて数字の修正をしました。ありがとうございます(*´▽`*)


(活動報告にコメントあるとあそこに通知が出るのですね~初めて知りました( *´艸`))

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