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初期化

作者: 青埜 漠
掲載日:2017/02/19

『初期化』


ちょっとしたミスなんだよ

間違いだったんだ

たしかに少し急いでて

よく見なかったかもしれない

別の作業と勘違いして

つい実行してしまったんだ


すぐに気がついて

キャンセルしようとしたけれど

君は

まったく反応してくれなくて

それでも何とか救おうと

即座にプラグを引き抜いたんだ


それから

私は震える指で

再び電源を入れてみた

データが少し壊れても

何かが残ってくれないかと

できればこの過ちが

帳消しになってほしいと

ひたすら祈る気持ちで


なのに君は

初期化に失敗したから

もう一度やりなおせと言う

それ以外の操作を

決して受け付けようとしない


ずっと長い間

二人で

少しずつ蓄えてきたんじゃないか

繰り返し取り出してみたじゃないか

そこにあるというだけで

いつでも触れられるというだけで

支えになっていた

拠り所だった

とりどりの記憶


なのに君は

無情にも

もう一度

完全に消し去れと言う

もう一度

私の手で

君を殺せと言う


そうじゃない

わかっている

君は自分の思いでは動けない

言われたことをするしかない

悪いのは君じゃない

全部

私だ


全てを受け入れて

消えゆく君の傍らに

私は座り込む


ごめん

ごめんなさい

本当にごめん


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