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才能ホルダー  作者: 雨宮結愛
第1章
8/18

『咲島 岬』



「初めまして諸君。私は咲島岬(さきしまみさき)だ、よろしく。そんでどうしたお前ら?」


ポータブルゲーム機をケースにしまうと、ティーカップを手に持ち紅茶を淹れる。

先ほどのやり取りがまるでなかったかの様に振る舞う咲島は、まるで別人の様に思えた。


「んで?どした?エロ目的では使わせないからな」

「ちっ、ちげーよッ」


取り乱しながらもちゃんと否定しておく。

チラッと西円寺を確認してみたが、全くの無表情で首を傾げるだけだった。


「つまらんな、じゃ、なんだ?体調不良には見えないが」

「まぁ、なんだ、色々あったんだよ」

「ふーん、ま、いいか暇だし」


そんなんでいいのかよと思ったが、まぁ休ませてくれるのは有難い。

とりあえず参考書でも読むか。と、手元を確認するも、無理やり教室から連れ出されていたことを思い出し、何もない両手をただ見つめる。

どうやら西円寺も、俺を引きずり出したために何も持ってきてなかったらしい。

ポツンと椅子に座り、特に何もせずボーッとしていた。


「お前ら暇なら、私とゲームでもするか?」


そんな様子を見ていた咲島先生がしまったはずのゲーム機を三倍に増やし、俺たちに1つずつ手渡していく。

なぜゲーム機をこんなに...。

しかも何故保健室に隠し持っているのだろうか。

それにこれは、かなり珍しい機械だ。


「これは脳とリンク出来てな、手での操作が必要無いんだ」


つまり、頭で考えるだけで選択し操作し動かせるようになっている。

指やタッチペンで押すのもゲームの面白い所なのだが、このゲーム機は脳を鍛えるのに特化した教育用デバイスだ。

これを授業や部活に取り入れている学校も存在しているが、機械の費用が莫大なため授業料の桁が1つ違う。

俺はこれがある中学に進学を考えていたのだが、母親に目の前で資料を破り捨てられた瞬間に行くのを諦めた。


「なんでこんな希少な機械が3台もあるんだよ」

「それは言えないんだなー」


不敵な笑みを浮かべる咲島はどこか言いたげな雰囲気だったが、教える気がない。

ここの中学校のレベルで扱う機械ではないはずなのだが、なぜ咲島はこんな物を持っているのだろうか。


「さぁ、やろうか」

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