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掌編小説集4 (151話~200話)

長年の夢

作者: 蹴沢缶九郎

ある日、ベテランの政治家が秘書を呼んで言った。


「私には長く思い描いていた夢、計画があるのだ」


「それは一体どういったもので…」


「うむ、自宅前に電車の駅を作る計画だ。そして駅前には私の銅像を建てる。どうだ、素晴らしいだろう」


秘書は困惑しながら言う。


「あいにくですが、先生のご自宅付近には既に駅がございます。さすがに無理があるかと…」


「何を言う。もう一つ作ればいいだろう。それに私の今までの功績から、それぐらいおかしくないはずだ」


政治家は息巻いたが、なんとも独りよがりで傲慢な計画であり、当たり前にその計画が実現する事はなかった…。


しかし政治家の死後、政治家の遺志を継いだ者達の手により見事、自宅の四方を取り囲む形で、スペースシャトルの打ち上げ基地、ゴミ処理場、墓地、原子力発電所が作られ、ゴミ処理場の隅には政治家の功績を称えた申し訳程度の銅像がひっそりと建てられたのだった。

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