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才無き英雄の回想  作者: 珠宮 黒
一章 懐かしき世界編
6/22

クエストクリア

 2人はどうなったか気になり振り返って見ると、此方と同じような体制の盗賊と、合掌している悠がいた。


 どうやら背の低い悠は自然と同じ悲劇を引き起こしてしまったようだ。


 ドサッ


 音がした方を見るとガッツポーズをしている大地がいた。


「やっと終わったか。

 俺と悠はもう終わってるぞ」

「何だとっ⁉︎

 いや、しょうがない。俺が言い出したことだ。

 一番はどっちだ?」

「同時だ」


 同じ倒し方なら掛かる時間も同じだろう。


「出費がっ!」


 大地の財布に約300のダメージ。

 月末は金欠の大地にはかなりのダメージだろう。


「ペドラさんっ。本当に同時でしたか⁈

 どっちかの方がはやかったりは⁈」


 第三者に助けを求めるが——


「同時でしたね」


 あえなく撃沈した。


 馬車の荷台に、魂の抜け出した大地とロープでしっかりと拘束した盗賊達を放り込み、遠くに小さく見え始めた町を目指して出発した。





「皆さん、ありがとうございました。

 これが報酬です」


 無事に町にたどり着いた私達は報酬を受け取り、ペドラさんと別れた。

 盗賊達は以外と高い懸賞金が掛かっていて、3人で山分けしても、装備一式ワンランクは上の物に買い換えられるくらいの儲けとなった。


「この後どうする?」

「先生に報告して終わりじゃないのか?」

「その後。

 早めに終わったら自由時間とか言ってなかったっけ」

「そう言えばそうだったね〜。

 じゃあ僕、防具新しくしたいな〜。

 これ動きづらいし」

「俺はそれと整備用具だな。

 武器防具の整備が出来るに越したことはないだろ」

「買い物か、結構な額の収入も合ったしいいかもな。

 じゃあ、とっとと戻って報告しようぜ」

「そういえば、どうやって帰るの〜?

 あの距離歩くの面倒くさいんだけど〜」

「あ……」


 考えてなかった。

 あの距離を歩いたら軽く5、6時間はかかる。

 そんなことをしていたら授業の時間じゃ終わらないだろう。


「それなんだけどな、解散した後先生に確認したんだよ。

 そしたらこれくれたぞ」


 そう言って大地は1つの巻物をマジックバックから取り出した。


「何これ?」

「転移の魔法書だってさ。

 使い捨てだけど知ってる街に転移出来るらしい。

 持ってなかったらペドラさんがくれるイベントが発生したらしいけと」

「へー、そんなのあったんだ〜。

 じゃあ、何で商人の護衛何て依頼があるんだろ?

 それ使えばよくない?」

「それもそうだな。

 まぁ、ゲームだし、そこら辺は気にしちゃ駄目だろ」

「そっか〜。

 それでこのアイテムはどうやって使うの〜?」

「確かこうして……」


 大地は魔法書を広げると、ペンを取り出して、「商業都市コマーシャル」と書き込んでいく。


「毎度思うがこのゲームって名付けが適当だよな」

「何で〜?」

「コマーシャルが商業って意味の英語だから、だろ。

 あとは、ペドラさんが行商人って意味だったな」

「大地が英語を理解しただとっ⁉︎」

「酷いな。いや、否定出来ない成績だけども。

 チビ共に聞かれて調べた事があっただけだ。

 それと準備出来たぞ。

 紙の何処でもいいから掴んでくれ」


 大地の指示に従う。


「よし、離すなよ。転移」


 瞬間、辺りが光に包まれ、エレベーターの動き始めの様な浮遊感が訪れた。

 2、3秒が経ち、地に足が着く感覚がしたかと思うと同時、光は弾ける様に散り、目の前には先程までとは違う景色が広がっていた。


 10mはありそうな巨大な外壁に、来るもの拒まずと言わんばかりに開かれた、これまた巨大な門。

 2時間ほど前にペドラさんと合流してくぐったそれは、紛れもなく、商業都市コマーシャルの物だった。


「すごかったね〜。さすがゲーム」

「だな。ネーミングが適当なゲームとは思えない演出だったよ」

「そこは触れてやるなよ」


 雑談を交わしながら、私達は艮先生が待機している広場を目指して移動を開始した。

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