四花
「いらっしゃいませ、優香さん。お待ちしてましたよ」
この日も俺はいつものように仕事をしていた。今日の客は常連のご婦人が2人、新規の客が間に1人含まれていた。
「ちょっと久しぶりになっちゃったわね。私に会いたかった、ヒース?」
「もちろんですよ、待っている間今日は何をしようかと考えてそわそわしてました」
女性の多くは雰囲気を大切にしながら求められる事が好きなため、深読みさせる言葉を選ぶ。
「クスクス…楽しみにしてるわ」
「ではお手をどうぞ。部屋に行きましょう」
外はまだまだ昼間の様子を呈している。
部屋につくと俺はアフタヌーンティーを用意して話を聞くことにした。
「ねぇヒース?少し見ないうちに背が伸びた?」
「ええ。もうそろそろ打ち止めでしょうけどね…もう少し欲しかったなぁ」
俺の身長は175cmほど。目標は180cmだがさすがにもう伸びないだろう。
「ヒースくらいが1番いいわよ、高めだけど、高くはないって所がね」
「そうかなぁ…あと5cmくらい伸びたらいいのに」
「あと5cmあればキスする時に優香さんが背伸びしてくれそうなのにな…」
ぼそっと言うとなぜか優香さんはクスクス笑い出した。
「あらあら、そんな理由なら大丈夫よ?今だって背伸びしてあげるわ」
「じゃあしてよ。ほら、立つから」
俺が彼女の隣に立つと、彼女も立ち上がって俺の首に腕をまわしてきた。
「んっ…」
くちゅっ…ちゅっ…
ぬれた音をたてて深いキスをする。
優香さんが頑張って背伸びをしてくれていて、いつもよりかがまなくていい。
「ぅんっ…ヒース…苦しっ…」
しばらく深いキスを続けていたが優香さんが音をあげた。
「…っはぁ…ねぇ、久しぶりすぎて足りないよ。…どうしてくれるの?」
俺は少し拗ねたように言った。
「もぅ…まだ明るいのに?でもいいわ、好きなだけあげる…」
そう囁きながら彼女は身体を刷り寄せてくる。
「ここでいいの?意外と刺激的なのが好きなんだね……貴女のきれいなところ、全部見せて…」
明るい居間で俺は彼女を抱いた。
まさかその光景を見られているとも思わずに。