13.入学式の夜
入学式はサクッと終わった。
体育館での式典。
新入生入場。
校長先生の話。
来賓紹介。
祝電。
校歌。
在校生の合唱。
担任紹介。
そのあと教室へ移動して、短いホームルーム。
教科書とプリントを受け取って――
解散。
そんな感じだった。
私はフェアリーハイツへ戻った。
玄関を入ると、しずくに会った。
「あら、あやめちゃん」
「おかえり」
「ただいまです」
しずくが微笑む。
「今日はお祝いするから」
「十八時半に私の部屋に来てね」
私は少し驚いた。
「いいんですか?」
しずくは頷く。
「もちろん」
遠慮するのも悪い。
「ありがとうございます!」
私は頭を下げて部屋に戻った。
――そして。
十八時半。
私はしずくの部屋の前に立った。
コンコン。
「失礼します」
ドアを開ける。
すると――
「おー!」
すずの声。
「あやめちゃん来た!」
部屋の中には、みんながいた。
ゆい。
すず。
あずさ。
りん。
そしてテーブルの上。
「……」
ケーキ。
丸いケーキ。
チョコレートのプレート。
そこには――
あやめちゃん 入学おめでとう!
と書いてあった。
私は少し固まった。
「……」
ケーキにはロウソク。
一本。
二本。
……十二本。
すずが言う。
「あやめちゃん」
「消して!」
ゆいも腕を組んで言う。
「ほら」
「主役でしょ」
私は少し照れながら前に出た。
そして。
ふーっ。
ロウソクを吹き消す。
その瞬間。
パンッ!
パンッ!
クラッカーの音。
「おめでとー!」
部屋に声が広がる。
私は少し笑った。
「ありがとうございます!」
しずくが言った。
「中学校生活」
「楽しんでね」
私は頷いた。
「はい!」
フェアリーハイツ。
ここに住んでいて。
本当によかったと思った。




