11.節約ハンバーグ
朝。
新聞配達から帰ってきた。
「……」
初仕事。
無事終了。
私は机に座った。
少し考える。
「今日は」
「初めて働いた記念」
少し贅沢しよう。
でも。
「贅沢は敵」
節約生活。
忘れてはいけない。
私は考える。
「贅沢と言えば」
「お肉」
大事なことなので。
「お肉です」
もう一度。
「お肉です」
私は立ち上がる。
財布を見る。
中身。
「……」
現実。
しかし。
私はにやっと笑った。
「大丈夫」
節約生活には。
「知恵」
がある。
私はメモを書く。
合い挽き肉。
豆腐。
食パン。
玉ねぎ。
「完璧」
かさ増し。
お肉を満足するまで食べる作戦。
私は玄関へ向かった。
「とりあえず」
「買い物」
スーパー。
精肉コーナー。
合い挽き肉。
「セール」
よし。
カゴへ。
豆腐。
食パン。
玉ねぎ。
全部入れる。
「完璧」
私はレジへ向かった。
アパートに戻る。
キッチン。
エプロン。
「よし」
「作る」
まず。
食パン。
すりおろす。
玉ねぎ。
みじん切り。
フライパン。
炒める。
ボウルを出す。
合い挽き肉。
豆腐。
炒めた玉ねぎ。
パン粉。
卵。
塩。
胡椒。
ナツメグ。
「混ぜる」
こねる。
こねる。
こねる。
「……」
私は頷く。
「いい感じ」
成形。
一個。
二個。
三個。
四個。
五個。
「多い」
私は少し考える。
「……」
「これ」
「食べ切れない」
作り置きはできる。
でも。
せっかくだ。
「……」
私は玄関を見る。
「ゆいさん」
「すずさん」
いるかもしれない。
「誘ってみよう」
私は廊下に出た。
「すみませーん」
声をかける。
ドアが開いた。
ゆい。
「なによ」
私は言う。
「ハンバーグ」
ゆいが固まる。
「は?」
「作りすぎました」
すずも顔を出す。
「ハンバーグ?」
私は頷く。
「節約」
「でもお肉」
すずの目が輝く。
「行く!」
ゆいも腕を組む。
「……まあ」
「仕方ないわね」
私は言った。
「助かります」
私はキッチンへ戻る。
フライパン。
油。
じゅう。
ハンバーグを並べる。
いい匂い。
肉。
肉の匂い。
「……」
私は少しだけ笑った。
「今日は」
「いい日だ」




