15.第一回戦 三目並べ
ある日。
妖精のシビルがやって来た。
「そろそろ勝負を……」
私は机に座ったまま言う。
「そうだね」
「そろそろやるか」
シビルが少し安心した顔をする。
「やっとですね!」
私は少し考えた。
「一応」
「勝負方法は思いついてる」
「おお!」
シビルが身を乗り出す。
「ただ」
「誰にするか」
私は指を折る。
あずささん。
りんさん。
すずさん。
ゆいさん。
「……」
私は小さく呟く。
「あまり賢そうじゃなくて」
「次の勝負にも使えそうな人」
シビルが言う。
「最低ですね」
私は続けた。
「若さ」
「勢い」
「ノリ」
「……」
「ゆいさんかな」
私は立ち上がった。
「決まり」
私は一階へ行った。
「しずくさん」
「あら、あやめちゃん」
「そろそろ一回目の勝負をしようと思います」
しずくが楽しそうに微笑む。
「いいわね」
「相手は?」
「ゆいさんで」
しずくが頷く。
「勝負方法は?」
私は言った。
「三目並べ」
シビルが少し固まった。
「……え?」
私は続ける。
「三回勝負」
「先に一回勝った方の勝ち」
しずくは笑った。
「いいわね」
「ゆいちゃん呼んでやりましょうか」
数分後。
庭。
テーブル。
紙。
三目並べ。
ゆいが腕を組む。
「なにこれ」
私は言う。
「勝負」
ゆいは少し笑った。
「いいわよ」
「負けないから」
――一回戦。
引き分け。
――二回戦。
引き分け。
ゆいが言う。
「これ」
「引き分けしかなくない?」
私は言った。
「そうでもない」
――三回戦。
私は先攻。
○を書く。
ゆい。
×。
少し考える。
そして――
違う場所に置いた。
私はすぐに○を書く。
「……」
沈黙。
縦。
○○○。
しずくが言った。
「あら」
「あやめちゃんの勝ちね」
ゆいが固まった。
「え?」
「ちょっと待って」
盤面を見る。
「……あ」
頭を抱える。
「ミスったぁぁ!!」
私は頷いた。
「勝ち」
ゆいが言う。
「くっ……」
「仕方ない」
「負けは負けね」
私は言った。
「ありがとうございます」
ゆいが聞く。
「でもさ」
「なんで三目並べ?」
私は答える。
「簡単だから」
ゆいは言う。
「いや普通引き分けじゃない?」
私は頷いた。
「そう」
「三目並べは」
「基本引き分け」
ゆいが固まる。
「……」
私は続けた。
「つまり」
「ミスした方が負け」
ゆいが叫んだ。
「心理戦じゃん!!」
私は言った。
「はい」
「わたし、つい最近まで現役小学生だったので、この手の遊びは大人に負けませんよ」
しずくが楽しそうに笑った。
「第一回戦」
「あやめちゃんの勝ちね」
私はゆいを見る。
「これで」
「ゆいさんは」
「私の配下です」
ゆいはしばらく黙ったあと言った。
「……」
「なんか」
「すごく悔しい」




