きらきらなたからばこ
きらきら きらきら。
ひかっている はこが ある。
「おとうさん、おかあさん、あれはなあに?」
きいても へんじは かえってこない。
なんだろう。
なにが はいって いるんだろう。
「ねえ、ぼく、あれみてきても いい?」
『────だめ!』
「──っ!」
とつぜん、おおきい こえが した。
「どうして? どうしてだめなの?」
『あれは、とっても たいせつなもの なのよ』
「たいせつなもの……?」
そのこえの もちぬしと おもわれる ひとは すこしずつ こちらにきた。
『あれは、だれか ほかのひとが たいせつにしているもの なの。そのひといがいが あれにふれては、ちかづいては いけないの』
「でも、きれいだよ?」
『ものは、たいせつにすると きれいにみえるの』
「ぼくも つくれるかな?」
『ええ、つくれるわ。あなたが たいせつなものを だいじにしていこうと おもえればね』
「たいせつなもの、ってなあに?」
『そうねえ、すきなもの、かしら』
「すきなもの……」
ぼくが すきなものを かんがえる。
そうだなあ。
「ぼく、おとうさんと おかあさんが すき!」
『なら、ごりょうしんを だいじになさい』
「それから、このまえ たんじょうびに もらった さっかーぼーるも すき! あと、おとうさんに かってもらった えほんも!」
『──あら。あなたは、たくさん すきなものが あるのね』
「うん! みんな みーんな、だあいすき!」
すこしのあいだ そのひとは めを みひらいていた。
けれど、すぐに ほほえんだ。
そして そのひとは いう。
『きっと、それらすべてを たいせつにしていれば あなたも あのような きれいなはこを つくれるわ』
「ほんと!? やったあ!」
『がんばって』
「うん!」
でも、たいせつにする、って、どうすれば いいんだろう?
ふふ、とそのひとは わらう。
『ずっと、【すき】だと、【だいすき】だという きもちを ずっと、ずぅっと、もっていれば いい。あなたが できるなら、それを そのあいてに つたえるのも たいせつなことよ』
「【だいすき】……」
『かんしゃの きもちを つたえることも いいとおもうわ。【ありがとう】って』
「【ありがとう】…………」
ぼくは おおきく うなずいてみせる。
「うん、うんっ! ぼく、おかあさんにも、おとうさんにも、おともだちにも、せんせいにも、さっかーぼーるにも、えほんにも、みんなに、【だいすき】っていうし、【ありがとう】っていう!!」
──そのきもちを わすれないことが、いちばん いいこと。
──いまの あなたが いちばん 【きらきら】 しているわ。
そんな夢を見た子供。きっと、それは神様の悪戯だったのかもしれません。けれど、その後、そのこどもは、たくさんの人や物に【大好き】と【ありがとう】を伝えて、ずっと大切にしていきました。そして、たくさんの人や物からも【大好き】と【ありがとう】を伝えられ、愛されて過ごしました。その間、その子はずぅっと【きらきら】と輝いていました。
やっぱり、【大好き】とか、【ありがとう】とか、しっかり言える人がいちばん【きらきら】と輝いて見えますよね。私が伝えたいことが伝わってくれれば嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました!




