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18話:シュミレーションゲームをクリアし終える

 それから一週間ほど経過した。


 校長先生が言ってたように生徒たちは皆お茶会やら交流会で忙しそうにしているので、この一週間はシュミレーション室に来る生徒は俺以外には誰もいなかった。


 そのおかげで俺は待ち時間などを気にせず毎日シュミレーションゲームで遊ぶ事が出来ていた。そして今日はついに……。


『おめでとうございます。全ステージクリアとなります。お疲れさまでした』

「ふぅ、ようやく全クリか。めっちゃ面白かったなー」


 俺は軽く背伸びをしながらそう呟いた。今日でこの一週間ずっと遊んでいたシュミレーションゲームをついに全クリする事が出来たのであった。


 終盤のステージでは複数のモンスターとの連戦や、上級モンスターとの戦いとか歯ごたえのある戦闘が沢山あって非常に面白かった。


 それに全体を通してちゃんとソロで倒せるような難易度設定にされていて、誰でも楽しく仮想モンスターとの戦闘が出来るゲームになっていた。これは修行にも使える凄い機械だったな。


「うん。本当に凄く良く出来たシュミレーションゲームだったな。そりゃあ校長が高価な機械って言うだけあるわ。こんな高価なシュミレーションゲームは俺の住んでた田舎には絶対に設置出来ないだろうなぁ」


 このゲームをプレイしていた時は『俺が住んでた田舎にもこれを設置して欲しかったなぁ』って毎日思ってたんだけど、でも校長先生曰く高価な機械だから絶対に無理だろうな。


 でも面白いゲームだった事には変わりないし、高校を卒業して田舎に帰ったら師匠にこんなゲームがあったという事を報告しよう。師匠も修行が大好きだしこんなシュミレーションゲームがあるって知ったらきっと喜ぶだろうな。


「まぁ何はともあれ本当に楽しい一週間だったな。でもこの楽しかったシュミレーションゲームも全部クリアしちゃったし、また次の楽しい遊びを見つけなきゃだな」


 という事で俺は次の楽しい遊びを考えていきながら、シュミレーション室から出て帰路へとついていった。


…………

…………


「ほら。千絵ー。早くシュミレーション室に行くよー!」

「う、うん。待ってよー!」


 私の名前は志藤真由。聖凛高校二年の女子生徒だ。今日は友達の千絵と一緒に久々にシュミレーション室に訪れた。


「ふぅ。シュミレーション室に到着したね。ここん所はずっとお茶会やら交流会の準備で全くトレーニングが出来なかったし、今日は久々にガッツリとトレーニングしていくよ!」

「うん。そうだね。新入生とのお茶会とか交流会は派閥拡大のために必要な事だから忙しかったのは全然良いんだけど、でも将来の就職のためにも魔法の修行はしっかりとしなきゃだもんね。ここ数週間の遅れをしっかりと取り戻さなきゃだね!」

「そうだね! よし、それじゃあ数週間ぶりにシュミレーションをしていこう! 起動……と」


―― ブォン……


『志藤様。お疲れさまです。十六日ぶりのログインとなります。志藤様のログオフ期間中にランキングに変動がありました。ランキングを確認しますか?」

「え、ランキング変動? まだ新学期が始まって一週間ちょっとしか経ってないのにランキングが変動したの?」

「へぇ、こんなお茶会やら交流会の準備で忙しい時期にシュミレーションで訓練してた生徒がいたんだ?」

「うん、そうっぽいね。まぁランキングに変動があったのならとりあえず確認してみるかな。どれどれ……って、えぇっ!?」

「え? ど、どうしたの真由? 何か変な事でも書かれてたの?」


 私はランキングを確認してすぐに目が飛び出る程にビックリとした。


「い、いや、誰がどうみてもヤバすぎる事が書かれてるんだけどっ!? ほ、ほら、ここ見て! ランキング1位のポチ太って子!! ID生成してたったの一週間で200ステージ全部踏破してるんだけど! しかも全ステージで討伐スピード一位になってるし!!」

「え……って、えぇえええ!? たったの一週間で200ステージ全部クリアって何よそれ!? 私達は一年かけてようやく40ステージ目まで到達した所なのに……い、一体何者なのそのポチ太って生徒は!?」

「わ、わからないよ! でもこんな新しいIDって事は……おそらくこの子は新入生って事だよ! 今更2~3年生が新規IDなんて作る訳ないし、多分入学式が終わってすぐにIDを作った新入生がいるんだよ!」

「あ……た、確かにそうだね! そ、それじゃあつまり……新入生の中に超大型の新人がいるって事なの!? そ、それは凄い事が起きてるね!」

「う、うん! これは一大事だよ!! これは何としてでも私達の派閥にこの超大型の新入生を引き込まなきゃだよ! よ、よし、それじゃあ今すぐこの事を紫会長に報告に行こう!」

「うん、わかった!!」


 という事で私達は一旦トレーニングをするのは中止にして、急いで私達が所属している派閥の部屋に向かった。会長にこの事をすぐに報告しなきゃ!

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