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33.ルミナ&フェリアVSイルシア&ガルロス2

戦場に吹き荒れていた闇の圧力が、一瞬にして切り裂かれる。


立ち上がったルミナとフェリアの身体から、光と炎が溢れ出すように広がっていく。


ルミナは杖を掲げ、空に煌めく光を収束させた。


「・・・私の光は、もう誰にも押し潰せない!」


フェリアは魔法剣を逆手に構え、炎を纏わせる。


「魔法剣士フェリア・クレスト……ここからが本気だよ!」


二人の魔力が共鳴し、戦場全体が振動する。


イルシアは冷ややかに微笑み、白い指先を掲げた。


その動きと同時に、空間がぐにゃりと歪む。


時空断層(クロノ・リフト)


大気が裂け、鋭利な刃のような空間の亀裂が奔る。


その切っ先は触れたものを存在ごと断ち消す古代魔術。まさに禁忌の領域。


「なっ・・・空間そのものが斬れてる!?」


ルミナが顔を蒼白にし、咄嗟に防御魔術を展開した。


「ルクス・ドミヌス!」


光の大結界が広がり、空間の裂け目を弾く。だが、結界の表面に黒いひびが走る。


「くっ・・・この力、普通の魔術じゃ防げない・・・!」


その隙を狙い、イルシアはさらに手を振り下ろす。


「エーテル・ランス!!星々を穿つ槍よ」


虚空から蒼白の光槍が十数本、雨のように降り注ぐ。


フェリアが即座に短剣を剣のように構え、炎を纏わせた。


「全部斬り払うっ!」


紅蓮の軌跡が閃き、突き刺さる光槍を弾き飛ばしていく。だが衝撃で彼女の腕は痺れ、足元が揺らぐ。


イルシアはその姿を見て、口元を歪めた。


「やはり・・・あなたたち程度では、この魔術には届かないわ」


だがその言葉に、ルミナとフェリアは同時に顔を上げた。


互いに傷だらけ、息も絶え絶え。それでも、決して瞳の光は消えていない。


「・・・それでも・・・」


ルミナが杖を強く握りしめる。


「届かせてみせる!」


フェリアが炎剣を振り上げた。


光と炎。二人の魔力が共鳴し合い、修練で培った連携が蘇る。


イルシアの古代魔術に真正面から挑む構えを見せ、戦場の空気が再び震え始めた。


一方、巨体のガルロス=タートラが咆哮を轟かせる。


「グオオオオオオオオオッ!」


その首が何本も分岐し、蛇のように襲いかかる。


フェリアはその突進を迎え撃ち、


「ルミナ、援護を!」と叫ぶ。


ルミナが杖を振り下ろし、


「ウインド・バレット連射!」


無数の風弾が蛇首の動きを逸らす。


その一瞬を突き、フェリアが渾身の跳躍で一閃。


炎剣が巨体の首を一気に斬り落とす。


しかし、切断面からすぐに赤黒い肉塊が蠢き、再生していく。


「チッ・・・やっぱり再生するのね・・・ダメージも入ってないの!」


ルミナが眉をひそめる。


「なら・・・何度でも斬って、押し返して、核をぶった斬る!」


「私の事も忘れないでよ」


イルシアがルミナの懐に飛び込んできて回し蹴りで吹き飛ばす。


「ルミナ・・・ッ!?」


フェリアが吹き飛ばされたルミナに振り返った瞬間・・・。


「ダメじゃない?敵から視線を外したら」


イルシアは古代魔術の黒炎をフェリアの鎧にぶつける。


ルミナと同じ所まで吹き飛ばされたフェリアはすぐに態勢を立て直し、ルミナも立ち上がった。


二人は視線を交わした。


言葉はいらなかった。


修練の日々で磨いた連携が、自然と身体を動かす。


ルミナが広範囲の光槍を展開し、空から雨のように降らせる。


光槍の雨(シャイニング・レイン)!!」


その中をフェリアが駆け抜け、炎剣を振り抜いた。


「フレイム・スラッシュ!」


紅蓮の斬撃がイルシアの頬を裂く。


一滴の血が流れ、イルシアが初めて目を見開いた。


「・・・私に傷を・・・?」


イルシアが低く笑った。


「面白い・・・。なら、こちらも少し本気を出しましょうか」


彼女の周囲に禍々しい魔術陣がいくつも展開される。


空気そのものが震え、圧が増していく。


彼女が足元に魔方陣を展開し詠唱すると、戦場全体に圧力が走る。空気が押し潰されるように重くなり、視界の端が歪む。


時空崩落(クロノ・カタクリズム)


空間そのものが波のように押し寄せ、建物の石壁を無音のまま粉砕していく。


ルミナとフェリアを包み込むその力は、触れた瞬間に存在を消し飛ばす。


「っ、ここまで・・・っ!?」


ルミナが震えながらも光盾を張る。だが瞬時に砕け散り、空間の奔流が迫る。


「まだだよッ!」


フェリアが炎剣を地面に突き刺し、紅蓮の柱を天へと噴き上げる。


「ルミナ!」


「分かってる!」


ルミナはその炎に光を繋げ、巨大な魔力の螺旋を作り上げた。


「光炎螺旋〈ルミナス・イグニス・スパイラル〉!」


炎と光が渦を巻き、迫る時空の奔流へ突き進む。


耳をつんざく轟音とともに、崩壊の波と螺旋がぶつかり合い、戦場を眩い閃光が覆った。


やがて、波は霧散し、二人は立っていた。


「・・・あり得ない」


イルシアの瞳が一瞬、大きく揺らぐ。


「古代魔術を・・・一時的にとはいえ、打ち破った・・・?二人が・・・?」


その声には、わずかな苛立ちと恐怖が混ざっていた。


だがすぐに冷酷な微笑を取り戻す。


「なるほど・・・ならば、私が出るまでもない。ガルロス=タートラ・・・二人を殺しなさい」


「グォオオオオオオオオオオッ!!!!」


命を受けた災害級の巨亀ガルロス=タートラが雄叫びを上げた。


地面を踏み砕き、巨体が都市の通りを薙ぎ払う。


甲羅の棘から魔力が奔り、岩塊と灼熱の光弾が雨のように放たれる。


「や、やばいっ……! 本気で暴れ始めた!」


「ここからが正念場よ、フェリア!」


ルミナとフェリアは全身に傷を抱えながらも、互いに背中を合わせて巨亀に立ち向かう。

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