表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

負けヒロインではありません!

  お兄様はいつも私に優しい。毎年プレゼントだってしてもらったし、たまには我儘も聞いてもらっている。勿論私はそれがただの兄妹愛であることは知っていた。でも私は兄妹愛以上の愛を抱えていた。

そう、私はお兄様の事が好きなのだ。普通は兄には恋はしない。そりゃそうよ。

でも!私から見たお兄様はいつも私の先にいて困った時は必ず手を差しのべてくれて、それでいてかっこいい。こんな理想的な兄は他にいるだろうか?いや、居ないに決まってる!こんなの好きにならない方がおかしいのでは無いのだろうか?

少し興奮してしまったが話を戻そう。私は兄が好きだけれど、この恋は絶対に叶わない。だって、兄妹では結婚は出来ないんだもの。私は恋愛小説で例えるなら、負けヒロインだ。嫌だし認めたくはないけれど変えられない運命もあるよね。



そう思っていた。



 3月。高校入学を控えたある日、私たち兄妹は両親に話があると言われ進められるがままに椅子に座らされた、私の隣には兄。向かい側に両親が座る。

 なんとも言えない空気が流れる中、お父様が口を開いて話し始めた。


 「なぜ急に私の話を聞かされているのか不思議だろう?今日はどうしても二人に話しておかないといけないことがあるんだ。君たちはもう立派に成長したからね。今から話す内容もしっかり受け止められると二人で考えたんだ。それでその内容とはね、君たち二人は本当の兄妹では()()んだ。僕たち夫婦は今までずっと君たちに嘘をついてきた。2人は兄妹だってね。本当のことを言えば、君達は本当の兄妹ではないんだ。」


 その後もお父様はあーだこーだ言っていたけれども「本当の兄妹ではない」という言葉が衝撃的過ぎて続きを聞く余裕は私にはなかった。


 後にお兄様に聞いた話によるとどうやらお兄様がまだ幼稚園児だった頃お父様の弟と義妹、つまり私の実父と実母は幼稚園児の私と共に旅行に出かけていたらしい。

不運なことに家のすぐ近くの交差点で暴走者と正面衝突してしまい、正面座席に座っていた実母と実父は頭に大怪我を負いそのまま帰らぬ人に、後部座席のチャイルドシートに座っていた私は奇跡的に目立つ傷なしで生還することができた。

ただ、その時に頭をぶつけてしまったらしく、事故以前の記憶を忘れてしまった。一人取り残された私は兄のお父様に引き取られた。


 そんな風にお兄様は説明してくれたけどなんというか・・・

まったくと言っていいほど実感がない。だって私の物心がついた時にはもうお兄様は側にいたし、両親だって本当の子供と同じ扱いをしてくれていたんだもの。こうやって言ってしまうと失礼だけれども、記憶をなくして忘れてしまった親など16年過ごしてきた今の親と比べたら他人も同然だ。


 そんなわけであっさりと状況を理解して落とし込んだわけだが内心は浮足立っていた。

(お兄様は本当のお兄様じゃなかったのね!どうりで恋なんてしちゃうわけだわ!てことは、お兄様とお付き合いできるかもしれないってことよね?!あぁ、私はなんて幸せなのかしら!恋愛小説で何度も夢見た「実は義妹だった」が現実で起こるだなんて!やっぱり私はメインヒロインなのね!)


 両親が別にいたという衝撃的な話に感傷に浸るより兄のことを考えているあたり綾奈は意外と現金な少女なのかもしれない。

そして綾奈の言う恋愛小説がラノベを指していて、彼女の部屋にはラノベがずらりと並んでいることから推測すると彼女は意外とオタクなのかもしれない。


 そんな彼女の考えていることはただ一つ。

(ふふふ、待っていてねお兄様。私が必ずあなたのハートを射止めて見せるわ!)

悪役令状も顔負けの悪役顔を披露しつつ綾奈は兄の気を引くための計画を練っていくのだった。

どうも作者の白狐です。

今回は私の初投稿ということで文章が下手かもしれませんがお許しください。

何かアドバイス等ありましたらコメントにて教えていただけると嬉しいです。

いちゃもんでもボロクソに言ってもらっても構いません!参考にさせてもらいます。

それではまたお会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ