北海道新幹線はミニ新幹線で よくね?
懲りずに北海道新幹線ネタ。
地元新聞に「北海道新幹線の延伸時期見通しが一向に立たない」旨の記事が載った。
元々は2030年度(だから2031年3月あたり)の開業予定だった北海道新幹線だが、建設にあたっている鉄道建設・運輸施設整備支援機構が今年(2024年)5月8日に「数年単位で遅れる」と表明していた。地元北海道・各自治体は「延伸時期を明らかにせよ」と迫っているが、トンネル掘削がどれくらい遅れるか見通しが立たないので延伸時期を示すことができない、と言うものだ。ま、北海道や倶知安町は目処もつかないのに「在来線(山線)を廃止しろ」としか言わない無責任さ、なのだが。
今、止まっている区間はどこか、と言うと、渡島トンネル(北斗市〜八雲町)と羊蹄トンネル(ニセコ町〜倶知安町)で、それぞれトンネル開通まであと8年(2032年度開通)、4年(2028年度開通)と見積もられているようだ。開通後に線路を弾いたり試運転をしたりと言った作業で4年かかるので、現状は最短で2036年度開通となる。しかし試験ボーリングができなくなって先の地質を探れない区間があったりするので、もっと遅れる可能性もまだまだある。2040年度以降もガチありえる。
じゃあ、なにもできることはないのか?というと、先にできる区間を暫定開業する方法もある。もっとも、札幌市内区間の地下トンネルも有害金属を含んだ排土の処理遅れなどでスケジュールが押しているので怪しいが、それでも2030年度は無理でも若干遅れで札幌〜倶知安間だけなら開業できないこともない。メリットはないけど。
これをメリットにする方法として、「新千歳空港〜札幌〜倶知安」をミニ新幹線で部分開業する、と言う方法を提案したい。
ミニ新幹線は在来線規格の車両限界を持つ車両を標準軌で走らせるもので、秋田新幹線や山形新幹線で既に運用されている。新千歳空港〜南千歳〜札幌を三線軌条化、札幌〜倶知安のフル規格新幹線軌条に接続してミニ新幹線車両を運用するものである。新千歳空港〜南千歳間は三線軌条でなく標準軌だけでも良いかもしれない(新千歳空港駅に乗り入れているのは快速エアポートだけなので)。また、南千歳〜札幌間は複線を三線軌条にするのではなく、片側を標準軌(快速エアポート分を含むミニ新幹線)、片側を従来の狭軌(普通列車、在来線特急と貨物)のままでも運用が可能かもしれない。なお、新千歳空港〜札幌間は将来的にはフル規格新幹線への移行も考えて良いとは思う(新千歳空港駅の改築、というか新築移転がいつになるか、による)。
実は、「北海道新幹線はミニ新幹線でよくね?」というのは既に提唱している方がいるようである。「北斗市〜八雲町およびニセコ町〜倶知安町は在来線を三線軌条に改軌、残りのフル規格新線とつぎ合わせてミニ新幹線で運用」というものだ。これでも良いが、在来線併用区間のトンネルの建築限界が三線軌条に改軌できるかどうか、非電化区間であるのでトンネル内に架線を張れるかどうか、による。ただ、需要としては新千歳〜南千歳〜札幌間は毎時6往復あり、北海道新幹線延伸区間(新函館北斗〜札幌)の速達型毎時1往復+各停型毎時1往復よりも優先すべきものと考える。ちなみに山形新幹線および秋田新幹線は毎時1往復である。
となると新函館北斗〜札幌は将来的にもミニ新幹線でよくね?という話になりそうだが、将来的にはフル規格の建築限界で作ることにより、北海道〜本州間の貨物列車を標準軌化することを併せて提案する(本州側・東北本線区間の貨物列車標準軌化構想は既にあるようである)。これにより、並行在来線区間(新函館北斗〜長万部)は貨物列車の負荷を外して線路設備の劣化を抑えることができる(JR貨物からの利用料収入は無くなるが)。また、「採算が合わないときは国防を引き合いにしろ」という常套手段を用いれば、標準軌であれば車両限界が3400ミリなので、10式戦車(車体幅3240ミリ、第7師団北恵庭駐屯地第71戦車連隊など)を北海道から青函トンネルを越えて本州九州に展開することが可能になる。石破政権では無理だろうけど。
ニセコバブルが弾けたら全てが御破算になりそう。だけど、有珠山もいつ噴火するかわからないのだよ(前回噴火から24年経過、今のところは兆候なし)。北海道駒ヶ岳は予想のしようもないのだけど。