4、エロゲマニア
.....。
流星は超高確率で浮気している可能性がある。
それも相手は陽毬の兄だ。
俺は、ふむ、と悩みながら考える。
何故こうなったのか、と思いながら。
取り敢えず100%とは断定出来ないので.....今は様子見という形を取っている。
流星の証拠が明確になってない。
取り敢えずは今は保留という形である。
それから翌日になったのだが。
「瞬。朝だよ〜」
「う.....朝か」
「そうだね。起きて。ほらほら急いで。学校に行く準備準備」
「そうだな.....」
複雑な思いを抱きながら朝を迎えてしまった。
それから俺はゆっくりと起き上がる。
そしてそのまま俺は準備をする為に下に降りる。
親父達はみんなもう家を出た様だ。
残されたのは俺と流星の様である。
「瞬。朝ごはんはパンだよ。.....何かそれ以外に食べたい?ご飯が良い?」
「いや。大丈夫だ。.....だが目玉焼きがあったら嬉しい」
「了解」
それから目玉焼きを焼く為か台所に戻って行く。
俺はその姿を見ながら眠気まなこを目覚ませる為に冷水を顔にぶっかけた。
そして準備をしてからそのままリビングに戻る。
そこにトーストと目玉焼きとハムがあった。
俺は流星を見る。
流星からお弁当を手渡された。
出来立てのお弁当である。
「今日のお弁当だよ」
「.....ああ。いつもすまないな」
「.....どうしたの?今日はかなり遠慮がちだね」
「遠慮がちなのは.....まあちょっと疲れているせいかもな」
「ふーむ?.....じゃあ私が抱きしめてあげよっか?」
「今はその気分じゃないな。.....すまん」
「そっか。じゃあまた後でだね」
そんな感じで会話をする俺達。
俺は言葉に、ああ、と言いながらトーストを口にした。
それから複雑な顔をする。
やれやれ、と思いながら、であるが。
☆
「よお」
「.....よお。春樹。おはよう」
「なんだー?お前さん。死んだ様な顔をして」
「俺の顔が死んでいるのは元からだろ」
うん?そうか。
教室に着いてから俺はそう答えながら苦笑する。
永山春樹。
俺の高校時代からの笑顔の絶えない親友である。
そばかすが特徴的な好青年だ。
その姿を見ながら俺は欠伸をする。
春樹は、?、を浮かべる。
「ああ。すまん。あまり寝れなくてな」
「そうなのか。まあ性欲で悩むよな。俺ら男だしな」
「いやふざけんな。お前と一緒にすんな。お前は変態でエロゲしているだろ」
「エロゲは全ての人に世界平和をもたらすからな!ハッハッハ」
「いやおま。18禁だろ.....ざけんな」
「関係無いぜ」
てへぺろの様な顔をする春樹。
因みにだが春樹はエロゲマニアだ。
だけど根っからの性格はこんな好青年。
頭を坊主にしているので悟りでも開けそうだが。
肝心の所がゴミクズだと思う。
思いながら俺はまた苦笑いを浮かべる。
すると陽毬がやって来た。
「なになに?何を話しているの?」
「.....コイツのゲーム内容な。.....またエッチなゲームだよ」
「へぇ.....もー。永山くんのえっち」
「そうっすね。陽毬さん。俺は心底のクズなんで」
「いや。認めんなよお前。マジに最低か」
「ははは。俺はドクズだから」
舌を出してウインクする春樹。
ドクズだから、じゃねぇよ。
俺は額に手を添えながら陽毬を見る。
すると陽毬は赤くなりながらも、でもそんなに楽しそうなら私もしてみようかな、と言い始めた.....うぉい!!!!?
何を言ってんだ!
「テメェ春樹!俺の大切な幼馴染が汚染されたじゃねぇか!」
「汚染?.....いや。汚染じゃないぞ。これは悪魔の誘いが勝ったんだ」
「ひっでぇ.....」
「.....で、でも.....瞬も興味あるんでしょ?そういうの」
「おま.....いやあるっちゃあるよ。男だしな。.....でも根っからのコイツの様なクズにはなりたくない」
「オイ。誰がクズだぁん?アアン?」
「お前だよ!!!!!お前自身がお前をクズって言ったんだろ!」
何で言っている事が真逆なんだ。
ったく話がややこしくなるからな!
俺は思いながら頭を掻いていると、まあ冗談はさておき、と腕を組む春樹。
それから椅子に腰掛ける。
お前さんは何かあったのか?、と言ってくる。
ドキッとした。
何だいきなり.....。
「何か、とは?」
「俺に冗談は通じないぞ。.....俺は様々なエロゲキャラを攻略した。.....クズ中のクズだからな。だからこそ様々な人の心を知っているつもりだ」
「.....内容は最低だが言っている内容は真っ当だなお前」
「ウルセェ。でもまあ何かあったんだろ?話してみろ」
「何もなかった、よな?陽毬」
「.....そうだね。何もなかった」
そんな感じで、心配してくれて有難う、と言った陽毬。
俺はその姿に春樹を見る。
春樹は、そうか、と納得した様なしてない様な顔をする。
そして春樹は、まあ何かあったら言ってくれよな、と言ってくる。
「まあその間もエロゲを攻略すっからな」
「おま.....」
「俺はお前達の味方だからな。因みに俺の好きなキャラは七海ちゃんだ」
「いや。聞いてねぇよ」
おいおいつれねぇな。
ゆずソ◯トしろよ。マジに純愛がスヴァらしいぞ、と興奮気味にオススメしてくるのだが.....。
コイツの家の中ってどうなっているんだろうな。
何というかエロゲばっかりだろうな。
思いながら俺は陽毬と苦笑する。
そしてチャイムが鳴ったので俺達は解散して戻る。
それから2時限目の中休みになった時。
「瞬」
「.....流星?」
流がいきなり教室を訪問した。
俺はその姿に眉を顰める。
そしてクラスに入って来た。
春樹と陽毬も反応する。
その中で.....最も陽毬が複雑な顔をしていた。
何故か分からないが。
.....。