私は自由だァァァ!
死のダンジョン、その名も「サウザンドF」。私はそのダンジョンを初めて踏破し事実上攻略した人間になる…はずだったが…油断したのだろうか、そのダンジョンから帰還する際罠にかかり落ちてきた巨岩で帰路が塞がってしまったのだ。私は死のダンジョンに閉じ込められた。ダンジョンに閉じ込められてから外に出れるまでにおよそ千年の月日が過ぎていた。その千年間について今はあまり触れないが追々話す予定だ。今は外に出た後のことを話そうと思う。そうだ、あと…私は「テット」と、今はそう名乗っておう。
「光だ!外だ!!私は自由だァァァ!!!」
そう叫びながら飛び出だした私の目の前には、不審者を見るような目で私を見つめる冒険者らしき人が一人。目が合ってしまった。気まずい。いや、今はそんなこと気にせず外の世界を楽しもう!
私は早速近くの街に行ってみようと思った。が、道がわからない。私が閉じ込められていた千年の間にかなり地図は変わったようだ。とりあえず…道に沿って歩いたらいつかは街にたどり着くかな…
二十分ほど歩いただろうか、街(というよりも村?)が見えてきた。早速その村の宿屋に泊まろうとしたのだが、今持っているお金はおよそ20000ゴールド、それに対し宿屋で一泊するのにかかるお金はなんと1.5kマイト!お金の単位が違う!千年あればお金の単位は変わるのか…ってことはこの『千年前の硬貨』めっちゃ高く売れたりして…
早速質屋にて換えてきました!これで今の所持金は20Mマイト!ちなみに、「k」は1000を、「M」は1000000を表すらしい。しばらく宿屋で過ごすお金は確保できたが、もっと安くしたい…そこで私は宿屋に「働く代わりに1kマイト(1000マイト)を割引して欲しい」と交渉を持ち掛けた。するとなんと交渉成立!私はここで働くことになった。私の担当は食材調達だ。魔物を討伐し、その肉を持ってくる。それだけだ。そのためにギルドカードが必要なのだが、ギルドカードの有効期限は3年なのでもうとっくに期限切れだ。期限が切れたギルドカードでも切れてから2年まではちょっとした手続きだけで再発行できる。だが、私の場合切れてから1000年程経っているのでもう一回試験を受けないといけないのだ。
ギルドに到着!受付のお姉さんに話しかけようとした…その時だった…
「千年前に封印されたはずの『死を告げる者』が死のダンジョンから失踪したぞ!」
あれ?もしかしてだけど…私の事⁉
見つけてくれてありがとう