第四話
「しゅうりんだ~!」
待って!頭追い付かねえんだけど!!!えーっと……ふわふわ君が来たと思ったら……なんかオーラ、じゃっねえや、照明係連れてきてて!んで、なんか、俺……しゅうりん?
「あははっ、華辻さんは、いつも通りだね。……って、あっ、秀は初めてー、だよね?」
「んぅー?僕、しゅうりんとはお友達だけど~?」
「あれ、知らない?秀、記憶喪失なんだよ。」
「え~?僕知らないなあ?んぅ、辻ちゃんは知ってたの?」
『いえ。初耳です。』
いつも通り、だと!?というか、こ、怖い怖い!なんか要とふわふわ君の後ろがものすごい嵐になってんだけど!!!
あ、というか後ろの照明さんは画用紙に文字書いてる……ってええ!?は、早ッッ!!?なにあの文字を書く速度!ふぁっ!?こ、この学校どうなってんの?!?!
「ふ~ん?まあ~いいよ~。じゃあ、初めまして?で、いいのかなあ?しゅうりんとはー、高校生から知り合ってぇお友達だったんだよ~!名前は~辻 千里だよ~。ちさちゃんって気軽に読んでねえ~。」
「あっ、俺の名前はー……まあわかってるよな?………ちさちゃ、?……あー、華辻でいいか?俺、お前のことあんま知らないしさ……」
正直言ってマジで怖すぎてお近づきになりたくねえ……けど多分こんなの知られたら殺されそう………って、いやいやいや!マジでありそうだから、考えんのやめよ!!よーし、削除削除…………
「ん~?まぁいいよ~。あ、そうだぁ、こっちのコレは僕の弟でぇ、辻ちゃんだよ~!挨拶できるぅ?」
『華辻千里です。同じ名前ですが、せんりと呼びます。よろしくお願いします。』
「へえ~、同じ漢字なんだな!すげえ……」
「えへへ、凄い~?あははっ、そうでもないよぉ!」
『そうですよ。』
「あっ!そうだ~、今日りんりんとお遊びだった~!ごめんね、しゅうりん!またお話は後にしよ~?」
「ああ、大丈夫だ!」
「うんうん。こっちは僕達二人で楽しくしてるから、華辻さんは橋田君のところに行ってきていいよ~!」
橋田……?あれ、聞いたことあるような………
「なーんかほんとに君って気にくわない。まあいいけど~?じゃあ、ばいばーい!」
華辻はそう言って、千里と共に行ってしまった。
「はあーっ。全く、華辻さんは怖いねえ……」
「いや、いやいやいや!要もそこそこヤバかったかんな!?」
「んー?要、わかんなーい。ふっ、はははははは。ね、似てた?ふふっ。」
「いや……お前、殺されんぞ?いや、マジで!」
「確かにここだったらあるかもね~。ファンクラブの過激派はホントに怖いし。あ、!っていうか、 秀のファンクラブって、今どうなってんの?」
「ファンクラブ?」
「えっ、あっ!そっかぁ……記憶喪失だもんねぇ…………あー……」
「え、ちょっと待ってくれ、ホントにあんの?俺のファンクラブ。え?俺だぞ?この俺?」
「そうだよ。だって生徒会長様だもん。あるって決まってるでしょ?」
決まってるんだ……え、ええ……?そういえば俺、生徒会長じゃん……それにファンクラブもあるし……ええ…マジかぁ……
「あ、そういえばこのクラスにファンクラブの会長がいたじゃん!えーっと、名前は……んー?何だったっけ?」
「おいおい……要がわかんなかったら俺誰に聞けばいいの?!お前だけが頼りなんだよぉ……ほらほら、もっと思い出して!なんかないの?ほら…………」
キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン
「あ、もう時間だね。この話は後にしよ?それと、この授業も教科書借りるでしょ?というか、今日はとりあえず全授業借りるよね。」
「うーん……わかった!そのかわり、ちゃんと思い出して聞かせろよ?あ、教科書は要が良ければ借りるつもり!いいか?」
「うん、いいよ~。っていうか次の授業はちゃんと受けなよ?寝ちゃダメだからね?」
「わかってるよ!お、俺だってやれば出来るし?」
「それは知ってる~。だって秀はコレでも生徒会長様々だしね。」
「これでもってなんだよ!これでもって!まあ、記憶ねえから、いまいちピンときてないけどさぁ……」
「はーい、私語はやめてくださいねー!授業、始めますよ。」
あっ!あの先生、さっきの眼鏡の先生だ!
「えー、では教科書の75ページを……」
◇◇◇◇◇◇◇
眼鏡の先生の授業が終わり、今回は眠らずに全て聞けたと思ったら、先生に呼び出されてしまった!な、なんの話だろう……?
「佐嶋君、呼び出してしまってすいません……じゃあ、改めて自己紹介しますね?篠崎海翔です。一応、生徒会の顧問をしているので、その話については、放課後、生徒会室まで来てくれますか?いろいろな資料などもあるので。」
「わ、わかりました!」
「はい。ではまた。」
篠崎先生は言い終わると、次の授業のところへ行ってしまった。ああ……それにしても放課後呼び出されてしまった!放課後かぁ…………あっ!そうだ、要と約束してたじゃん!
◇◇◇◇◇◇◇
教室に戻り、自分の席へ座る。
「何々?どんな話だったの?」
「あー、それなんだけどさ。放課後、呼び出された……」
「えっ!何で?」
「いやー、あれだよ。俺、一応?生徒会長らしいからさ、その事で何かいろいろあるらしい。」
「そっか~、まあでも、すぐ終わるんじゃない?待ってるよ。」
「マジ?うわ、助かる!ささっと終わらせてすぐ帰ってくるわ!」
「おっけ~。あっ、そうそう!そういえば連絡先交換してないよね。携帯持ってる?」
「持ってる持ってる!交換しとこーぜ!」
「LIMEでいい?」
「おう!ん、んーと?…………これでいいのか、?」
「うん、ほら、僕のアイコン出てるし、承認してくれたら…………これで、出来たよ~!」
「ありがと!おー、すげえ!」
俺様は連絡先を交換して、またいろいろと雑談を始めた。
◆◆◆◆◆◆◆
午前中の授業、全てが終わった。
案外、寝てしまったのは一限目の国語だけで、後は普通に聞いていた。四限目辺りからお腹が空きすぎて集中出来なかったが…………ついに、昼飯の時間だ!!
ここは食堂があるらしいし……そーだ、要も誘ってみるか!
「要!一緒に昼飯食わないか?」「秀も一緒にお昼食べない?」
あっ、ガッツリ被ってしまった……が!これも運命じゃないか?
「いや~タイミング良すぎだね~、ふふっ。」
「まあ、俺達同じ事考えてたってことだし?それに、俺食堂がどこにあるのか知らないんだよ。」
「おっけ~。僕が案内するよ。ついでに他の場所も回ろうか。」
「おう!よろしく頼む!」
俺達は教室を出て、食堂へと向かった。