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TALKER  作者: 日々乃青砥
1/1

会話







※このストーリーは、全て会話です。


架空のチャットアプリ、TALKER(トーカー)を利用しての会話、及び実際に言葉を交わす会話の2つのパターンのみで進行致します。


予めご了承下さい。※

































美菜(みな)がTALKERを利用しました】


【美菜からメッセージが届いています】


【メッセージを見るには、美菜を友達に追加してください】


【美菜を友達に追加しますか?】


【美菜が友達になりました】


美菜《久しぶり!元気だった?》


?〈久しぶり。もちろんだよ。美菜は?〉


美菜《良かったぁ。最近ね、隼人に会いたいな〜って無性に考えてたの!笑》


隼人〈なんだよ、それwwそれにしたって、なんで急に連絡くれたの?〉


美菜《私誰にも言わずに転校しちゃったでしょ?だから、みんなに連絡したくても、連絡先知らないからできなくて。でも、隼人にだけはどうしても連絡したくて…。そしたらね、バイト先に新しい子が入ってきたの!》


隼人〈へぇ、なんのバイト?〉


美菜《ファミレスだよ!しかもその新しい子が、百合ちゃんだったの!》


隼人〈え!?どういうことだ!?〉


美菜《すごい偶然でしょ?私もう嬉しくって、すぐに声をかけたの!ねぇ、百合ちゃんだよね?って!それで隼人の連絡先も教えてもらえたんだ〜♩百合ちゃんから聞いてない?》


隼人〈待て…変な冗談やめろよ?〉


美菜《え?どうしたの?本当のことしか話してないよ?》


隼人〈美菜、お前、百合の顔を覚えてるのか?〉


美菜《もちろん!百合ちゃん、町一番の美人だったもん。そりゃ覚えてるよ〜!》


隼人〈そうだよな…。さっき、バイト先に新しくきた子が百合だった、って言ってたよな?その時の百合の服装、覚えているか?〉


美菜《服装?うちのファミレス、制服があるから、その制服だったよ。っていうか、なに?笑さっきから笑 隼人、なんか変だよ?》


隼人〈じゃあなにか、なにか特徴はなかったか?〉


美菜《どうしてそんなことばっかり聞くの?笑 百合ちゃんのこと、苦手だったっけ?あ…そういえば、髪ゴムしてたよ。うち派手な髪ゴムはダメなんだけど、百合ちゃん知らなかったみたい。赤色のリボンしてたよ。》


隼人〈やっぱり…やっぱりそうだ。なぁ美菜、落ち着いて聞いてくれ。というか、俺を信じてくれ。〉


美菜《だからさっきからどうしたの?笑なんか本当に変だよ?笑》


隼人〈美菜、そのバイト辞めて欲しい。〉


美菜《え……?なに、本当になに言ってんの?意味わかんない。どういうこと?説明してよ。》


隼人〈ごめん。俺ばっかり色々聞いちゃって申し訳ないんだけど、まだ証拠が固まってない。だから言えない。けど辞められないならせめて、バイト先に行かないで欲しい。危ないんだ、美菜が。〉


美菜《危ないって、なにが?バイトが?本当にわからないんだけど。百合ちゃんになにかあったの?百合ちゃんの話しかしてないのに、なんでバイトを辞める話になるの?》


隼人〈今一人か?〉


美菜《一応、自分の部屋だから一人だけど、下の部屋にお母さんと弟がいるよ。》


隼人〈わかった。そしたら、俺の指示に従ってくれ。それから、詳しいことは話すから。約束するよ。〉


美菜《指示?って、なにかするの?今から。》


隼人〈ああ。このトーク画面を見ながら、できるだけ自然に動いてくれ。今この文章を見ても、絶対、キョロキョロするなよ!〉


美菜《どういうこと?なんで誰もいないのにキョロキョロしちゃいけないの?》


隼人〈落ち着いて聞いてくれよ。今美菜の部屋には、恐らく盗聴器か監視カメラが仕掛けてある。俺とこうしてトークできているところからすると、携帯の画面が見られていたり携帯自体を遠隔監視されている可能性は低い。でも、監視カメラの可能性は捨てきれない。もし今部屋を監視されていれば、今こうして美菜が携帯を見てからすぐにキョロキョロするのを見て、誰かから盗聴器や監視カメラが仕掛けてあると言われたのかもしれない、って悟られる。だから、できるだけ自然に、俺の言う通り動いて欲しい。少なくとも、俺は美菜の味方だ。信じてくれ。〉


美菜《意味がわからないけど、言う通りにすれば教えてくれるんだよね?なんでこんなことになってるのか。》


隼人〈もちろんだよ。美菜の知りたいことには、できる限りすべて答えるつもりだよ。だから頼む。今美菜は、本当に危険なんだ。〉


美菜《とりあえず、ただならないことはわかったわ。隼人は昔から、嘘だけはつけないもんね。今からどうすればいいか、教えて。》


隼人〈ありがとう。美菜。絶対助けるから。一旦、美菜の部屋の状況を教えて欲しい。自然に…って言われても難しいよな。例えば、欠伸するふりをして、部屋を見回して確認してみて。〉


美菜《そういうこと、サラッと言うよね。笑ほんっとに隼人にだけは、敵わないんだよねぇ。笑 わかった。やってみたけど、朝と比べて特に変わったところはないよ。まず部屋の左側にベッドがあって、その斜め前にピアノとテレビが並んでる。ピアノの上に窓があって、窓の横にコルクボードを飾ってる。ベッドの向かいにテーブルがあって、その横に部屋のドアがあるよ。》


隼人〈窓は?閉めてる?〉


美菜《ううん。さっきまで暖房つけてたから、今は少し開けて換気してる。》


隼人〈わかった。じゃあその窓を閉めてから、携帯を持って部屋を出てくれ。できれば一階だとありがたいんだけど、トイレはどこにある?〉


美菜《一階にも二階にもあるよ。一階のトイレに行けばいい?》


隼人〈ああ、そうして欲しい。〉


美菜《閉めてきたよ。さぁ、もういいかな?》


隼人〈トイレの鍵、かけたか?〉


美菜《そう言われると思って、かけておいたよ。で、まだすることはあるの?》


隼人〈良かった。とりあえず一旦大丈夫だ。そこには盗聴器もカメラも多分ないはずだから。〉


美菜《じゃ、教えてもらおうかな。これどういうこと?》


隼人〈どこから話せばいい?〉


美菜《まず、百合ちゃんの話をしただけで、どうして盗聴だとかカメラだとかの話になったのか、それを教えて。》


隼人〈わかった。まず、美菜が転校したのは確か、中学2年の時だよな?〉


美菜《そうだよ。林間学校が終わってすぐ、転校したの。パパの仕事の都合で本当に急だったから、誰にもそのこと話せなくて、すごく後悔してた。》


隼人〈そっか。俺もすげぇ寂しかったよ。美菜、何も言わずにいなくなったから。〉


美菜《隼人は普通にそういうこと言っちゃうから、バカなんだよね。笑》


隼人〈え?なんで?wwほんとのことだから、仕方ないじゃん。〉


美菜《まぁいいけど。笑これでも一応、元カノなんだけど〜?笑まさか忘れてないでしょうね?笑 それで、転校がどうしたの?》


隼人〈忘れてないよ!さすがに、忘れられないよ。いや、実は美菜が転校してからが、問題なんだ。〉


美菜《なんでそんなこと今…。もう!!この話は一旦置いとく。あとから絶対問いただすから!!ところで、問題ってなにが?》


隼人〈問いただすって…俺なにされんの…ww美菜が転校して、俺たちは3年生になった。その年の5月。ゴールデンウィークが明けてから、百合が学校に来なくなった。〉


美菜《百合ちゃんが?どうして?》


隼人〈最初は、5月病だなんだ言って、みんな心配してなかった。でも、6月に入っても百合が学校に来ることはなくて、さすがにみんな心配し始めてた。それで、俺たちはいつものメンバーで、百合を探しに行こうって話になったんだ。〉


美菜《待って、それ学校の先生はなにか知ってたんじゃないの?生徒が来なくなるなんて、おかしいと思うでしょ?普通なら。》


隼人〈最初はみんなそう思って、先生に毎日聞きに行ってたんだ。百合はまだ来ないのか、って。そしたら先生も、本当に困った様子で、お母さんから連絡がないんだって教えてくれた。こっちから連絡しても出なくて、仕事先にも来てないらしい、って。〉


美菜《百合ちゃん確か、お父さんいないって言ってたよね?離婚してから会ってないって。》


隼人〈ああ。だからお父さんに連絡してみても、そもそも百合のお母さんと離婚した後の住所も連絡先も、知らないって言ってるらしくて。手の施しようがないんだ、って先生も悩んでたんだ。〉


美菜《そうなの…。それで?百合ちゃん家には行ったの?》


隼人〈行ってみた。百合の家は一軒家で、学校から少し離れた山のふもとにあるの、覚えてるか?俺たち昔みんなで遊びに行ったことがあったから、家までの道のり覚えてたんだ。でも、チャイム鳴らしたりドア叩いたりしても誰も出なくて、しばらく待ったけど結局誰も帰って来なかった。辺りも暗くなって、さすがに帰ろうと相談してた時、百合のお母さんが帰ってきたんだ。〉


美菜《あ…覚えてる。一度だけ、みんなで百合ちゃん家に行ったよね。それで?》


隼人〈遠目に百合のお母さんがいることに気付いたのが、陽毬(ひまり)だったんだけど。その様子が、なんかわかんないけどおかしくて、俺たち慌てて百合の家の庭に隠れたんだ。〉


美菜《立派な不法侵入ね。笑》


隼人〈今考えるとなwwだけどあの時は、やばい、ってことで頭がいっぱいだった。それくらい、百合のお母さんの様子がおかしかったんだ。そうして、家のドアをガチャガチャ鳴らしながらこじ開けるみたいにして部屋に入ってから、音が何も聞こえなかった。おかしいと思わないか?〉


美菜《どういうこと?生活音がしないってこと?》


隼人〈そう。上着を部屋に片付けたり、手を洗いに行ったりする足音すら、しなかった。なのに、奇妙な音が響いてきた。文字に表しにくいんだけど、なんというか、ギギーッて、何かを擦っている音、みたいな。〉



美菜《なに…?なんかすごく怖いんだけど。》


隼人〈その音が突然、止んだ。そしてすぐに、悲鳴が聞こえた。心の底から絞り出したような、叫び声だった。そしてそれは多分、百合のものだったんだ。〉


美菜《もう…やめて。怖い。ほんとに怖い。》


隼人〈ごめん、聞いてくれ。最後まで。もう、終わるから。その悲鳴を聞いて俺たちは、怖くなって走って家に帰った。両親に事情を話して、警察に連絡してもらって、次の日、学校で全校集会があった。そして、俺たちは百合が死んだことを聞かされた。〉


美菜《ほんとにやめてよ!!嘘つけないくせに、そんな気味の悪い冗談言わないでよ!!なんで?じゃあ私が話した百合ちゃんは!?あれは誰なの!?》


隼人〈高校生になって、いつものメンバーは離れ離れになって、それぞれの高校に通ってた。だけど、この前連絡がきた。秋斗(あきと)からだった。陽毬が、事故にあった、って。〉


美菜《ひーちゃんが?それと私の会った百合ちゃんのことが、なにか関係あるの?》


隼人〈それが、大有りなんだよ。陽毬、かなり重症だったのが少し回復したらしいんだけど、百合に会ったって言ってるんだよ。〉


美菜《え…?》


隼人〈ここからは俺の推測でしかない。けど、俺は証拠を集めてアイツを本気で捕まえようと思ってる。〉


美菜《どういうこと?アイツって?》


隼人〈犯人は、百合だよ。百合がお前たちを、殺そうとしてるんだ。〉




___to be continued ___

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