第8話 激痛そして失神
ほんの少し多めです。
~シャルル邸・地下室への階段~
ギシッ、ギシッ
ここの階段は長い間手入れされていなかった様で、僕が階段を降りる度に板が軋む音が聞こえます。そのため、いつ階段が抜けてしまわないかとビクビクとしながら降りているので、とても時間がかかっていました。
ふふ〜ふ〜ん······ふんふふん······
ですが、僕が階段を降りれば降りるほど、鼻歌は大きくなっていきました。そのため僕は、この地下に誰かいる、という事を確信しました。
その鼻歌の声が大きくなればなるほど、詳しく分かるようになっていきました。
その鼻歌を歌っているのは女の子、それも僕より年下の様な声をしているなと思いました。そして、僕はこの女の子の声をどこかで聞いたことがある······気がしました。
と、その時でした、突然僕の頭をキーン! っと鳴り響くような痛みが僕の頭を襲いました。その痛みはとてつもない激痛で、僕はその場で頭を抱えうずくまりました。
「ッッッ! 頭が、痛いッ! 突然、こんなに、頭が痛く、なるなんてっ!」
そして、しばらくその場にうずくまっていると、頭痛は引いていきました。僕は痛みが引くとますます、その鼻歌を歌っている子について知りたくなりました。僕は立ち上がると階段の壁に手をつけながらゆっくりと降りていきました。
やがて階段の下の方から青い光が漏れている扉が見えてきました。僕はその光を見るとゆっくりと吸い寄せられるかのように扉へと近づいていきました。
そして、扉の前に辿り着くと、ゆっくりとドアを開けました。
~シャルル邸・地下室~
ギィー、っと微かな音を立ててドアが開くと、ドアの向こうからは眩い光が溢れ、僕は手で顔を覆いました。
僕が光に目を慣らしていると、部屋からは女の子の声が聞こえてきました。
「こんなところにおきゃくさまなんてひさしぶりね!」
そして、僕は声が聞こえた方に目をやると、頭がさっきの痛みが霞む程の痛みが襲いました。僕は地面に頭と膝をつき、顔から涙やら鼻水などの液体を流しながらもがき苦しみました。
「ん? おにいちゃん、だいじょうぶ? あたまがいたいの?」
「痛い! 痛い! 痛い! 痛い! 痛い! 痛い! 痛い! 痛い! 痛い! 痛い! 痛い! 痛い! 痛い! 痛い! 痛い! 頭がっ、痛いよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
僕は地面を転がり、頭を打ち付け、痛みで意識が飛びそうになりそうでした。そんな時、女の子が近づいてきました。そして、僕と一瞬目が合うとぱぁっと笑顔になり言いました。
「おにいちゃん! もしかして、わたしのつぎのマスターさまだよね! やっとこのひがきたんだね! とっても、とーっても! わたし、たのしみにしてたんだよ!」
僕はその子と目を合わせた途端、それ以上の痛みが襲い、女の子の言っていることがよく聞こえませんでした。そして、僕は痛みに耐えられなくなったようで、僕の意識は段々と暗い闇の中へと落ちていくのでした。
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