第6話 十四年前の嵐の日に
回想編です。
シャルル(主人公の父親)視点です。
~シャルル邸・書斎~
「······行ったか」と、虚空に浮かんだマップを見てる俺の口からこぼれた。
「当主様ついにこの時が来てしまいましたね······」ミリアムはそう言ってきた。
「······そうだな、あいつがこの家に来て十四年。あの嵐の日からそれだけの日がったということか」そう俺は言うとあの十四年前を思い出していた。
~十四年前・シャルル邸~
コンコン
「こんな嵐の日に誰だ、ミリアム見て来い」
「わかりました」
コンコン
「ここはシャルル領主の屋敷だ、雨宿りなら他を当たれ」
「ユグドラシルと七つの家名」と、フードを被った奴らが言ったのはハイエルフの王が七つの家に当てた秘密の文言だった。
「······エンビリア興国」と、今は地図に残っていない国の名をミリアムは言った。
「確認した。元エンビリア興国、47代興帝シャルル・ド・マーニ殿の部下の嫉妬の騎士団団長ミリアム・ケーニヒ殿ですね?」
「······あぁ、昔はそうだったよ。今はただのミリアムだ。で、お前らハイエルフが直々に来るとはどんな緊急の要件だ?」と、ミリアムはフードを被った奴らの中を覗きこみつつ言った。
「······他の人に聞かれるとまずいので中で話をしても?」
「あぁ」と、だけミリアムは言いフードの集団を屋敷内へ招き入れた。
~シャルル邸・辺境伯執務室~
コンコンと、ノックの音が聞こえた。
「誰だ」と俺が聞くとミリアムの声が聞こえた。
「当主様、ハイエルフの方々をお連れしました。至急の要件だそうです」
(は、ハイエルフが今更何故私のところへ······? そして至急の要件とはなんだ······?)考えれば考える程に俺の頭の中をぐちゃぐちゃにしていった。
「当主様、ハイエルフの方々が玄関でお待ちなので······」と、そんな中ミリアムはもう一度聞いてきた。そのミリアムの声で俺は色々な考えで渦巻いてた頭がすっきりした。全ての疑問はハイエルフ達に聞けばわかるだろうと俺は執務室へ呼ぶようにミリアムに言った。
「あぁ、ミリアムすまない。ハイエルフの方達をここに呼んできてはくれぬか?」
「わかりました当主様。今から呼んできます」
(さて、ハイエルフの奴らめどんなことを言ってくることやら。あいつらが命令してきたことで簡単なことなど一つも無かったからな······)
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