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異世界に迷い込んだサバイバー  作者: ゼロブランク
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魔族の狙い

第十四話

魔族の狙い


話し合いをしていた龍牙とスイレンの元に来た騎士は息を乱しながら、龍牙の感じていた嫌な予感を現実のものとした。


「リュウガさんはここですか!!医務室にて目が覚めた勇者達が発狂し魔術を乱発しています我々では手がつけられないのでどうにかしてもらえませんか?」

「分かった今行く」

(クソ、嫌な予感に限ってあたるこれで魔族の狙いがハッキリした)

「スイレン、医務室に向う、付いて来てくれ」

「分かりました、リュウガさん?どうしてそんなに険しい顔をしているんですか?」

「いやな、推測だがな魔族の狙いが検討がついてな」

「魔族の狙い?」

「あぁ、魔族は今のこの状態が奴の狙いだ、スイレン言っていたな、魔素は人の負の感情によって大小は異なるが増えるって、だから奴は勇者達を死ぬ直前まで傷めつけて恐慌状態にして暴走させて城下町まで行ったらどうなる?」

「勇者ですので尋常じゃない被害が出るでしょ」

「あぁ、それで終わるなら良いが被害が出るなら負の感情が出るそれによって魔素が出る、でもこんな周りくどい事をし無くても自分が暴れればいい、それをやら無いのは勇者が暴れる方が魔素が多く出るからだろう」

「何故魔素が多い方が良いのですか?」

「これは推測だが、魔王はまだ復活してい無いのかしていてもまだ完全には復活

してい無いのかもな」

「なら勇者が城下街に出る前に止めないと!」

「あぁ、そうだな」


医務室にて龍牙が目にしたのは暴走している勇者と怯えて動けない者を防護壁作り庇うシオンとそのシオンに治療を受けている身動きひとつしない劔と晶だ、そのシオンに違和感を感じ、よく見ると右腕が肘から先を切り落とされていた。


「シオンその腕どうした?」

「リュウガさん、いえこれは勇者様を止めようとした時に切られただけで大した事は無いですよ」


龍牙の顔には何も無くただただ一つの表情を浮かべていたそれはまるで道端の石を見つめるようで勇者と怯えている者を見つめていた。

龍牙は無言で手をシオンに向ける


「待って今の貴方は冷静じゃないそんな状態で魔術を使用したら確実に暴発するわ」

「ならこうする」


龍牙はそう言い袖から長方形の小さい木の板を取り出す、それには表と裏で別の幾何学模様と魔法陣が合わさった模様が描かれていた、それが発光するまで魔力を込めると天高く放り上げる。

板は空中で止まると淡く発光していたよりも眩く発光し板が消え代わりに一人の女性が降りてくる。


容姿は大和撫子の様で服装は紅い着物を着ている


「主様〜!ようやく不死者に成られる気になられたのですね!さあ主様。その御身の手で私めの胸を貫き、心の蔵をお取りください!その生き肝をお食べになられば主様も不死者の身に!あぁ私めの心配は無用です!二、三日あれば心の蔵は再生しますので!

あれ?今はこんな事を言える雰囲気では有りませんね?主様、以下がなさいましたか?」


(ハー、これだから呼びたく無かったんだがな、今はこいつを使うしか無いからな)

華蓮かれん、隅に居る怯えて動けない者、負傷している者の手当を場合によっては血の使用を許可する」

「分かりました主様の仰せのとおりに」

「スイレンは水の魔術で消火を」

「分かりました」

「俺は暴走している勇者を止める、各自行動開始」

「「はい」」


行動を開始した華蓮は手始めに劔と晶の手当をする


「そこの貴方達二人の口を開けて」


声をかけられた怯えていた女子達は戸惑いつつも二人の口を開ける

華蓮は開けられた口に自らの手首を浅く切って出た血を垂らす、すると今まで身動き一つしなかった二人の手が僅かであるが動いた。


「これで二人は問題ないと次は貴方ね、その手を見せてね」


そう言い華蓮はシオンの手を取り傷口を観察していた

(傷口は綺麗ねこれは腕じゃなくて武器が良いのね、これなら直ぐに繋げれるわ)

「じゃあ貴方、切り口を合わせて腕を持っていてね」

「え?あ、はい」

「じゃあいきますね、オプターレ・スペレッセ」


華蓮が呪文を唱えるとシオンの傷口に緑色の淡い光が覆い重なる、するとまるで傷なんて無かったように無傷の腕が光の中から出てくる


「あ、ありがとうございます」

「お礼なら主様に私は主様に命じられたからしたまで」


龍牙はその頃暴走している勇者をどう止めるか考えていた

(直ぐに止めることはできるがまた目が覚めて暴れられても面倒だしな、どうするかいっその事抗う気すら起きのいほどの力の差を見せつけやるか)

「おいお前ら、そんな弱い魔術ではゴブリンすら倒せないぞ!」


この一言で龍牙による蹂躙撃が始まった、龍牙は紙一重で攻撃を躱したり同じ力の魔術で相殺したりして終始回避に徹しているそのため暴走している勇者は疲弊していき一人一人と魔力切れを起こし倒れていく、そして最後の一人が倒れた


「この程度か勇者が聞いて呆れる勇者でない奴にかすり傷一つ負わせれないなんてな」






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