パニック
第十三話
パニック
龍牙とウンディーネは王へ説明が終わり、空き部屋をかりてお茶を飲みながら後回しにしていた説明を始めた。
「さって、どっちから説明するか」
「私の話は長くなりそうなので、龍牙さんが生きていた訳を教えてください」
「あぁ分かった、と言ってもただ無属性魔術のマジックドールを身代わりにしただけだぞ」
「それはないです、マジックドールは発動者と同じ物を魔力で作るだけです。それだけで私やあの魔族が貴方とマジックドールを間違えるはずが無いです」
「あぁ、マジックドールだけならな?だけど俺はマジックドールを作ると同時に神滅流歩法陽炎を使ってマジックドールに気配を残して俺は気配を消していた」
「分かりました、次は私ですね、その前に私と精霊契約わしてもらえませんか?実は私、聖域を捨てざるをえない状況になりまして、聖霊王は聖域を出ると弱体化し、このままだと一週間以内に存在を保てなくなり消滅してしまいます」
聖域とは聖霊王や霊獣が住処として魔力溜まりに作るものでもう一度作る事はでき無い、例外があるそれは人との契約で聖域がリセットされまた作れるようになる。
「分かった、それで契約はどうすればいい?」
「私に名前をください」
「ウンディーネが名前じゃないのか?」
「はい、ウンディーネは水の精霊をさし、他の精霊王と区別するためのものです」
「そうか」
(名前か、どんな名が良いか水の精霊王だから水に関するものが良いだろう。)
「睡蓮、お前の名はスイレン」
「スイレン、良い名ですね、ステータスを見てください契約精霊の項目が出たはずです」
「ステータスオープン」
氏名 リュウガ
HP90000000/90000000
MP90000000/90000000
スキル
武神 魔神 創造神 料理神 鍛冶神 農業神 精霊魔術 神滅流 異界の知恵 真理を見抜く目
称号
異界より迷い込みし者 全ての武を習得した者 全ての魔術を習得した者 創りだした者 料理を極めた者
農業を知り尽くした者 精霊と契約した者 真理を見た者 神滅流50代目当主
加護
武神の加護 魔神の加護 料理神の加護 鍛冶神の加護 創造神の寵愛 聖霊王ウンディーネの加護 神滅流48代目当主の親愛
契約精霊
聖霊王ウンディーネ 睡蓮 〕
「確かに有るな」
「契約できましたので話を始めますか。
貴方が森を出てしばらくしたら魔素が森全体を覆い私の聖域をも犯しました。」
「魔素ってなんだ?」
「はい、魔素は微量ですか常に自然発生している物質で魔物を構成し、魔獣のコアである魔石の元ですね。後は人の負の感情によっても大小は異なりますが魔素は発生します」
「魔物と魔獣の違いは?」
「それはコアで有る魔石のでき方ですね、魔力溜まりに魔素がある程度貯まると集まり結晶化します、これが魔石になります魔石が獣の体内で結晶化すると魔獣になります、何も無い何処でだと魔石中心に魔力が集まり魔物になります、これが魔物と魔獣の違いです」
魔物と魔獣は呼吸により魔素を取り込み魔石が成長する。
「分かった、ありがとう続きを頼む」
「はい、私達、精霊は純粋な属性魔力でできていますので魔素が多すぎると精霊は存在を保てなくなります、なので貴方に合うためにここに来ました」
「そうか、ここに来ていた理由は分かった、次の話をしよう」
「次の?」
「あぁ、何故こんな微妙な時に魔族がそれも一人で攻めてきたのか」
「魔族が言っていたように弱いうちに倒すためでは?」
「それだと召喚されてから直ぐか遅くても一ヶ月以内に来ないとおかしいだろ?もう召喚されてから四ヶ月たつぞこれだけあればセンスが有る奴はBランクぐらいまでは力をつけるぞ?」
「召喚されたのに気づくのが遅れたのでは?」
「それだと、俺の事を知っているのはおかしいだろ?俺が巻き込まれた事は勇者達と近衛だけだぞ、それなのにあいつは知っていた」
「では何をしに?」
「それがハッキリしないんだ、あいつには明確な殺意が無かった、彼我の差を見せつけてお前らには勝てるはずが無いと勇者達を絶望させるみたいに」
「あれだけ殺そうとしていたのにですか?」
「あぁ(まさかな)」
その直後城を揺らす程の轟音が響き鍛錬場横の医務室から火柱が上がり悲鳴が響いていた、龍牙達がいるところからは医務室遠くに位置し目測ではあるが火柱の高さは30メートルを超えていた。
「何事ですか!?」
「リュウガさんはここですか!!医務室にて目が覚めた勇者達が発狂し魔術を乱発しています我々では手がつけられないのでどうにかしてもらえませんか?」




