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異世界に迷い込んだサバイバー  作者: ゼロブランク
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魔族 弐

第十二話

魔族 弐


神界から戻った龍牙を待っていたのは、二人の近衛だった(この二人はだったの隊員だ)。


「リュウガさん申し訳ありませんが急ぎ我らと共に城の鍛錬場に来ていただきたい」

「何かあったのか?」

「いえ、まだ何も起きてません」

「は、どうゆう事だ?なにか起きたから来てほしいのじゃないのか?」

「いえ、それがアキラさまとツルギさまが嫌な予感がすると言いリュウガさんを呼ぶようにと」

「そうか、なら急いだ方がいいな、あいつ等の感はよく当たる、俺は先に戻る二人は後から来ればいい」


話を聴き終わった龍牙は神滅流 縮地を使い城まで急いだ。

城の鍛錬場についた時、龍牙の目に初めに写ったものは訓練場の真ん中で晶の胸倉を掴んで持ち上げている二十代中半の男だった。

特徴は白目の部分が黒く、瞳が紅いこと以外はまったく普通の人と同じだった。

そしてその周りには勇者の姿がその中には劔とシオンの姿が有った。

状況を把握するよりまずは晶を救出する事にした。


「晶を放してもらおうか」

龍牙は男に素早く近づき、晶を掴んでいる方の肘を蹴り折り空中で反転し壁の方へと蹴り飛ばした。

その後、男が起き上がってないのを確認し、状況を確認し始めた。


「一体何が起きている」

「リュウガさん、あの者は魔族です、おそらくはまだ力が無い内に勇者を殺すつもりのようです」

「龍牙すまない、あいつに手も足も出なかった教えて貰っている神滅流を活かせなかった」

「珍しいな劔が人の事を苗字では無く名前で呼ぶなんな、後は俺に任せろと言いたいがこれだけの負傷者を庇いながらではあいつの相手は少し厳しい」

「周りの怪我人がいなければ良いのね?」

「あぁ、だけど手が開いてる奴はいないだろ?ウンディーネ、って何でここにウンディーネが居る?」

「詳しい話は後で、負傷者は私が見るから貴方はあの魔族を倒すのに集中して」

「あぁ、分かった、それじゃウンディーネ負傷者は任せた」


そう言い龍牙は魔族の前に出た


「痛いじゃないですか、貴方は勇者達に巻き込まれた方ですね私は魔王軍第十八魔術部隊所属のカエルレウムです、では死んでください」

カエルレウムの腕はすでに治っていた。

話終わったカエルレウムの後には様々な属性をした槍が並んでいた。


龍牙は迫り来る槍を躱したり相対する属性を樹に纏わせ弾きながら、時には接近し樹を人体なら致命傷になる場所を切る、突く、峰で殴打しながら相手を見極めていた。


(あいつは詠唱をしていない、魔術発動時の魔力の動きもない、なら考えられるのは)

「スキルか」

「おや?気づくのが早かったですね、ですがタネは教えませんよ、だってこれから死ぬ人には無意味でしょうから」

「好きに言ってろ」


それからは龍牙とカエルレウムの間には会話は無くなった。

カエルレウムは相変わらず魔術の槍を放ち、龍牙はそれを紙一重で避けたり、樹を使い弾いたり、切ったりしながら、カエルレウムからの槍の弾幕をさけ反撃をしていた。

反撃を受けたカエルレウムは常に龍牙の間合いをさけ槍を放ち牽制していた。

しばらくしてお互いに決定打をいれる隙を伺っていたら、流れ弾がウンディーネ達の方へと行き龍牙の意識がそれてしまった。


「君、戦闘中に相手から目を離していいのかい?」

カエルレウムはその隙を逃さず龍牙に向けて腕を振りぬいた、その直後龍牙の胸に氷でできた槍が刺さっていた。

「どうですか、私が最も得意とする氷属性の魔術グラキエールピルムの威力は流石に隙を見せすぎでしたよ」

言葉を返す間もなく龍牙は倒れ地面に赤い水溜りをつくった。

「貴方しっかりしなさい」

龍牙に声をかけ起こそうとするウンディーネ。


「無駄ですよ、彼の心臓は確実に破壊しました、あれでは生存は不可能です。

では予定どうり勇者を皆殺しにますか、何故か水の精霊王で有る貴方がいるようなので魔王様の邪魔をさせないため、ついでに始末させていただきます」

そう言い龍牙に刺したのと同じ氷の槍を無数に展開した。


「させないわ、アクエケトラトゥス」

ウンディーネはせめてもの抵抗とし水属性の防衛魔術を発動した。

(水属性は回復に秀でっているが攻撃や防衛といった戦闘は苦手としている)

「その程度の魔術で私が止められると思っていますか?」

いくらウンディーネが水の精霊王だとしても水属性の魔術でその上位互換の氷属性の魔術を防ぎきるのはほぼ不可能だ。


「それでも彼らは殺らせない」

ウンディーネは負傷者の治療で少なくなった、なけなしの魔力をすべてアクアケトラトゥスにつぎ込んだ。

「無駄なあがきですね」

この時、カエルレウムは龍牙は死んだと思い死体の確認をしなかった。

それが自身の命運を決めるとも知らずに。


「そろそろ、終わりにしますか」

槍を放とうと腕を振り上げるカエルレウム。

(その時ウンディーネの目はありえない事を目撃していた。

龍牙の死体が煙のように消え、認識に靄がかかっていたようなのが取れ、龍牙の姿を認識していた。)

そのカエルレウムの後ろには死んだと思われていた龍牙が立っていた。

「あぁ、終わりにしよう」

龍牙がカエルレウムの首に樹を振りぬいた。

ウンディーネの目には抜刀から納刀までの流れが見えなかった。

「念には念を入れて」

龍牙はカエルレウムの死体を火属性魔術で焼き尽くした。

「貴方、何で生きてるの!?」

「詳しい話は後にしよう、今は負傷者を医務室へ」

「そうね、治療はしたけど受けたダメージや疲労は残っているからね、そっちは光の精霊王の分野だわ」


龍牙とウンディーネは気絶しているシオン達を医務室へ運び、事後報告をしに王の元にへと足を運んだ

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