初恋-7
先輩の目は、何処を向いていますか?
わたしと話しているときも、
違う場所を見ていますよね。
先輩はどうして、そんな風に笑うんですか?
悲しいから?泣きたいから?
先輩の笑顔は、いつも寂しそうです。
わたしが、先輩を笑わせることができたら
わたしが、先輩をわらわせることができるなら…
そんなことばかり考えているは、
どうしてですか……?
八月の夏休み。
あなたには、一度も会いませんでした。
わたしは家族と出かける以外、どこにも行かなかったし、
行ったとしても、コンビニくらいでしたから。
夏休み中、ずっと、わたしの胸の中は、あなたでいっぱいでした。
そして、夏休みにあなたへの想いに気付きました。
恥ずかしくて、照れくさくて、……とても今更で…
わたしの名前を知らないあなたに、
わたしは勝手に恋をしていました。
九月
夏休みが終わり、もう、台風の時期です。
制服も衣替えし、半そでから長袖に変わりました。
そして、あなたに出逢ってから、半年以上たちました。
あなたが卒業するまでに、わたしはあなたに伝えようと思います。
けれど、なぜか、胸の中の不安が消えません。
あなたとすれ違うたびに、ちくりと胸が痛むのです。
理由もなにも解らないまま、もうすぐ、十月に入ろうとしています。
先輩は、今、好きな人はいますか?
あの時、いないよと言っていたけど、
あの言葉は本当ですか?
だったら、先輩に想いを告げてもいいですよね。
伝えるだけなら、許されますよね。
先輩、わたしの名前は……