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第一話

 人間は睡眠を取る時、夢を見る。

 しかし、その夢を見る頻度とその内容は人それぞれだと言う。毎日見る人もいれば、一ヶ月に一度しか見ないという人もいて、中には半年に一度という人もいるそうだ。

 彼――真藤・直人の場合はほぼ毎日見て、更にその夢に出てくる世界観もいつも一緒のようだった。

 所謂ファンタジー世界のような特徴を持ったその夢を、いつから見るようになったのかは定かではない。気付いた時には見るようになっていて、それは二十二歳になった日の夜も同じで、きっとそれはこれからも続くのだろうと漠然と思っていた。

 しかし、その終わりはある日突然訪れる。






 その日もあの不思議な世界の夢を見るんだろうなと思いつつ、直人はベッドの中に潜り込んだはずだった。

 だが、気付けばいつもの夢ではなく、周囲に何があるのか全く解らないほどの暗闇の中。


(……もう何分かは経ったけど、何も起こらないなぁ。まさかとは思うけどずっとこのまま?)


 果たして心の声を誰かが聞き届けたのか、直人がそう思うと同時に僅かに光が現れた。

 その光は最初はほんの僅かな光だったが、瞬く間に暗闇の世界を覆いつくし、今度は逆にその眩しさに目を開けていられなくなる。


「ちょっともう両極端すぎる!?」


 そのあまりの眩しさに思わず文句が出てしまうが、それも仕方のない事だろう。

 その文句の甲斐があったのか、目が眩むほどのその光も段々と収まってきているように感じられる。

 そして、眩しさがほぼなくなった時、直人の目に最初に入ったのは――


「……エルフ?」


 細長く先が尖がっている耳を持つ小麦色の肌の女性、それもかなりの美人だ。ファンタジーに良く出てくるエルフと言われる種族、その中でもダークエルフと言われる者達が持つ特徴と似ている。

 正しく濡羽色と言うような長い髪で、瞳は翡翠のような穏やかな色と輝きを持っており、上品な青色のドレスでその身を包んでいる。穏やかでどことなく包容力を感じさせる雰囲気だ。雰囲気だけでなくドレスを押し上げる胸も包容力はありそうだが。


 良く見ればその女性の少し奥にももう一人、耳の長い小麦色肌の美人が控えるように佇んでいる。こちらは見事な黒髪をショートボブにし、更にその服装は実際に見るのは初めてだが明らかにメイド服だ。こちらは切れ長の目や雰囲気など、どことなく真面目そうな感じがする。

 そんな女性が控えているとなると、もしかしたら青いドレスのエルフは上流階級に属するエルフなのかもしれない。


(……いや、そうじゃない! エルフだよ! メイドさんだよ! え、何? ここ、天国!?)


 表に興奮を出さないようにしながらそんなことを考えてると、二人のエルフが直人に向かってお辞儀をする。近年の日本では中々見れないくらいに綺麗なお辞儀だ。


「この度は突然にお呼び立て申し訳ありません」


 とても聞き易い綺麗な声だったが、それ以上に驚きなのがその言葉が日本語だった事だ。しかもたどたどしいところが全く見受けられない。さっきまでの興奮をも驚きで消えた。


(エルフのような女性が日本語を喋る……って、流石におかしい、よな?)


 それは当然の疑問でもある。彼が知る限り、現代の地球にこんな形の耳の人間は存在していないはずだ。なのに、当たり前のように流暢な日本語を話しているのである。

 直人の頭の中はすっかり困惑し、それを出来る限り表面には出さないようにしていたけど、それでも僅かに出てしまっている。

 頭を上げて、直人の顔を正面から真っ直ぐ見つめるドレスのエルフは恐らくその困惑に気付いただろう。しかし、それを気にした様子もなく、次の言葉を発する。


「この状況について、ご説明が必要だと思います。よろしければ隣の部屋でさせて頂こうかと思いますが如何でしょうか?」


 如何も何も選択肢は一つしかない。知らない人について行かないように子供の時に散々言われたが、今は目の前のエルフらしき女性だけが情報源なのだ。ここがどこかなのかすら解らない状態では動きようもない。


「できれば、何か暖かい飲み物があると嬉しいんですが」


 無駄だとは解ってても動揺を隠すように軽く答える。それはきっと目の前にいるのが女性二人だけというのが大きかったのかもしれない。直人も男なので、女性、それも美人の前だとあまり格好悪いところは見せたくはなかった。


「かしこまりました」


 言葉と一緒にメイドが先ほどと全く同じお辞儀をする。何度見ても綺麗なものだ。かなり厳しい教育を受けたのかもしれない。


「では、こちらへどうぞ」


 フワッと浮かんだ笑顔と共にドレスのエルフに誘われる。


(さて、鬼が出るか蛇が出るか……)


 不安もあるが、それを塗り潰すほどの強い好奇心が出てくる。

 その好奇心に後押しされるように、扉の方へと一歩強く踏み出した。






 直人の前に白いティーカップが置かれる。カップからは良い香りがして、それはラベンダーの香りに近いような気がした。


「これはレキテルという我が国で人気のあるハーブを使ったハーブティーで御座います」


 そう説明すると、一礼してからメイドのエルフは主人であろうドレスのエルフの後ろにへと控える。

 その立ち姿はまるで一枚の絵画のような完成度を感じる。


「まず、自己紹介をさせて頂きますね。私はヴァレンシア都市国家というヴァレン=エルフ族が住まう国の第一王女、オーレリア=ヴァレンシアと申します。私の奥にいますのが、私に付いてくれているメイドのクリスティン=パードルです」


 紹介と共にメイドのクリスティンがお辞儀をする。

 直人が座っている丸テーブルの真向かいに座るドレスのエルフ――オーレリアが上流階級なのは予想通りだったが、王女だと言うのは予想以上だ。

 しかし、それならば傍に控えるメイドにも納得はできる。王族付きともなれば生半可な者では務まらないだろう。


(ヴァレン=エルフ族……とりあえず、エルフって認識で良いのか。部族名みたいだから、エルフの中でいくつかの部族が存在してるのかなぁ)


「俺は真藤直人……いや、ナオト=シンドウと言った方が解り易いでしょうか」


「ナオトが名、という事ですね。大丈夫です、こちらでもそういう名前は存在しますから。表記はどう書かれるのでしょう?」


 漢字は果たして通じるのだろうか?と思いつつ書くものを貸して貰い、書き慣れた自らの名前をその紙に書いた。

 その時に貸して貰った筆記用具は万年筆に似ていたが、実際に使ってみた感触はボールペンに近いように感じられた。

 この世界の文明レベルはどのようになっているのだろうか?


「なるほど、そういう表記なのですね。では、直人様とお呼びさせて頂いて宜しいですか?」


「……え?……いや、王女様が一般人に様付けするというのは、何と言うか色々とまずいのでは?」


 直人の内心に再度の驚きが広がる。現代日本には王も貴族もいないが、感覚として浮かぶのは皇室だ。そんな立場の人に様付けで呼ばれようとするとは思ってもいなかったのだ。

 しかし、オーレリアはその反応をまるで予想していたように柔らかい笑顔を浮かべ、言葉を返す。


「いえ、問題はありません。直人様はこの国において王族以上の重要人物という扱いをさせて頂く事が決まっていますので」


「嘘ぉ!?」


「本当です。これは直人様が何かしらの政治的な権力を持つというわけではなく、あくまでも形式的なものではあります。ですが、そういう立場である事を王を始めとするこの国そのものが認めている、というのは間違いありません。つまり私を呼び捨てで呼ぼうとも誰に咎められる事はありません」


 唐突にそう言われても、素直にうんとは言えない。直人からすれば自分はあくまでもただの大学生のつもりなのだ。それがいきなり王様より立場が上と言われても困る。例えそれが形式的なものであっても。

 向こうにもそれが無茶な話だと解ってはいるようで、オーレリアは申し訳なさそうな表情をしている。


「直人様がこの世界で気軽に過ごしていけるように、私やクリスティンがサポートさせて頂くつもりです。ゆっくりとで構いませんので、この世界に慣れていって頂ければ、と思います」


 だが、目の前のエルフは兎に角美人だ。そんな美人にあまり困った顔をさせたくないなと思ってしまうのは悲しい男の性だろうか。


「えーと……まぁ、多分何とかなるとは思います。多分」


 何で多分を二回言ったんだと心の中で自分にツッコミを入れる。

 それがおかしかったのか、オーレリアは口を手で隠しながらクスと笑う。

 とても微妙な言い回しではあったが、彼女の困った顔をどうにかできたのならば悪くはないだろうか。


「では、自己紹介も終わりましたところで、説明の方をさせて頂こうかと思います」


 そうしてオーレリアの口よりこの世界の事から始まり、様々な説明がされていく。

 まず、この世界はアルファレルと呼ばれる世界である事。この名はこの世界をかつて創造したとされる創造神の名から取られているらしい。つまり紛れもなくここは直人が住んでいた地球とは違う世界という事になる。

 この世界には現在、三つの大陸が存在しており、ここはその内の一つであるツヴァイド大陸にあるヴァレンシア都市国家。

 直人がこの世界に呼ばれたのはオーレリアによる予知が原因であるらしい。

 オーレリアはヴァレンシアの王女であると同時に、この世界の神に仕える神使と呼ばれる存在でもある。

 神使とは『神の目』とも呼ばれる世界を見守る使命を持つ存在であり、予知能力を生まれつきその身に宿しているそうだ。オーレリアはその予知によりこの世界が滅ぶほどの危機を見てしまったそうだ。

 危機が来ると解っていて何もしないわけにはいかないと神との交信を行い、その結果打たれた手が直人の召還、であるらしいのだが。


「とりあえず、世界がやばくなる事態が起こる、というのは解ったけど、それと俺が呼ばれた事の関係が良く解らないんですけど」


 世界が危機に陥るとして、それに異世界の人間がどう関われるというのだろうか? そもそも一人だけでどうにか出来るような事ではないはずだ、と直人は思う。


「この世界には滅魔、と呼ばれるこの世界に生きる全ての者にとって敵と言える存在がいるのです。その滅魔の中で現在最も上位に位置する存在、滅魔が神と呼んでいる者達がいるのですが、私の予知が示す危機はそれがこの世界に現れる事により引き起こされるものなのでは、と考えているのです」


 滅魔という存在が具体的にどういう存在か直人は知らない。だが、幾ら一番強い存在だからと言ってもそれが現れるだけでこの世界全体が滅亡するかもしれないとなると、それはとんでもない話だ。つまるところその存在の危険度は元の世界の核以上という事になる。

 だが、これが冗談とかそういう類の話ではないのは雰囲気で解った。少なくともこの目の前の二人はそれほどの危険度であると考えているらしい。

 それに彼女は神と交信ができるという神使だと言う。ならば、その滅魔の神とやらの情報も神より教えて貰っていると見るべきだろうか。

 神との交信というのが直人にはまだ良くイメージできないが、少なくとも自分が異世界に呼ばれているのは事実。ならば、全部が全部嘘ではないだろう。


「滅魔の神と呼ばれる者は複数存在しており、過去にもこの大陸に現れた事があるのです。その時は魔神と名乗る者が竜の助力を得て、何とか倒したそうなのですが……。今は竜の個体数は当時に比べかなり減ってしまっている上に魔神と名乗った者に比肩し得る者もいません。ならばと、国同士の団結を試みようとしたのですが、近年では力ある滅魔が姿を現さなくなった為に滅魔に対する危機感が段々と国々の中で薄れてきており、難しい状態なのです。それどころか、近年では国内部や国同士の間に火種が見え隠れする有様です。その為、最後の手段として神の力そのものを宿す事が出来る方を異世界より呼ぶ事となったのです」


 その言葉を聞いて直人の心に広がったのは驚愕や困惑ではなく、納得だった。完全な勘ではあるものの、この丸テーブルに座った時に何となく理解できていたからだ。

 そもそも一国の第一王女がメイドを一人付けただけの状態で、素性が解らない者と対面するというのは普通なら有り得ないはずだ。幾ら召喚した側であっても。なのに、実際はそういう状況で、今も他に誰一人現れる事はない。

 恐らくは出来る限り、悪い印象を与えない為だったのだろう。いきなり大勢に囲まれてしまえば事情はどうあれ良い印象は与えない。

 またひょっとしたらだが、事前に直人の情報もある程度は知っていたのではないだろうか。一般的な嗜好を持つ成人男性になら、女性として高い魅力を持つこの王女とメイドの二人が、十分な『餌』になると判断してもおかしくはない。

 ただ、この推測が仮に合っている場合、疑問が一つ浮かんでくる。


(話を聞く限り、ちょっと何かしてハイおさらばーで済む感じじゃない。という事は、この餌は食わせる気がない疑似餌じゃ意味がない。けど、それだと余りにも高い餌過ぎる気がするけど……)


 だが、いくら考えたところで答えが出てくるわけはない。

 直人は考えを打ち切って一先ず、話を先に進める事にした。


「えーと、その神の力云々は置いておいて。つまるところ俺はこの世界でその滅魔の神とやらと戦わなきゃいけないって事かな? この世界に住まう人達の、貴方達の代わりに」


 目の前のエルフを真っ直ぐに見据えて、率直に尋ねる。その口調も雰囲気も先ほどとは違うものになっている。

これは聞いておかねばならない事だ、と直人は思う。この質問に対する返答次第で、このオーレリアというエルフの認識、更にはこの国の上層部の認識もある程度は解るだろう。


 「はい、その通りです。私達の都合で貴方を呼び、そして私達の都合で貴方に戦って貰おうとしています。力が足りない私達の代わりに」


 直人の真っ直ぐな視線をそのまま受け止め、直人がしたのと同じように率直に返す。何の迷いもなく、視線を揺らす事もなく。

 オーレリアが言っている事の意味するところは、直人がこの世界の生贄になったのと同じという事だ。本来関係ないはずの直人が、この世界で戦わなければならないというのだから。

 そして、その認識を正しくオーレリアは持っていて、その上で言っているのだ。この世界の為に戦って欲しい、と。


「……仮にその話を俺が受けるとして。俺に何かしらのメリットってあるのかな?」


「そうですね……。直人様は私やクリスティンを女性として見た場合、魅力があると思いますか?」


 直人の質問に対して質問を重ねてくるオーレリア。

 しかし、その重ねられた質問の意味は直ぐに理解できた。そもそも最初の質問が直人のメリットについてなのだ。直ぐに理解できない方がおかしい。


「それはつまり、王女様とメイドさんそのものが俺のメリット……というよりも、この場合、報酬かな? まぁ、そう言う事で良いのかな」


「はい、そう受け取って頂いてかまいません。直人様が私達の代わりに戦われる対価として、提示する報酬となります」


 (なるほど……)


 餌は餌でも、疑似餌とかではなくちゃんとした釣り餌だったらしい。しかも、王女一人だけでなくメイドと二人でセットの餌だ。

 はっきり言えば、男相手にはとても効果的だと言えるだろう。男は美人に弱いのはこんな仕掛けをしてきた以上、この世界でも不変であるのかもしれない。


(エルフって俺の中のイメージだと、そういう欲がないって感じだけどこの世界だと違うのかな……?)


 そんな事を考えながら、ふとオーレリアの後ろに控えるクリスティンに視線を向ける。

 メイド服に身を包む彼女は、その場所に移動した時より微動だにしていない。それはまるで美しい彫刻のようでもあるけど、ただの無機物にはない生命の美しさも感じられる。

 王女とはまた違う方向性の美しさが彼女には存在し、それ故に心も揺らぐというものだ。

 そこで一つ疑問が直人の頭に浮かび、そう大した事でもないので尋ねてみる事にした。


「そういうのって物語の中では良く聞くけどね、国の危機を救った人とお姫様が結婚するって言うのは。けど、国としての問題はまぁ、多分こうして話を出した時点で問題はなくなってるんだろうから無視するとして。仮に俺が話を受けた場合、それはつまり王女様もその戦いに巻き込まれる事になっちゃうんじゃないの?」


「それは違います」


 強い否定の言葉だった。

 決して大声というわけではない。しかし、それは今までの言葉よりもずっと強くこの部屋に響いた気がする。


「巻き込んだのは私達です。本来、直人様はこの世界とは全くの無関係なのです。確かにお話を受けて頂いた場合、私も微力ながら戦いの力とならせて頂きます。ですが、それはこの世界の住人として、当然の事であって直人様が何ら気にされる事ではありません」


「……へぇ」


 強い声に強い眼差し。

 それは彼女が持つ魅力を、更に際ださせた気がする。 

 直人はそれまで持っていた『餌』という認識を変える。これはそこにあるだけで強い魅力により人を惹きつける『宝』という方が正しい気がする。


(あぁ、うん。何か良いなぁ。勿論見た目も凄く良い、けど……何よりもこの強い意志が良い。凄い好みだ)


 それは多分、理屈とかそういうものを超えた何かだ。

 直人からすれば元の世界に未練が全くないわけじゃない。続きが気になる漫画もあるし、応援してる野球やサッカーのチームの今年の順位も気になる。

 だけど、異世界というだけで好奇心を抑えきれなくなっている自分もまた存在するし、何よりもこの目の前の『宝』を手に入れれる機会を逃す気にはならない。


(さっきまでの話は受けた場合だ。受けなかった場合はどうなるのかは解らないけど。でも、多分今俺が望んでるような道は受けた先にしかない、そんな気がする)


 ゲームで例えるならエンディング分岐の選択肢の場面だろうか。勿論、現実は正しい方を選んだからって自動でトゥルーエンディングに迎えるわけではない。恋愛ゲームで言うと会ったばかりで好感度はこれから上げていかなければいけない状態だ。

 だが、直人の心は固まりつつあった。一度良いと思ったものに対する執着心は人一倍強いのだ。


(けど、どうせやるなら命を賭ける事になるわけだし、この世界を楽しんだ方が良いかな。それこそ向こうでは到底できないような事でも目指してみるというのもありか)


 向こうの世界では目指せないような事を、直人は頭の中で思い浮かべてみる。

 例えば、どこかの国で王になってやりたい放題やる? 例えば、この世界全てを征服してみる? だが、何かそれは違う気がした。他人の不幸を見て喜ぶ趣味はないし、征服してもその後が面倒くさそうだ。

 そこまで考えたところで、一つ頭に思い浮かぶ。

 目の前の二人はとても良いと思う。過去を思い返してもここまで良いと思える女性には会った事がない。

 だけど、ひょっとしたら、この世界には直人が良いと思える女性が他にもいるのかもしれない。

 もしいるのなら、全員ひっくるめてイチャイチャ出来たらとても最高だろうな、と思う。


(我ながら俗っぽいなぁ。けど、悪くない……いや、かなり良い。要はゲームで言うハーレムルートってヤツになるのかな)


 実際にそういう女性がいるかどうかは解らない。解らないけど、既に直人は期待感に満ち溢れていた。

 その為なら、世界を救うのも吝かではないと思うくらいには。

 順序が逆になっている感があるが、結果が同じならば些細な事だろうか?


「よし、決めた! 俺は俺だけのハーレムを作る!」


 一瞬、オーレリアとクリスティンの両方が頭に?マークを浮かべた。

 今までの話の流れと全く関係ない宣言が突然出たのだから、そういう風になってしまった二人を責める事は誰にも出来ないだろう。


「その為に、邪魔になりそうなその危機とやらも潰す!」


 それがこの世界で最初にした直人の決意。何とも馬鹿でアホなものだが、本人は至って大真面目な決意であった。

好き勝手に考えたプロットを形にしたものなので、基本自分得な作品になっています。

テンプレっぽいところも多い作者暴走作品になりそうですが、宜しければ暇潰しにでも。

恐らく更新は週一くらいになりそう?

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