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文化部員は転生したらしい。  作者: 冬鬼
2:今日も今日とて。
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七月七日七夕

せっかくなので七夕ネタ。

今日は二話の投稿です。

六,五話。番外編で、オーガさん視点の日記になってますので、ぜひご覧ください。

梅雨もそろそろ終わるかという時期に、ふともうす ぐ七夕‥‥あれ今日じゃね?と思った。


こちらでも七夕らしきものがある。オデュスラスの 星見祭という星を見る祭りだ。これに関する伝説を 調べてみると、オデュスラスというという男の人が 一目惚れ女の人をさらって、妻にした。でもその妻 はオデュスラスに振り向いてはくれなくて、悩んだ オデュスラスは占い師に頼んでどうすればいいか聞 くことにした。


占い師は、星がもっとも綺麗に見える晩にその女性 と星を眺めなさいと言ったらしい。


オデュスラスが言うとおりにすると、女性は最初は 反発ばかりしていたのが、肩に身を預けるまでに仲 むつまじくなったらしい。


という伝説だ。というより、この街に伝わる風習ら しい。もっとも、恋人達のためのお祭りですがね、 ケッ。これも七夕みたいに、願い事を書いて木に飾 る風習があるみたいだ。子供向けに考えられたこと らしい。


「先輩がアンニュイだよ‥何考えてるんですかね、 エロ本のことかな?」


「ちがうよ、アレだよ、良いエロ本見つけたときの 顔だよ。」


「どっちみちエロ本じゃないか。」


黙ってれば好き勝手言いやがって‥私そんなにエロ くないし?そんな?破廉恥なものなんて生まれてこ の方見たことありませんわねオホホホホ


お客さんはあんまり居ないし、少し物憂げにしてみ てもいいじゃないかよ!それすら許されないのか‥ ‥!


じゃない、七夕だ、七夕。お客さんを呼び込むため にもオデュスラスの星見祭でもやるかな。あ、でも 願い事書いて飾るのは子供ぐらいか‥‥いいや、私 たちのものだけで。一応懐かしんでやってくれる人 もいるかもしれないから、紙とペンおいておこう。


あー、でも木がないな‥買って来て貰おう。あと新 しい星見祭をモチーフにしたカクテルと料理も作ろ う。カクテルは店にあるので済むけど、料理はさす がに買わないとないなぁ。


「ねぇオーガさんとミキレイさん、ちょっと笹っぽ い木買ってきて。あ、採ってきても良いよ。」


無言でもうすでに綺麗なグラスを磨いていたオーガ さんと掃除をしていたミキレイさんに声をかける。 オーガさん、そのグラスすり減っているように見え るのは気のせいですかね?


働きたくないでごさる状態の二人を外に出して、ハ モォヌちゃんとナミラさんには食材を買ってきても らうことにする。変なものかって来ないといいんだ けど。


使わなさそうな紙を取り出して、ちょうど良い短冊 の大きさになるように切っていく。穴を開ける機械 はないので、きりで何枚か重ねていっぺんに穴を開 ける。‥紙って意外と固いな、なんか使ってるもの が違うのか?


結ぶための紐も用意して、明日の準備が出来た頃、 みんなが帰ってきた。オーガさんたちは買うんじゃ なくてわざわざ採ってきてくれたみたいだ。青々と した緑色で、少し露に濡れていて、これなら日持ち しそうな感じだ。


「ありがと、じゃあさっそく願い事かこうか。」


みんなに紙を渡して、ペンも持たせる。みんなどん なこと書くのかなぁ、どうせ変なの書くんだろうな ぁ。


一番早く終わったのはオーガさんだった。オーガさ んは何書いたかな、随分と迷いなく書いてたけど。


『甘いもの食べたい』


さっに食べたでしょうよ、金平糖みたいな砂糖菓子 ぽりぽり食べてたでしょうよ。オーガさんの甘いも のへの執着は相変わらすのようだ。


次はナミラさんの後ろに回って書いてあることを見 てみる。


『世界中のお金は私のものだ。』


どういうことだよ。ちがうから、みんな頑張って働 いててに入れた貴重なお金だから。‥とゆうかナミ ラさん今整体師で稼いでるんだからそれで我慢しな よ。


次はミキレイさん、普段から真面目なミキレイさん だけど、なんか書くことあるのかな。


『もう少しで良いから目立ちたい。』


‥‥ミキレイさん、それどこから来た願望なんです かね、まぁ聞かないけど、頑張れよ‥‥私は電柱の 後ろから覗くようして見守ってるぜ‥


最後はハモォヌちゃんだけど、なにを書いたらいい のか迷ってるみたいだ。よし、ここはアドバイスを してあげよう。


「ハモォヌちゃん、悩んでるなら好きなことについ てを書けばいいよ、お料理とか、お絵かきとかなん でもいいから。」


「好きな‥もの。ハッ!」


そうつぶやいたハモォヌちゃんは、力強くペンを握 りしめて、紙に押しつけるようにして何かを書いた 。誇らしげに私に見せてくるそこに書いてあったの はー


『(^q^ )』


てめぇこのやろう。


結局ハモォヌちゃんはそのままの願い事にするらし い。変える!とか聞こえるけど無私だ無視。このま まかざってやる。高いところに笹飾ったから絶対に みんなに見えるように飾ってやるんだ。‥でもこの 顔文字の意味はわからないか。


笹にみんなのお願い事を飾って、高いところに笹を くくりつけた。高いところに飾った方が、願い事は かないやすいらしいね。


開店時間から少し遅れてお店を開ける。最初にきた のはギルドの人で、あの出張以来ここのお酒が気に 入ったようで、よくくるようになった。この人も、 なつかしいな、と言って紙に願い事を書いて飾って いった。


それからも結構お客さんが来たけど、ほとんどの人 が願い事を書いていってくれた。でも、さすがに紙 切りすぎたな‥余っちゃった。


夜空をイメージした濃い青と紫が混ざったような色 のカクテルに、黄色い砂糖菓子を砕いて散らす。こ れは天の川をイメージして作ったものだ。それを、 さっきから笹を見上げている見覚えのある人物のも とへ持って行く。


「ガルバディストさん、サービスです。‥さっきか ら何か気になるものなんてあるんですか?」


「おお、ありがとよ。今日は星が綺麗だな。‥実は よ、変な願い事があってな。」


そう言ってガルバディストさんが指差した先は、笹 の天辺のあたりだ。よく見えない。あそこには何を 飾ったかな‥


「あの笑いながら吐血してる顔は、何を意味してる んだ?」


「‥‥(^q^ ;)」


やっぱり変えとけばよかったかな。

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