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文化部員は転生したらしい。  作者: 冬鬼
2:今日も今日とて。
18/40

ペロッ‥これは!アレだよ、アレ!


私達は今日も今日とて騒いでいる。

別にふざけてるんじゃない、真剣に、常にまじめにふざけているのだ。

そういえば、ナミラさんはゆで卵の歌が気に入ったようで、よく歌っている。整体中にも歌うもんだから、お客さんがぷるぷる震えている。

わかるよ、笑っちゃうよね、ナミラさん、ぷるぷるしないでくださいって言っても、お前のせいだから。歌うのをやめたらぷるぷる止まるから。


「ゆでたーまご、ゆでたーまご、白く美しいその肌にー塩の結晶振りかけてー最後には俺の腹の中ーあーあー真っ裸かーにばるぅー」


「ブフォォッ」


「噴いた!ついにお客さんが噴いちゃったよ!ハモォヌちゃん!」


「あれは仕方ないね、あたしも歌われたらそりゃ笑うわぁ。」


「ま、真っ裸かーにばるって、なんでそこで‥!全裸って言わないところがポイントだね!」


こら、お客さんを指さすんじゃない、笑うのはよしなさい。

ずるいぞ、私だって笑うのを堪えているというのに!腹筋が鍛えられたらどうしてくれる!

天然なのか、察してやっているのかわからないが、ナミラさんはその後も歌うのをやめることなく、周りにいる人達の腹筋を崩壊に追い込んでいた。やめろ、アレンジを加えるんじゃない!


「いやぁ、オモシロいものを聞かせてもりっちゃったぁ‥やっぱり笑いにくるときは海月館が一番だねぇ!これはお礼だよぉ。この間お客さんから貰ったの!お茶に入れると美味しいからぁ、お仕事終わったときにでも飲んでみてぇ?」


じゃあねナナセちゃん、と手をふって出て行ったのはこの街の娼館の人気の娼婦さん、エヴェリーナさん。腰まで伸びる、焦げ茶のふわふわした髪が特徴的で、背が高くてスタイルがいいのだが童顔で、立ち振る舞いもどこか幼い。‥そこが魅力らしい。と、エヴェリーナさんがお気に入りの常連さんが言っていた。

エヴェリーナさんからもらったものは、薄いオレンジ色の粉だ。‥これ、駄菓子屋さんでみたあれに似てるな。オレンジ味の粉ジュース、知ってる人いる?メロンとかパインとか、いろんなのあって好きだったんだけどなぁ‥こっちにもにたようなのはあるんだろうか。

この粉は、何かみんなの好きな飲み物に入れて飲んでみるか。仕事が終わったときのお楽しみにしよう。


「『雨宿りさせてくれ。そう言ったのは確かに自分だが、ただたんにお邪魔させてもらって、雨宿りさせてもらうだけで良かったのだ。

‥悪いのはアナタだと思いますよ?俺は。

唇が触れそうなほど目の前で喋るナガイティールに、ホシティオスは頬が赤くなるのがわかった。』うぇっへぇえいハモォヌちゃんこんなの書いてたよー!みろ!公開処刑だぞー!」


「いやぁあ!やめてぇえ!」


「やめたげて!もうハモォヌのHPはゼロよ!」


「みんなお疲れさまー飲み物持ってきたよ。」


「あ、ありがとうございます、先輩。」


それぞれに飲み物を配って、それぞれの定位置に座る。ちゃんと、エヴェリーナさんから貰った粉は投入ずみだ。今日は元々休みの日だったのだが、暇だったので店を開いた。そのかわり、今日は早く閉めたのだ。

その粉が入った飲み物を飲んで、しばらく談笑していたら、眠くなってきて。周りを見たら、みんなも寝てるみたいだし、いいよね?

私は睡魔に身を任せて、ソファの背もたれに身を預けた。


「ゆでたーまご、ゆでたーまごーから向いて現われるはとぅるとぅるおはぁだー」


なんだ‥またナミラさんが歌ってんのか、これは二番かなぁ、声低くね?そんな声出せたっけ?そうそう、この声誰かに似てるんだよね、まるでミキレイさんみたいな‥あれ、まてよ、これ本人じゃないか?

違和感を覚えた私はがばりと顔をあげて声のするほうに顔を向けた。

その時、違和感を覚えた。視界に映る髪がやたら、もわっとしているのだ。それに、なんか、いつもの違和感がない、なにがない?‥眼鏡だ!眼鏡がねぇ!


「い、いいいつ無くした?あれ、おかしい、あーあーあー?‥ギャァァィア!」


「うるさいよハモォヌちゃん。なんでそんな‥ん?」


「う、うるさい‥?、なんだこの耳鳴り。なんかブツブツ言ってる‥あれ?ローブなんて着てないよ私!」


次々に耳慣れた声が声が聞こえる。だが、普段の様子とは明らかに違っていた。まず私の体がハモォヌちゃんになっている。さっきも私のことをハモォヌちゃんと呼んだし、間違いないだろう。

ナミラさんはなんだかシリアスに考え込んでいるような素振りを見せる。だが、中身が違うだろう。多分、中身はオーガさんだ。だって私の知ってるナミラさんはこんな真剣な顔して腕組まないもの。

そして、何よりも見慣れないのものがあった。わたわた、あわあわしているオーガさんである。はっきり言って天変地異がおきるのではないかと私は非常に心配している。そしてナミラさんがオーガさんに気持ち悪い動きしないでよ、と真顔で言っていて、オーガさんはひどいよ!と言う。


これは、私の恐怖を駆り立てるのに十分すぎるモノがある。ナミラさんが真面目にしていて落ち着きがある。オーガさんがわたわたしてる。泣き真似してる、オーガさんもするときはするけど、明らかに棒って感じで言うのに、この悲壮感ただよう泣き真似は弄られ慣れたミキレイさんにしかだせないはずだ。


「ゆでたーまご、ゆぅっあ、みんなおはよー、遅いぞ、ナミラちゃん超寂しかった!」


「なんか私が変な動きしながら変な歌を歌ってるぅ!なにこれ!」


「てことは、私はナミラちゃんの中に入ったのか、先輩‥ですよね?多分なんかが原因で中身が入れ替わっちゃったんだと思います。なにか身に覚えありますか?」


「ナミラさんがちゃんとした敬語使ってる‥スゲェ新鮮だね。うーん、なんかなぁ、多分。あれしか思いつかばない。」


原因はエヴァリーナさんがくれたオレンジ色の粉だろう。なんのために寄越したのかわからないが、面白いから!と押し付けてきたのがわかった気がした。エヴァリーナさんは自分が楽しければそれでいい人だからなぁ。


消去法でいくとまだソファ座ってぼーっとしている私の中にはハモォヌちゃんが入っているんだろう。

客観的にみると私はあんな感じなのか、うわぁ猫背。


「とりあえずさ、今日はもうやること何もないからいいけど‥でも、何も問題おこさないこと!わかった?」


「わぁーハモォヌちゃんが注意してる!珍しい!」


「ほんとだよーハモォヌのくせに生意気な!」


相変わらずオーガさんとナミラさんは変わらないらしい。いや、それだとなんか違和感が半端ないんだけどね。

ミキレイさんは時計の修理があるだとかで、オーガさんの姿で時計を修理している。あ、なんか似合うな。

珍しくローブを脱いでいるオーガさんの姿を見ていたら、ガタンッと音がしたのでそちらを顔を向ける。


「お、おぉう!?やめて!やめてハモォヌちゃん!私の体あれなの!腰が悪いの、腰痛持ちだからやめて!これ以上酷くなったら死んでしまいます!」


「リーリーリーリーリー」


私の体で反復横跳びをしているハモォヌちゃんを止める、全力で止める。私の体がこんなに俊敏に動いてるの久々に見たよ!

それからも、色々あった。ナミラさんがゆで卵をたたえる歌を四番まで完成させ、ミキレイさんの得意なコブシを効かせた歌い方で歌うものだから腹筋崩壊である。

オーガさんはナミラさんの体で本をカッコ良く、スタイリッシュに読んでみんなを震撼させた。俺たちのナミラさんはこんなことしねぇよ‥。

私は特に何も変わらなかった。つ、つまらないとかいうなよ!本読むか新しいレシピ考える以外にやることないんだよ!基本的に動かないから、ほら、私って文化部だし。


もう寝ようよ!というナミラさんの提案でもう寝ることになった。くそ、私の腹筋を崩壊しておきながらなんてあっけないお開きだ。

そして、いつものようにそれぞれ自分の部屋に戻っていった、自分の体じゃないままで。

寝て起きたら戻ると知ってたら私はハモォヌちゃんの部屋に行っていたのに。


「‥‥‥‥。」


私はハモォヌちゃんの部屋で、ベットの上に散らばるホモ本に囲まれて目を覚まし、朝からダイレクトアタックを受けたのだった。



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