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第6話

第6話


「いやー、えらいめにあったな」


あの後、オージェが医務室送りになってしまい。急遽、この世界について講義を受けることになった。


「吉晃さん、なんであんなことしたんですか?う~、まだ、チカチカする」


正也が目頭に手を当てながら言っている。


「すまんすまん。スタングレネードみたいにできるのかなー?って思ってやってみたらあんなことになった。今は反省しているが後悔はしていない!(キリッ」


「そんな危ない実験をしょっぱなからしないでください!!でも、反省しているんならもういいです」


正也はあきれているがあの実験で自分のイメージにより生活魔法でも攻撃魔法として使えることが証明されたから大きな収穫だ。でも、あれが光魔法の攻撃魔法だったら意味ないけど……



しばらくしたら、部屋にやさしそうな顔をしたおっさんが入ってきた。


「失礼します。これより、エクスフィアの知識についてお教えする大臣のバッカスと申します。以後基本的に、私が世界知識について講義をいたしますので、マサヤ様、ヨシアキ様どうぞよろしくお願いします」


そう言って、おじぎをしている。大臣か……今までが今までだから、王様から変な命令されてないか心配ではあるが、正也がいるから嘘は教えないだろう。それに誠実そうな顔つきだし。おじぎをされたからこちらもすべきか。


「「よろしくお願いします」」


ふたりそろって頭を下げた。なんか学校みたいだ。


「まず何からお話すべきか……そうですね、世界の地理について話しましょう」


そういって、地図を取り出した。


「地理については吉晃さんから軽く聞きました。それに、吉晃さんの地図の方がはっきりしてますね」


「そうなのですか?それにしてもヨシアキ様どこで手に入れたのですか」


「ん?俺の持ち込んだ私物だよ。どこでといわれても答えられんがな。なんなら見るか」


そう言って俺はポーチから地図を取り出した。


「これはすごいですぞ!こんなはっきりとしている物はございません。是非とも譲ってほしいのですが無理でしょうな……ヨシアキ様大事になさいますように」


バッカスは地図を俺に返そうとしたが、正也からの質問を確認しとかないといけないな。


「そういや、地理は確認したがここの線について説明してくれないか」


「これは、守護結界の境界です。はるか昔、勇者マサムネが活躍するよりもずっと前のことで、この世界に初めて魔族というものが表れた時、神によって大陸を跨いで攻めていた魔族から、他の種族を守るためにつくられたといわれております。ここの領域は海・空ともに侵入することができないようになっているので私達の大陸は魔族から直接攻められることはないのです」


「直接はないということは何件かあると」


正也も同じことを気がついたようで質問をした。頭まで賢いとは、どんだけ主人公適正があるんだよ。


「ええ、さすがに陸路から攻められることはありますから。ここ数年はあまりありませんが勇者マサムネの時代には頻繁にあったそうです」


「では、ここから魔王のいる大陸に行くには同じように陸路で行くんですね」


「そうなります。ヘイムダル大陸から守護領域の壁を陸路で超え、海を渡り、魔王のいるランシール大陸へ向かうようになります。では、さきほど話にも出た人種について話をしましょう。まずは私達のような人種を人属といいます。そして、人に近い種族をまとめて亜人種といいます。亜人種には、エルフ族、獣人族、ドワーフ族がいます。エルフは人と見た目があまり変わりませんが、耳が長く人よりもはるかに長い寿命をもっており、精霊魔法を使える種族です。次に獣人ですが、人とは違う獣の特徴であるものを持つ種族です。それは、耳であったり尻尾であったり毛であったりいろいろとあります。そのおかげか人よりもすぐれた身体能力を持つ者が多いのです。また、獣人族には犬族・猫族・狐族・兎族など数多くの種類があります。最後にドワーフですが、彼らは基本的に低身長で暑さに強く力が人の倍以上もっています。男性はひげが濃くなりやすく、女性は髪が多いといわれております」


わかりやすくてありがたいが、みごとなまでのありきたりな設定だ。


「次に、お金について説明しましょう。単位Gで硬貨には銅、銀、金、白金があります。それぞれ1G、100G、1万G、白金1000万Gとなっております」


「つまり銅貨100枚で銀貨1枚、銀貨100枚で金貨1枚、金貨1000枚で白金貨1枚となるんですね」


「そうです。現物がこれです。しかし金貨ならまだしも、白金は使われるようなことがありませんからここにはございませんが知識としてもっていてください。また、銅貨50枚を半銀と言ったりします。」


そう言われて、俺と正也は硬貨を手に取った。正也は珍しい物をみるようだが、俺としてはゲームと一緒だと思う。ん?もしかして……


「なあ、白金貨ってこれのことか」


そう言ってポーチから硬貨を取り出した。


「こ、これは白金貨!あなたはどこまで驚かせてくれるのですか!!」


いやー、どこまで?といわれてもなー。俺の手持ちは白金貨5枚まあ5000万Gだ。しっかし、銀行に預けていなかったら俺はどれだけ金持だったのか……いちいち端数が嫌だからって預金なんてしなければよかったorz


「そうか、なら使おうとすれば問題なく使えるんだな」


「ヨシアキ様の硬貨はこれだけですか」


「そうだが」


「白金貨だと使いづらいでしょう。ですから金貨と銀貨に交換なさいますか」


バッカスはにこやかな顔でそう言ってきた。たしかに現実と同じで10円チョコを買うのに100万円相当のダイヤモンドで支払うのはできそうにないし。


「それもそうだな。なら白金貨1枚分交換してくれ」


「わかりました。一度お返ししておきます。今すぐに用意するのでしばらくお待ちください。ああ、講義はこれでおわります。マサヤ様はお部屋に。ヨシアキ様はこのままお待ちください」


「そうですか。じゃ、吉晃さんまた後で」


「ああ、またな」


ふたりが出て行ってからしばらくのんびりしているとバッカスが帰ってきた。


「お待たせしました。これが白金貨1枚分の金貨と銀貨です。それに銅貨も数十枚私からのプレゼントです」


「すまない。ありがたくいただく」


そう言われて俺は大袋を受け取った。誠実そうな人だが金に関してはきっちりしなくてはならないし、実際にあの魔法が使えるかついでに確認もしてみるか。


『サーチ』敵や物に対して名前や簡単な情報を読み取ることができる便利な魔法だ。そうイメージして、袋の中身を確認すると問題なく出できた。





9200050G!?内わけは金貨919枚、銀貨100枚、銅貨50枚ってどんだけぼったくるつもりだ!?


「では、白金貨をお渡しください」


「ここで数えさせてもらう」


しずかに、そう答えると


「かなりの数ですよ。数えていたら夕食の時間を過ぎてしまいます」


涼しい顔でそんなことを言っている。こいつが黒幕でないのか?どっちにしてもこれは受け取れんな。


「大丈夫ですよ。『サーチ』という魔法がありまして私が確認しておきましたから問題ありません。それに、ヨシアキ様の不思議な袋ならその袋も入ると思います」


堂々と言った~!!なんてやつだ、腹黒男だったのか!チクショウ!!この国にはまともな奴はいないのか!?


「ほぉー。便利な魔法もあるもんだな。しかし、俺は数えさせてもらう!」


「だいじょうぶと言っているではないですか!私が信用できませんか!?」


はい、全く信用できません。最初は誠実風に見せて信用を得ようとしたが、これで信用度0を超えてマイナスです。


「数えられると問題があるのか」


「そのようなことは全くありません!いいでしょう。ならこの話はなかったことにします!」


そう言って、怒った顔をして俺から袋を取り上げようとした。


「俺はそれでもいい、しかし!中身の確認だけはさせてもらう」


そう言って俺は袋の中身をテーブルの上にぶちまけた。


「なんてことを!なくさぬうちに拾わねば!」


そう言って、バッカスはあわてて袋に詰めていった。


「そうだな、俺は一切金には触れていないし妙な動きもしない。集めた後にもう一度サーチして足りなかったらどうする?」


そう提案すると、バッカスは金が足りないことに気づいていると思い、すなおに引き下がった。


「いいでしょう。私が見ていた間もあなたはお金に触れていないし変な動きもしていない。もし足りなかったとしても、私の責任ということにしておきます。ですから、この場から早く立ち去りなさい。以後このようなことはおこさないでください!!」


怒りながら言っているがあんたがいうな!!ったく、どいつもこいつもダメだな……

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