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第4話

第4話


俺たちは謁見の間を出た後、兵士たちが訓練する場所に連れてこられた。


「私はこの国の騎士隊長であるマルサス=グラスパーです。これから剣の実力を見させていただきます」


どうやら、講師は騎士隊長自らやるみたいだな。


「やることは単純です。私に対して木刀で撃ちこんでください。それでどのくらいできるのか見て少ししたら私からも撃ちこみますから防御してください」


そう言われて、俺たちは木刀を持たされた。木刀はよくみる長さで一般的な西洋剣と同じくらいか。


「すまないが、大剣サイズ1本とショートソードのサイズを2本用意してくれないか?正也には盾を使うならそのままでもいいが魔物と戦うことを考えれば大剣の方がいいし、俺としてはショート2本の方がやりやすい」


俺のやっていたゲームでも大剣は大型の魔物用、それ以外はショートソードを使っていた方がやりやすいのだ。正也に使い分ける技術があるかわからない以上最初から魔王討伐と考えるなら大型の魔物と出くわすのが当たり前だから大剣の方がいいだろう。


「そうですね。僕も剣道をしていたからそれなりに剣を振りまわせると思うけど、このサイズの剣だと大きい魔物の時に剣が使いにくそうですし、だからといって魔法に頼り切るのも問題がありそうですから最初から大剣で慣らした方がよさそうですね。でも、正直なところ大剣はあこがれますよ」


正也も同意したようで俺の意見に乗かってきた。しかし、剣道をやっていたとは、どれだけ高設定なんだ。


「それもそうでありますな。マサヤ殿は体格もしっかりしていらっしゃるし、魔物とのことを考えれば大剣の方でも問題なさそうですな。それに、ヨシアキ殿の体格では剣に振り回されるのが落ちですから最初からナイフの方がいいのでは?」


マルサスが俺に対して嫌味を言うのは王さんがらみか?まあ実力を見せたらおとなしくなるだろうから今は黙っておくか。


「いや、大丈夫だショート2本で問題ない」


そういうと、持てばあきらめるだろうと思ったのか俺の言うように兵士に用意させた。


「では、最初にマサヤ殿から」


「わかりました。よろしくお願いします」


そう言うと正也は剣を構え「いきます」というと木刀をマルサスに振り下ろした。マルサスはようようと木刀を普通サイズの木刀で受け止めた。


「なかなかの撃ちこみです。そのまま何度か攻撃してください」


そういわれると正也は大剣サイズの木刀を竹刀のように何回か撃ちこんだ。


「次は、ゆっくりではありますが私から撃ちこみますので防御してみてください」


今度は攻守交代。正也はマルサスの攻撃をかわしたり、防御したりしている。どんだけスペック高いんだよ!チートだ!こんなのはチート以外考えられん。


「マサヤ殿、これなら大剣でも問題なさそうですね。では終わりにしましょう」


「ふぅ、ありがとうございました」


あんだけ振り回しておいて正也は少し汗を掻く程度とは体力もかなりあるようだな。


「それでは、次にヨシアキ殿」


んじゃ、俺の実力を少しだけ見せてやるか。


「今度は最初に私から撃ちこみますから防御してください」


「了解」


俺がそういうと、マルサスの雰囲気が変わった。


「逝きます!」


そう言って、マルサスのは全力で俺の頭めがけて踏み込んできた。お、おい!いきなりそれはないだろ!!しかも、『いきます』が明らかに違う意味に聞こえたんだが!


俺はすぐさま2本の剣で防御した。マルサスの剣を防ぐことができたがどう考えてもおかしいだろ!?


「いきなり、全力で撃ちこみやがってどういうつもりだ!」


俺はマルサスからはなれて、抗議した。


「ちっ、防げたのでいいでしょう。それにあなたは本番を意識していたようでしたので最初に全力でやった方が本番はこんな殺気を浴びながら戦うというのが理解できると思いそうしたまでですよ」


なんていう野郎だ。今のが防げたからいいだと?それに舌打ちしたよな。ふざけるな!

国最強の騎士の殺気を浴びて行動できるやつが何人いるんだよ。俺があんたより強いから動けたが、普通なら殺気で動けないのが当たり前だ。よく、たたいてかぶってのゲームでじゃんけんに勝っても判断できずに盾をとってしまうことがあるように咄嗟の判断力は鈍るものだ。そのことを知らず隊長になれるわけもないはずだ。


「なら、次は俺がいかせてもらう」


「では、どっからでもどうぞ」


マルサスは余裕ぶっている。あんたがそういうつもりなら、俺も全力でいかせてもらおうか


俺は大きく深呼吸して、


「死にさらせええええええ!!」


全力でマルサスに殺気を込めて顔面すれすれに振り下ろした。


マルサスは全く反応することができなく棒立ちになったまま俺が振り下ろしたときに気絶したようでそのまま倒れてしまった


「た、隊長!?」


見ていた兵士が駆け寄って安否を確認している。


「吉晃さんなにやってんですか!?死にさらせって、マルサスさんケガしてませんよね」


「安心しろ、当ててない。それにさっき、隊長さんがいってたろ?だから俺も全力で殺気をぶち当てただけだ。しっかし、これが国最強って大丈夫かよ?」


「それでも、さきほどの殺気は正直ビビりましたよ。周りの兵士の方も何人かは隊長さんと同じように気絶してますよ。それに、剣を振り下ろしたのが早くて切りかかったのがぶれて見えましたよ」


そう言われてまわりを見ると何人か倒れてんな。こんなんで大丈夫か?ってか、その殺気に耐えられる正也は勇者補正のおかげか?それよりも、さっきの動きそれなりに本気で動いたのに、ぶれていたとしても見えていたとかチートだチート!


「どうやら、マルサスさんは大丈夫みたいですね。この後どうするんでしょう?」


「当たってないんだから当たり前だ。しかし、このありさまじゃ剣術の練習ができそうにないな。そろそろ、昼だから飯になるんじゃないか?」


そんな話をしているとメイドさんが来た。


「ヨシアキ様、マサヤ様。剣術の講義は終わりとなり、昼食となります。その後、今度は魔術とこの世界についての講義となります。それではついて来てください」


やっぱそうなるか、それたちは木刀を兵士に返してメイドさんについていった。

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