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第46話

時間を見つけて作成したつもりが、書き直しで余計に時間がかかってしまいました。サブタイトルは未だ検討中です。

第46話


王様との話を終えた翌朝、リリー達に姫さんが同行することを説明した。最初は何で私達に一言相談しなかったのかと怒られたが、了承してくれた。


「ヨシアキ殿、父上の依頼を受けてくれてありがとう」


「別に気にするほどでもないぜ。どうせ行き先が同じになったんだからな」


ある程度の妥協があったことは認めるが、姫さんとの旅路も悪くないと思ったから受けたんだしな。


「国の名誉のためヨシアキ殿と対決しても負けるわけにはいかない」


「おいおい、俺は参加するつもりなんてないぜ」


ゲーム上ではイベント戦なので毎回のごとく参加させられていたが、目立ちたくないので闘技大会なんて参加したくない。


「ヨシアキが参加したらある意味大会の記録として永遠に残りそうね」


ある意味というのは実力がかけ離れて残念な参加者達が続出するということか?全力でやったらやばいし、ダメージも今のところたかが知れているので参加したら次からは殿堂入りして、参加拒否できるかもしれないな。


「魔王を含め、ヨシアキ様を倒せるものなど存在するのでしょうか」


「毎度のことながら、俺をいったいなんだと思ってんだよ。構造上人間だから不死身じゃないから考えるだけでも3、4つくらい死因はあるぞ」


毒・餓死・酸欠など人間では抗えないことはたくさんあるはずだ。


「冗談でも死ぬ方法なんて誰にも言わないで、あなたはこれから多くの者から妬みを買うわ。その者達はどんな手を使ってもあなたを消し去る。あなたが思いつく方法は異世界の知識があるからこその方法も考えられるわ」


軽い気持ちで言ったが、先程の発言にリリーが厳しい顔で指摘した。


「今から旅立とうとしている最中に景気の悪いことを言って悪かったな」


明らかに俺の失態だな。異質は忌み嫌われる。それは今までに読んできた物語やゲームに出てくるシナリオで散々見てきた内容だ。今の俺はその対象。気を付けなければならないな。


「皆さまお待たせしました。準備が整いました」


そう言われ、俺達は庭へと促される……庭?


「ヨシアキ様、王様からの前払いだそうです。本来であればそのままこの飛竜をお譲りしたいのですが、世話のことを考えると旅の邪魔になってしまうだろうとのことで、今後アルトランドにいらっしゃった時は飛竜を無償で提供するとのことです。姫様を救っていただいた方にこのようなものしかご用意できず申し訳ない限りです」


いやいや、こんなものなんて俺には嬉しい限りだ。金なんて使い道がないし、むしろ俺がほしい物を的中させた王様はやっぱり目のつけどころが違うや。


「うれしそうね」


微笑ましいのか、先程の表情は何だったのかと思う年下の子を見るような感じだ。少々心外だが前回楽しめなかった分うれしいのは当たり前だ。


「では、行くとしよう」


姫さんに言われ籠に意気揚々と俺は乗る。


~~☆~~☆~~~


空の旅は最高だった。風を切る感覚、景色が現実世界ではめったに味わえない体験だった。ハンググライダーに乗ればこんな感じなのかなと、戻れない現実世界のことをふと考えたが昔を見るより今を見た方がいいと思い、目の前に広がる景色を楽しんだ。


時間にして1時間といったところで目的地の港街に着いた。


「港街コルト。アルトランド最大級の港街と言われるだけあってとってもにぎやかね」


正直に言って、ユルカの城下町よりも人が多いと思う。外交の街だから多くの人がいるのはわかるが下手をするとアルトランド城下町の方が活気がないような気がする。


「この街の資産が我が国の収益に一番貢献しているのだからな。3人にはこの国の良さを体感してもらいたいので、少し早目に送ってもらったのだ。出航まで観光しよう」


異議なしということで、俺達は港街を満喫する。屋台を覗いては、海の幸を食べたり、露店を覗いては特産品を見て楽しんでいたりと有意義な時間を過ごしていた。


ある程度時間が経ったので海を見てみたいと言うことで歓楽街から離れるとガラの悪そうな男達が寄って来た。


「そこのお嬢さん方、そんな軟弱な男と一緒にいるより俺達と遊ばない?」


「せっかくの楽しい雰囲気が台無しだな。我が国を代表して謝罪する」


「いえ、どこの国でもこういう程度の低い輩はいるものです。ディナ姉さまが謝る必要はありません」


どこにでもいるんだよな……こうバカは排除しても次々と湧いてくるからタチが悪い。なんだっけな?働きアリの法則だったか、排除しても無害の者が次のバカになるみたいな話を聞いたことがある。


「言ってくれるねお嬢さん方、これでも俺達はギルドランクB、一流の端くれ冒険者だ。そうそうお目にかかれない人物だぜ」


Bランクでそうそうにお目にかかれないなら、Aランクの俺は珍獣でその上のSランクになったら伝説上の生き物か?


「お嬢さん方はどこぞの貴族様のようだけど、俺達の実力を測れない程の低い従者を連れているようじゃ頼りにならないよ」


それは、あんたらの方だろう。普通は実力が測れないのを異質に思うのだが……ああそうか、尺を越えていたら測れないのか。そういう俺はどうなんだろう、実力者は相手の力量を測れるのがデフォルトだが、俺の場合は定規でミジンコを測るみたいな、尺がデカ過ぎて区別できないな。


「程の低いのは主らの方じゃろ」


男達の奥から聞いたことがある声がする。男達の隙間からフード付きのローブをまとった獣人がいた。フードのせいで顔は分からないが俺はこの人物を知っているはずだ。


「獣人さんや、俺達は冒険者だ。あんたも形からしてそれなりにできる冒険者だろう。売られたケンカは買わなきゃ俺達のプライドが傷付く。覚悟はできているのかな?」


脅しのつもりか剣を早々に抜いて下種な笑い声もところどころ聞こえる。


「実力はあるようじゃが、相手の実力を測れんのであれば所詮は烏合の衆と変わらんな」


背中に背負っていた大剣を構え一戦交えるつもりだ。助けに入ろうかと思ったが、剣の構えや、持っているミスリル製のツーハンデッドソードからある人物が思い当たり確信を得るためにすぐに動ける体勢で様子を見る。


獣人が動いたと思ったら、常人には眼にも止まらぬ速さで走りだし大剣使いとは思えない剣さばきで次々と男達を沈めていく。リーダー格の男はなんとか食らい付いているが相手のローブをかすめるだけで相手にもならない。しかし、沈められる寸前になんとか相手のローブをつかみ取りどこの誰か確認をしようと最後のあがきを見せた。


「白銀の閃光……アンジュだと!?」


戦闘でローブの内側に隠れていた顔や服装があらわになり、俺は漸く確信を得た。銀色のショートヘアーに狐の獣人の特徴である銀色の耳としっぽ。大剣使いで、半袖の革ジャンにコルセット、更に尋常ないローライズ。ゲーム上に出てくるまんまの姿だ。


「さて、邪魔者はいなくなった。そこのお主、手合わせを願うぞ」


いやいや、ちょっと待て!!ゲーム上最強のお助けキャラとやり合うなんてありえないだろ。


「いざ尋常に勝負!!」


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