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第20話

第20話


「ヨシアキ様、朝でございます」


エリーゼに起こされる。なんとかドキドキよりも眠気が勝って寝ることができたがまだ眠い。


「おはよう。あなたってホントに寝ぼすけなのね」


眠たい目をこすって視界を元に戻すと、ふたりして俺の顔を覗き込んでいる状態だった。


「おはよぅ」


「起きたのなら先に下で待ってて。着替えたらすぐに行くわ」


「んー」


そう言われて眠たい体を起こし部屋を出た。待っている時に気が付いたが、頭が正常じゃなくてよかった。普通に考えたら恥ずかしくて何も言えない。何で気が付いてしまったんだろうか。


~~☆~~☆~~


いつも通りの朝食を終えてギルドへと向かった。


「あ、おはようございます。ヨシアキさん達、来たのならマスターが部屋に来てほしいそうです」


いつも受付嬢のマリサさんがここにいるが、休日はないのか疑問に思う。


「わかった」


勝手知ったる人の家のように、ギルドの奥へと移動しマスターの部屋に入る。


「おお、お前さん達来てくれたか。カードがようやくできたんじゃが、表で渡すと厄介事になるかもしれんのでな。ここで渡させてもらうために来てもらったんじゃよ」


「マスター、すまんが俺達はここを離れなければならなくなった」


「なんじゃ?お前さんにはここで上級の依頼をやってもらおうかと思ったんじゃが――お前さんが一攫千金とかでここを離れるような男ではないし……何かあったのか」


何かとマスターと関わっているため俺の性格を知ってか、心配そうに聞いてくれる。


「実は……」


俺達はマスターに事情を話した。信じてもらえないのが普通なのにマスターは信じてくれて、そういうわけなら仕方ないと言ってくれた。


「そういうことなら、わしの方でも情報を集めておく。それに他の支部でも情報がもらえるよう頼んでおく」


「ありがとうございます。マスター」


王女が頭を下げるわけにはいかないので、エリーゼがリリーの変わりに頭を下げてお礼を言う。


「本当にマスターには世話になりっぱなしだな」


何から何までホント、マスター様々だな。城の情報を聞けたおかげで動きやすくなったのに、借りが返せないのが気がかりだ。


「なに、気にせんでいい。お主が貴族連中に採られず、他のギルドでも活躍してくれるならなにもいわん。できることならここでやってほしかったがな」


マスターがそうは言ってくれるが残念そうな顔をしている。


「全部終わったらここに戻って来るから、そん時よろしく頼む」


早く魔王があきらめてくれるために抗議しに乗り込むのもありかもしれないな。


「そうか。なら早く解決するようにわしも頑張るかのう」


「よろしくお願いします。では、私達は行きますので。ギルドマスター、ジン。あなたのことは忘れません。もし私が王女として戻った時に何かあれば私を尋ねてください。及ばずながらあなたの手助けをさせていただきます」


リリーが冒険者としてではなく、王女としてマスターにお礼を言う。


「王女様のお手を借りることができるなら大概の事は解決してしまいますな。王女様のご無事をお祈りいたします」


マスターはこんな報酬を得られるとは思っていなかったようで、驚きながらもそう答える。


「それじゃ、マスター俺達行くわ」


「お前さんも気をつけるんじゃぞ」


こうして俺達はマスターと別れを告げた。


カードを受け取ってマリサさんにも別れの挨拶をした。マリサさんは俺達がいなくなるのはさびしいですが、ギルドではよくあることです。また来てくださいと言ってくれた。


~~☆~~☆~~


ギルドから出た俺達は食糧や消耗品の買い物を済ませた。


「食料等の買い足しも終わったし、どのルートでアルトランドに行くんだ?」


「ここからアルトランドへ行くのでしたら、ユルカの森を抜けてシーバムへ行くのが一番でございます」


「下手に街道を通って万が一、魔王軍の刺客が来たらいけないから、森なら人に被害もでないし、それがよさそうね」


「了解。んじゃ森に向かって出発しますか」


こうして俺達はこのユルカの街を去った。

やっと1章終わった。次回は正也と王様の話です。

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