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MAIN TRAFFIC2  作者: 浜北の「ひかり」
Distress Episode
87/108

271列車 たまには・・・

 今日からまた連載を再開します。それでは、MTシリーズ第271話目、本編。どうぞ。

 7月に入った。就活もこれまでの間まったく動きがないわけではなかった。もうすぐ月の変わり目になろうとしているとき、蓬莱(ほうらい)の内定が決まった。決まったのは小田急電鉄(おだきゅう)。そこで運行されている「ロマンスカー」の客室乗務員である。そして、7月に変わってから、高知県の市内電車、土佐電気鉄道(とさでん)栗東(りっとう)の内定が決まった。土佐電気鉄道(とさでん)は雇用形態がアルバイトのような状態なので、学校が終わったらすぐに高知県入りして、そっちでアルバイトから、契約社員に自ら格上げし、最終的に正社員になるようだ。なので、栗東(りっとう)が学校に来るのは夏休み前のごく数日ということになる。内定以外の動きであれば、名古屋市営地下鉄(なごやしえい)都営地下鉄(とえい)が採用情報を出したこと。名古屋市営地下鉄(なごやしえい)は駅係員の契約。都営地下鉄(とえい)は車掌候補の採用である。名古屋市営地下鉄(なごやしえい)は自分で書類を名古屋まで提出しに行く必要があるが、都営地下鉄(とえい)はふつうに郵便物でも受け付けてくれる。しかし、出す時は簡易書留で出さなければいけないというようにもなっている。それらの提出。そして、もう一つはJR西日本の駅係員の契約社員採用だろう。これは今までで内定をもらっていない人全員が受験した。そして、その結果は最近になって返ってきた。書類選考通過すら成らずであった。

 まぁ、それはさておき、7月7日に予定していることもだんだんと現実味を帯び始めている。ちょっと前には鉄道学科の人全員を動員して、鉄道の仕事体験ブースの練習を行った。そして、木曜日には航空とトラベルの仕事体験ブースの練習も行われた。この練習は実質鉄道学科以外のところを受け持つ人にとっては最初で最後の練習である。本番前にこういうことすると余計子供にはやらせに見えるんじゃないかなぁ・・・。それか大人にもそういう目で見られるんじゃないか・・・。なんてことはどうでもいいかぁ・・・。

 そして、今日は金曜日。7月5日だ。金曜日の授業は11時20分から。僕が今住んでいるところからなら、11時過ぎに出ても大丈夫っていう感じ。授業はまず2コマ連続であり、次に3コマ連続である。終了するのは17時10分ごろだ。まぁ、一番最後の授業は先生がちゃっちゃと終わらせてしまうこともあるので、17時10分までかかるかと言われれば、そうではないことのほうが多い。今日も、そういう感じで進み、全員が出席カードを通しただけで終わった。

「さぁて、帰るか。」

そう言いながら、犀潟(さいがた)は早々に荷物をまとめて、教室を出た。犀潟(さいがた)は最近帰るのが早いなぁ・・・。

「ふぅ・・・。」

もう完全にロックが外れたような声をあげるのは栗東(りっとう)だ。

「よかったじゃん。内定じゃないってことがなくって。」

蓬莱(ほうらい)が言う。

「ああ。さぁて、今日は何かパーッと歌おうかなぁ・・・。」

「えっ。カラオケ行くつもり。」

「いいじゃん。取ったんだし、内定取り消しにならないぐらいのへまは外しても。」

(カラオケかぁ・・・。そう言えば、高2の時に言って以来行ってないなぁ・・・。)

ふと思った。僕はそもそも遊びにはあんまり縁がない人だ。遊ぶお金があるぐらいだったら、ひとりでにどっかに行ったりする方が趣味である。まぁ、それもあって最近はお金の消費が激しい・・・。抑えなければいけないとは思っているが、東京まで行ったりするのに夜行バスを使うなんてことはしたくないし、お金の管理ができていないよりはましかぁ・・・。でも、今財布の中は3000円ぐらい残っている状態。今ここでカラオケに行くっていうのもなぁって感じはする。だけど、栗東(りっとう)の言うとおり、久しぶりにパーッと歌うっていうのをありかぁ・・・。

 栗東(りっとう)たちもだんだんと荷物をまとめ始めて、玄関のある2階に下りた。僕もそれと同じぐらいに下りた。それから、しばらくの間は栗東(りっとう)たちと同一行動。少々便乗も期待して・・・るな。緑地公園(りょくちこうえん)の改札の前まで一緒に来た。カラオケに行くと言っているのは今日早期就業が休みの近畿(きんき)。まだ就活中の高槻(たかつき)瀬野(せの)百済(くだら)羽犬塚(はいぬづか)(もえ)。そして、最近決まった栗東(りっとう)蓬莱(ほうらい)。かなり前に決めきっている留萌(るもい)だ。

「あっ。榛名(はるな)は行かないの。」

「行きたいけどさぁ。いや、今日はやりたいことあるから帰りたいんだよ。」

「そうかぁ。じゃあ、また行けるときに行きましょう。」

「うん。」

「あと、永島(ながしま)君も行くよね。」

「えっ・・・。」

栗東(りっとう)のその一言に唖然となった。いや、期待はしていたけど、まさかこうなるなんて思ってないし。ていうか、財布の中身大丈夫かなぁ。学生証はあるから学割だのなんだのは効くかぁ・・・。それで、収まりきる・・・。

「えっ。ちょ・・・ちょっと待って。本当に僕も・・・。」

「えっ。当たり前じゃん。永島(ながしま)君こなかったら今日カラオケするいい無いし。」

確かに。栗東(りっとう)がすぐに高知県に行っちゃうから、みんなでカラオケできる機会っていうのはなくなるけどさぁ・・・。今日特別にすることでもないし、今日カラオケするのは僕が行かなくても意味は持つよねぇ・・・。

「そうね。あたしだってナガシィの歌声聞いてみたいし。」

(もえ)が言った。

「えっ。(もえ)ちゃんってナガシィ君の歌声って聞いたことないの。」

不思議そうに蓬莱(ほうらい)が聞いた。

「ああ。ナガシィ人にあんまり歌声聞かれたくないのか知らないけど、私が近くに行くと一気にボリュームダウンしちゃうんだよ。聞こうと思っても聞かせてくれないんだよ。だったら、こういうところに行って、強制的に歌わせたほうがいいでしょ。」

「えっ。ナガシィ君、歌聞かれるの恥ずかしいの。」

「別にそういうわけじゃないけど・・・。」

歌声聞かれるのが恥ずかしいってことはないはずだ。

「よし、決まりだな。」

「わ・・・分かった。行けばいいんでしょ。待って、切符買うから。」

もういいや。それにたまにはこういうのをいいだろう・・・。たまには・・・。

 カラオケに行く場所は隣の江坂(えさか)。今僕たちがいる緑地公園(りょくちこうえん)は近くが団地ばっかりの住宅街だが、江坂(えさか)は商業施設が大方揃っている。大きいもので言えば東急ハンズとかだ。行くカラオケボックスは江坂(えさか)梅田(うめだ)より西側の出口に近いところにある「SHIRANUI」っていうお店だ。パッと見はカラオケボックスがあるようなところには見えない。そのSHIRANUIは飲食店が入ったビルに挟まれるように伸びているビルの4階にあった。都市っていうのはなんでも詰め込もうとするのが好きだよねぇ・・・。その詰め込む精神にはあきれる・・・。

「ハァ、まさかこんな形でここに来るとは・・・。」

一言そう漏らした。

「別にいいじゃん。」

と隣で(もえ)が言う。

「ところで、ナガシィって歌うまい。」

(もえ)が聞いてきた。

「いや、うまいなんてことはないと思うけど。」

「いやいや。あんたふつうにうまいから。」

後ろでその会話を聞いていた留萌(るもい)が言う。

「ホント。」

「ああ。こいつカラオケ初めていった時に80点ぐらいふつうに叩き出しまくったからなぁ・・・。カラオケ最初で80点ってまずふつうじゃないだろ。」

(ふつうじゃないって・・・。それ褒めてないよねぇ・・・。)

「へぇ、それぐらいふつうに出せるんなら、恥ずかしがることないんじゃない。どうせ、この声は変わんないんでしょ。」

「なっ。歌う時と普通の会話じゃあ声変わるから。あんまり聞かれるのは・・・。」

恥ずかしいって思ってるんだな。僕・・・。

「まぁ、少なくとも私よりは歌うまいんだね。」

「えっ。(もえ)って歌うの得意じゃないの。」

「そんなに得意じゃないよ。私だって万能じゃないの。」

「それは分かってるって・・・。」

「お客様。お待たせいたしました。」

店員が声を掛けてきた。何しろこの大所帯だ。この狭く詰め込まれた部屋にこの大所帯が入る部屋が最初無かったので、しばらく待っていたのだ。案内された部屋を見るなり、狭い部屋だなぁって感想。前に佐久間たちとカラオケに行った時はこんな狭い部屋にはとおされなかったと思ったが・・・。やっぱり、都市と地方の違いっていうものなのかなぁ・・・。

 さて、歌う部屋に入ったのはドアに近い人から羽犬塚(はいぬづか)、僕、栗東(りっとう)近畿(きんき)高槻(たかつき)百済(くだら)蓬莱(ほうらい)留萌(るもい)(もえ)瀬野(せの)の順番。歌う順番は栗東(りっとう)から近畿(きんき)高槻(たかつき)の順番で歌っていく。つまり、僕が一番最後に順番が回ってくるという感じだ。まずは、全員知ってそうな歌を入れた。すると、最初の曲は栗東(りっとう)が一番最初に覚えた曲のようで。正直に言えば、一緒に歌うのはあんまりしてほしくないのだけど・・・。まぁ、いいか・・・。その曲が終わってから、

「なぁ、栗東(りっとう)。お前歌わないほうがよかったんじゃないか。」

蓬莱(ほうらい)が言う。

「えっ。そう。」

「うん。歌わないほうがよかったと思う。ナガシィ君の歌い方ってこの曲で考えたら、本当にガラス割れそうなんだよ。それに比べたら・・・。」

瀬野(せの)の評価がそこで止まった。もう、この先は言葉に困るみたいだ。

「アハハ。割れそうだって。普段から割れそうな声のときだってあるのに。」

(もえ)が続けた。

「いいじゃない。割れる割れないとか。・・・それにこの歌こういう声じゃないとうまく歌えないの。」

「おお。うまい発言が出たぞ。」

「そういうことはあんまりしないほうがいいよ。」

「してるわけじゃないよ。」

まぁ、そのあとは自分の声をどうこう言われることはなかったけどね。それが9時近くまで続いて、一度カラオケボックスを出た。それから近畿(きんき)高槻(たかつき)百済(くだら)が家に帰り、残ったメンツで晩ご飯を食べ、1時間ぐらい時間をつぶしてからまたカラオケボックスに入った。また、さっき抜けて行ったメンバーと入れ替わりに千葉が来た。そして、このメンバーでのカラオケが7月6日の朝まで続いたのであった。

(こういうのもいいかぁ・・・。たまには・・・ね・・・。)


「パーッと」とか、今回の話いろいろと別のものが連想できるんですけど・・・。「パーッと」は「隼鷹」だし、カラオケボックスはまんま「不知火」だし・・・。いろんなものに洗脳されてるなぁ・・・。

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