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MAIN TRAFFIC2  作者: 浜北の「ひかり」
Distress Episode
82/108

266列車 表裏

 5月20日。今日は北大阪急行(きたおおさかきゅうこう)の面接だ。面接の開始は僕は8時30分から1時間ぐらい。だから、授業はふつうに受けて帰る。面接は学校の近くにある本社会場。前に筆記試験を行ったのとは違う部屋に集合し、それぞれ小さな会議室みたいな部屋に通されて、試験を行う。それが終わったら学校に戻る。月曜はスーツの日だから、別に日にスーツの日が増えなくてよかったか。まぁ、この服装はそろそろ嫌気がさしてきているから、願ってもないことか・・・。

「あっ。今治(いまばり)。明日は何で行くの。」

僕はそう今治(いまばり)に聞いた。なんで今治(いまばり)にこういうこと聞くのかって。それは明日、名古屋(なごや)での企業説明会に行くからだ。

「ああ。明日は「アーバン」で行こうと思ってる。」

「じゃあ、大阪難波(なんば)を9時に出る「アーバンライナー」乗ったほうがいいね。」

「ていうか、ナガシィ君と(もえ)ちゃんはあおなみ線受けるわけ。」

「いや。試験がいろいろ重なりすぎて・・・。ていうか、もう締め切りすぎてるでしょ。それに説明会のキャンセルはもうできないし。」

「ああ。そうだな。」

打ち合わせはこの通りだ。

 翌日。僕たちは8時30分ぐらいに梅田(うめだ)に集合する予定であったのだが、僕が言えに携帯電話を置き忘れた琴似気付いて取りにもどっり、すぐ来た列車に乗り込んだのだが、途中の西中島南方(にしなかじまみなみがた)で降りるお客さんが多すぎたのと、乗車率100パーセント以上になっているこの列車に乗る気がしなくなったので、その次の天王寺(てんのうじ)行きに乗ってなんばに向かったから、梅田(うめだ)にその集合時間に着くことはなく。でも、ちゃんと間に合うようには出たよ。言い訳並べれば終わっちゃうけど。

 大阪難波(なんば)を9時00分に発車する「アーバンライナー」は大阪上本町(おおさかうえほんまち)鶴橋(つるはし)大和八木(やまとやぎ)()に止まる速達タイプの「アーバンライナー」。乗車時間はおよそ2時間30分ぐらいだ。あおなみ線こと名古屋臨海高速鉄道(なごやりんかいこうそくてつどう)の企業説明会は13時から始まり2時間ぐらいで終わる。まぁ、この2時間の間に企業説明会と恐らく先輩社員の声っていうのを聞く時間ていうふうな割振りになっているのだろう。説明会は予想通り、そういう形態をとっていた。

 5月23日。北大阪急行(きたおおさかきゅうこう)の面接の結果が来た。次の最終面接に進むことができるのは留萌(るもい)栗東(りっとう)の二人。

(ハァ・・・。またかぁ。)

その報告をすぐに聞き流した。もう自分には関係のないことである。翌日のホームルームはあんまりやることが無く。自分のやることっていうのをやっていた。今、自分はすることがない。ていうか、今はすることを増やしたくない気持ちが勝っていた。ジェイアール西日本交通サービスまでの間にどうしても終わらせたい。その気持ちが何よりも大きかったと思う。

そのホームルームが終わるとすぐに帰ろうとおもった。

永島(ながしま)。俺どうしよう。」

栗東(りっとう)がそういう声をあげていた。嬉しいんだね。まぁ、そりゃそうか・・・。

北大阪急行(きたきゅう)いけなかったらどうしよう。」

「・・・。」

その答えは無反応にした。行けるやつはいいね。心がそうつぶやいていた。

「じゃあ、どうするの。面接の練習でもしたいの。」

「いや。面接の練習は日曜日に難波(なんば)さんがしてくれるからいいよ。」

「・・・。」

確かそんなこと言ってたなぁ・・・。

 5月26日。栗東(りっとう)が言っていたその面接練習だ。北大阪急行(きたおおさかきゅうこう)を受ける人は明日のために私服。5月28日にあるジェイアール西日本交通サービスを受ける人はやる気を示すためにスーツということで集合した。その練習は4時ぐらいまで続いた。もちろん、その間は全員敵っていう気でいた。だから、同じように面接の練習に来ている羽犬塚(はいぬづか)平百合(ひらゆり)千葉(ちば)百済(くだら)(もえ)の悪いところっていうのは指摘した。

 5月27日。この日は北大阪急行(きたおおさかきゅうこう)に行く人以外動きはなし。翌日。まずは10時30分から始まるジェイアール西日本交通サービスの面接。集団4人で行い、面接官は2人。それに判定員であろう人事の人が1人ついた。面接は20分ぐらいだったのだろう。質問された内容は物の見事に難波(なんば)さんが練習したとおりであった。学校に戻ると時間は空き時間近くとなっていた。すぐ後に草津(くさつ)今治(いまばり)と合流し、空き時間が終わると同時に学校を出た。「アーバンライナー」で名古屋(なごや)に行くつもりであったが、間に合わないことに気付いたので、新幹線で行くことにした。試験は5時から。パンフレットとか持って、恐らく企業のことは大丈夫であろうと思った。同じ時間で面接が開始されるのは2人。面接官は2人の個人面接である。30分ぐらいの面接ののち、今度は適性検査。図表の読み取りと、国語の問題、そして性格診断をした。終わったのは19時10分ごろだった。当然、家に戻るときに使ったのは新幹線。それでも、戻った時には21時を回っていた。ここから新大阪(しんおおさか)からも新幹線が減少し始める。もうあと20分たてば、東京(とうきょう)行きの最終「のぞみ64号」が発車する時間だ。

「・・・。」

5月も下旬に入ってくるとこのスーツ姿では少々熱い。熱がこもっている・・・。

(いやな、暑さだ・・・。)

眠そうな目をそのままに、僕は家に帰った。家に着いてすぐに寝たが、次の日起きたのは5時ぐらいであった。今日は授業が始まるのは13時ぐらい。ぎりぎりまで家にいて、出る。これでいいだろう。

 5月30日。今日は東京(とうきょう)に行かなければならない。今日は東京急行(とうきゅう)の面接試験だ。まったく忙しいもんだ・・・。東京(とうきょう)から大阪(おおさか)の間を移動するお金だって伊達にならない。そんなに東京(とうきょう)に移動するのが多いならバスで行けっていう人もいるかもしれないけど、バスっていうのは疲れしかたまらない気がするし、何か月か1年ぐらい前にあった関越自動車道みたいな琴似は巻き込まれたくないし・・・。そんなので天国にくのはおろかだとも思うし。そんな可能性があるなら、僕はお金よりも安全をとるよってことだから、僕がバスで東京(とうきょう)に行ったのは京浜急行(けいきゅう)の時の1回だけを守り続けている。面接の会場は今までの試験もやっていた元住吉(もとすみよし)。あの場所にそんなところがあるのかっていうのは少々疑問だけど、そこは関係ない。行って、試験を受けて戻ってきた。いつまでこういうことを続ければいいのか・・・。ふと、頭の中に最悪のシナリオっていうのが映った。

(いや。それはダメ・・・。)

そのイメージをすぐにかき消す。

(それだけは絶対にあっちゃいけない。)

そのイメージっていうのは一般企業に就職することだ。これが最悪のシナリオってことは僕にとって内定をもらえないのは悪いシナリオでも、最悪ではないんだ・・・。まぁ、そう思ってるから、一般企業の就活をやってるように見せて・・・いや、見えてないかな。そこはいい。そう思ってるから、一般企業の説明会もエントリーシートも書かないんだ。書かない理由は簡単。興味がないからだ。先生がやっていたあれで書いた一般で書いたのは全部こういう仕事もあるんだねぐらいだ。今まで僕がやりたいって思ったのは電車の運転士だけ。他に考古学者とか、技術者とかに興味を持ったことがあったけど、それは全部テレビからの影響だ。実際のところ、考古学者は自分が恐竜に興味がわいたから思ったことだし、技術者は放送当時本気でドラマの内容をすべて覚えようとした時の影響である。今思えば、昔、そういう内容を全部覚えようとしたってことは発音には・・・。いや、それもない。東京特許許可局をかまずにいえるなら、それもありかもしれないけど。それに、声優をするなら、声変わりをする前の声でやってたほうが・・・。て、それは理想か・・・。でも、今の声はそんなに好きじゃない。

(そうだろ。やりたいと思ったから、運転士だろ。)

外の風景に見入った。今まで何回この風景を見ている。もう数えきれないぐらい見てるかぁ・・・。

(あれ・・・。)

今まで開くことがなかったタンスが開いた気がした。

(そう言えば、僕はどうして、電車を好きになった・・・。どういう理由で・・・。)

分からないことだった。僕の中の最初の記憶は近くで見た「パノラマスーパー」だ。それは間違いない。でも、それを見て、僕はどう思ったんだ・・・。「まさか・・・」と思う。

(今まで、受からないのはまだこの理由がはっきりしてないからか・・・。)

関係ないと思っても、今僕はそんなこと考えられる頭じゃない。

(電車の運転士になりたいって自分の夢を信じたからだ。だから今、僕は専門学校に行ってる。だから、今それの帰りにいるわけじゃん・・・。それに、それ以外道がないからじゃないか。僕は笹子に一般企業を受けに行くために行ってるわけじゃない。そんな理由だったら、笹子にはいかないし、高校卒業してから、ただ流れる時間ていうのをただ、ダラダラ過ごしてただけでしょ。そうさ。笹子には鉄道会社に入るために来た。それは間違ってない。今は、結果しか求めてないような、企業を受けるつもりも、そこに入って働くつもりも全然ないから。)

また、あのシナリオが流れる。

(許さないから。そんなの。人がどれだけ許しても、僕はそんなの嫌だから。許さないから。・・・40年間身をうずめるか。やりたくないことに40年間身をうずめるつもりも、もし、入れる状況ができたとして、働くことになったとしても、やる気を出すつもりは0パーセント・・・。そうであるべきだ。)

 翌日。5月31日。

北大阪急行(きたおおさかきゅうこう)内定でました。」

難波(なんば)さんの報告がホームルームの時にあった。

留萌(るもい)さん。内定です。」

「えっ。ウソっ」

留萌(るもい)のおどろいた声が教室の中にこだまする。

(また・・・。)

その次は留萌(るもい)の内定祝いのための拍手が起こるのだが・・・。その拍手がとっても、嫌な音に聞こえた。なんだ。この手を打ちつけたときに出るこの音・・・。今まで、拍手にそう感じたことはない。

(内定祝いかぁ・・・。)

「・・・。」

死んだ目で自分の手を見つめているナガシィを(もえ)は見た。

(本当に大丈夫かなぁ・・・。今のナガシィは・・・。)


何が本気なんですか?と聞いてみたい。

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