264列車 連続
5月6日。JR西日本の2次試験。どうやら1次試験はエントリーシートとそれの通過者のみに行われる適性検査らしい。まぁ、そんなことはどうでもいいことだ。
梅田について、大阪の近くにある試験会場まで歩いた。
試験の開始は9時。終了は面接を含めて、14時過ぎだった。この同じ時間に試験会場にいたのは僕が確認している限り、萌、栗東、羽犬塚である。それ以外の人は別の会場に言ったか、別の時間で予約を入れているかのどちらかである。
5月7日から学校。そして、5月11日、今度は東京急行の学科試験。13時からの試験であるが、この日もいつものことで、「のぞみ200号」に乗って東京まで向かった。もちろん、このままでは会場に早く着きすぎてしまうため、今回も地下鉄などに乗って時間をつぶした。このとき東京急行田園都市線にも乗ったが、東京急行はほぼ全線でATCを使用していることに気付いた。他、田園都市線は東京地下鉄半蔵門線、東武鉄道とも相互乗り入れを行っている。終点まで走る間に東武鉄道の「TJライナー」をたくさん見た。前回、東京急行に来た時も言ったが、東横線も東武鉄道との相互乗り入れを行っている。田園都市線は押上から先に東武鉄道との相互乗り入れを行っている。これだから、東京の私鉄っていうのは分からない。
半蔵門線や、南北線を乗って元住吉に着いたのは11時30分ぐらいだった。
「どうする。まだ時間ちょっとあるね。」
「近くにお店あったから、そこで何か食べようか。」
そう言って、僕たちは近くにあった牛丼チェーン店に入った。早い、安い、を売りにしているだけあって、そこでうまく時間をつぶせるようにはならなかった。元住吉に戻って、改札の前で少し待っていた。ちらほらあらわれてくるスーツの人たちについて、もうちょっと経ってから、行こうということにした。改札の前では中古のDVDなどを売っているコーナーがあった。多いのは歌のCDだった。でも、改札口のほうには子供向けの乗物を集めたDVDなどが置いてあって、この齢で、つい見入ってしまった。
「あっ。眞実ちゃん。」
萌がそう言ったのが聞こえた。ふと顔をあげると瀬野がこちらに歩いてきているのが見えた。
「うわぁ・・・。マジかぁ・・・。」
「どうしたの。」
「どうしたのって、まさか、これと同じ時間だったのかよ。」
おいおい、これ扱いかよ。
「いないほうがよかった。」
「うん。特に、こいつは。頭いいからなぁ・・・。」
「この時間で予約入れてただけだよ。金曜日に試験に行くつもりはなかったからさぁ。学校での授業優先しただけだよ。それに、日曜日には行きたくないしね。」
「まぁ、その気持ちは分かるけどさぁ・・・。つうか、試験する場所どこだったっけ。」
「あっ、そろそろ行くところだから、行こうか。」
そう話をしてから、試験会場に向かった。試験会場は前回の説明会と同様の所。試験なので、一つの机に二人座り、部屋がいっぱいになったところから、段階的に試験が開始されるという形だった。数学と、国語の試験を1時間ずつやって終了した。試験会場を後にしてから、瀬野と元住吉までは一緒であったが、瀬野はまだ試験の日程がこっちで残っているみたいなので、すぐに別れることとなった。
「で、ナガシィ。どうするの。」
「えっ。」
「えって・・・。また、電車乗ってくのかってこと。」
「あっ。うん。まずは池袋に行きたいから、どこかで特急に乗らないと。」
そう言っていると列車が来た。5000系の8両編成だ。
「あっ。ナガシィってやっぱり。」
「えっ。」
「女の子だった。」
「違う・・・。確かに、ここ女性専用車だけど、この時間は違うから。」
この頃は萌もこういうこと言うようになってる。なんで・・・。まぁ、いっか。
5月13日は北大阪急行の筆記試験。北大阪急行の試験会場は緑地公園の駅ビル。学校の目と鼻の先である。筆記試験の中には大阪限定にしたような質問も中にはあった。恐らく地元密着型の会社だからであろう。
5月14日。今日は東海交通事業の試験。試験は面接と作文試験。試験はあっちから言ってくる時間に行けばいいという形。僕の試験は午前中に。萌の試験は11時ごろからであったので、今日は萌と一緒の行動とはいかない。
面接とかはすぐに終了。予定時間より早く始まったということもあり、試験全体が終了したのは10時頃であった。いまから帰れば、学校には午後の授業が始まる前に着くことができる時間だ。僕はその通りになるようにということで、すぐに新幹線に乗り込んだ。新大阪からは地下鉄で緑地公園に向かう。その間にスマートフォンのバイブがなった。メールは先生からで、JR西日本の結果が出たとのことであった。結果をメールに添付されているアドレスから、見てみた。
緑地公園に着いたのはそれから数分あとの話だ。まずはスーツを家で脱いで、私服になってから学校に行こうと思っていたため、すぐに家に向かった。私服に着替えてから、午後の授業の準備だけをして、学校に行った。まずは、教務室に寄ろうと思って、すぐに教務室に向かった。難波さんがいるかいないかだけ確認するためだ。中を覗いてみるといなかったが、今から受ける英語の担当の人がいた。
「あっ。おはよう。」
そう話しかけられた。
「おはようございます。」
さっき新幹線の中で少し眠っていたから、まぶたが重い。
「どうしたの。目が据わってるんだけど。」
「あっ。今日面接とか受けてきたんで。」
「そうだったの。それは朝からお疲れ様です。あともうちょっとで授業始まるけど。」
「あっ。授業は受けます。」
「今日単語テストだけど・・・。」
「あっ・・・。そう言えば、そんなこと言ってましたね。後でちょっと勉強します。」
僕はそう言ってから、教務室を後にして、階段を上り5階に来た。英語の授業をする部屋はエレベーターのすぐ隣にある503号室。1年生の時にサービス接遇の授業を受けていた部屋である。
僕はドアにがん解けるように足を押し当て、ドアノブをグリッと回し、後は足の力押しで、蹴るようにドアを開けて、中に入った。
「えっ。」
中からそういう声が上がった。声の主は今治だ。
「えっ。なんで。試験じゃなかった。」
「終わったから戻ってきた。」
とだけ答えた。部屋の奥まで進んでみたけど、席のほとんどは埋まっている。帽子を深くかぶっていてもそれは分かる。一番前で開いているのは、ドアを開けてすぐのところにあった席だった。そこに荷物を置いて、腰掛ける。それからすぐに先生が入ってきて、授業となった。
萌がついたのはそれから2時間経ってからだった。萌はスーツのままで学校に来た。それから萌は2時間だけ授業を受けた。最後の授業が終わると僕たちはすぐに帰った。
「ナガシィ・・・。さっきから目が怖いよ。」
帰り際、萌からこういわれた。
「えっ。そう。」
「うん。ちゃんとご飯食べた。」
「そう言えば、今日は朝にちょっと食べただけで、後は何も食べてなかったなぁ・・・。」
「大丈夫。」
「大丈夫だよ。少しぐらいご飯食べなくても。」
「そうじゃなくて・・・。」
萌はそういうと僕に顔を近づけてきた。
「ナガシィさぁ。目が据わってるよ。ナガシィの目が据わるととっても怖いんだよ。」
「怖い。」
と聞き返した。
「うん。」
「そうかなぁ・・・。」
先生が言っていたのはただ眠いから据わっているように見えただけなのではないかと思った。
「そうだよ。最近据わってることが多いって。」
「・・・。」
5月15日。また内定者が出た。内定が出たのは近畿が行っている六甲摩耶ケーブルで、その人は暁だった。
「ナガシィ・・・。早く帰ろう。」
萌はそう僕に言うと、手をつかんで、すぐに僕を学校から引きずり出した。
(まずいよ・・・。)
アハハハ・・・。どうにかなっちゃいそうですねぇ・・・。




