188列車 オリエンテーション
前回の答えは名寄本線渚滑駅。
読みづらいですね。コツという字は「滑る」とも読みます。
北海道のとある駅です。
「白みそで糠漬けを作る場所は。」どこでしょう。
4月4日。笹子観光のオリエンテーションがある。僕の部屋のインターホンを誰かが押した。ドアを開けてみると予想通りの人がそこに立っている。
「どうかなぁ・・・。今日写真撮影あるって書いてあったしこっちのほうがいいかなぁって思ったんだけど。」
スーツ姿の萌がそう言う。スーツを着ているわりには化粧をしているようには見えない。しているのかもしれないけど・・・。
「似合わないね。」
「そう言うナガシィこそ似合ってない。・・・ていうかこれで化粧しちゃえばナガシィ女の子にしか見えないよ。」
「・・・それより早くいくか。お前は準備できたの。」
「準備できたからこうしてるんじゃない。」
「・・・分かった。じゃあちょっと待ってて。」
そう言って部屋の中に戻った。必要なものを持って外で待たせている萌と合流する。近くに流れている用水には東側にだけ桜が植えられている。その桜並木の道を歩いて、緑地公園の駅のほうへ向かう道を歩いて学校の方に行った。学校につき鉄道コースの教室に入ると予想外だった。僕たち以外スーツで来ている人は僕たち以外に一人しかいなかった。
チャイムが鳴ってオリエンテーションが始まる時間になった。ドアを開けて入って来たのは難波さん。鉄道科の担当であるからだ。
「はい。皆さんおはようございます。」
そう言った。それから今日渡される書類を僕たちに渡す。その中には学生証も入っている。学生証はカード。これを授業時に回される機械に通すことで、その授業に出席したことになるという。何ともハイテクな出席の取り方だ・・・。それから学校生活における心構えみたいなことを話された。
「さて。今日はですねぇ、ここでこの話が終わって英語のテストを受けたら終了なんですが、まだ時間あるなぁ・・・。」
しばらく考えて、
「・・・皆さん私と顔を合わせることは最初じゃないと思いますが、生徒同士で顔を合わせるというのは団体でオープンキャンパスに来たことがあるという人以外はないと思うんですよ。一人ずつ前に出て自己紹介してもらおうと思ってるんですが、どっちから始めたいですか。一番前からか一番最後から。えー・・・。」
そう言うと何かを探した。出席名簿らしい。それを見つけると、
「それじゃあ、暁君か留萌さんか。どっちが最初に始めたいですか。」
留萌は暁君らしい人と顔を合わせる。
「さぁ、早く決めてください。ジャンケンでいいですよ。」
そう言うとジャンケン結果留萌が負けて、暁のほうから始めるということになった。僕は出席番号的に真ん中から少し後ろ。どちらから始まろうが大して変わるものでもない。
「えっ。何話せばいいですか。」
暁君はその内容に手間取っているようだ。
「自己紹介なのに自分の名前言わないとかないよなぁ・・・。」
「それは言います。それ以外に何話したらいいか・・・。」
「そんなの自分で考えな。暁君の自己紹介がこの後の人にとって重要なんだからな。」
「・・・。」
暁君は前まで歩いていくと、
「えー。あ・・・暁稔哉です。」
自分の自己紹介を始めた。
「長崎県諫早から来ました。」
ぎこちない感じで進めていく。
(諫早かぁ・・・結構遠くから来てるなぁ・・・。)
と思っている間に暁は自己紹介を終わらせた。
「次・・・今治君。」
すると今度は2番の人が前に出た。名前は今治真太というそうだ。出身は愛媛の今治ではなく、和歌山県泉佐野市だそうだ。
3番目の女子は内山零。出身は兵庫県の曽根。そこから電車で通学しているそうだ。4番目はの男子は長万部新。この人の生れは北海道だそうだが、今はこちらのほうに引っ越してきているらしい。5番目は木ノ本なので飛ばすとして、6番目の男子は近畿真利。奈良県の王寺というところに住んでいるそうだ。7番目の男子を見て木ノ本はあれと思った。
「大阪府千里山高等学校から来ました草津謙吾です。」
(草津謙吾・・・。あの人どこかで見たような・・・。)
そう思ってどこで見たのかということを思い出そうとする。いったいどこで見たのだろうか。考えても今は思い出せそうにない。
「多分カメラとかに詳しい人がいたら一度は聞いたことがある名前だと思います。2年間よろしくお願いします。」
「・・・。」
8番目の男子は百済直登。苗字がすごいがそこはツッコまないことにしよう。9番目の男子は犀潟友久。出身は新潟ではなく大阪府だそうだ。10番目は萌。11番目は瀬野眞実。広島県呉出身で今はこの近くに一人暮らしをしているそうだ。12番目は高槻海斗。さっきの草津と同じく千里山高等学校出身で、鉄道フォトコンテストに入賞したことがあるそうだ。13番目は千葉祥人。出身は千葉ではなく京都府。阪急の東向日沿線だそうだ。そして、14番目は僕。15番目は羽犬塚りく。出身は福岡県。そっちの方から出て、今は吹田市にあるコーポに一人暮らし中。16番目は平百合孝史。内山と同じく曽根から電車通勤をしている。17番目は蓬莱美鈴。湖西線の近江舞子から電車通勤だそうだ。将来は新幹線パーサーになりたいらしい。18番目は水上能登。出身は大阪府で一度JR西日本のほうを受験したそうだが、残念な結果に終わってしまったため再度巻き返しを図るそうだ。19番目は栗東優希。滋賀県南草津から電車通勤をしている。そして、最後は留萌なので説明は飛ばそう。
それから英語のテストを受けた。訳が分からないので、勘に頼って14点。難波さんが言うにはこれは策略らしい。それは少しでもいい成績を取るための策略だそうだ。それがなぜ策略になるのかはこの後関係してくるそうだ。
テストが終わると荷物を持ってさっき集合していた部屋に戻る。そこで難波さんがあらためてさようならの挨拶を言い解散した。
「イタッ・・・。」
慣れない革靴を履いているので、歩く度に革靴にあたるところが痛む。
「大丈夫。」
「そこまでじゃないけど。ちょっと休もう。」
そう言って僕は歩みを止めた。
「本当に大丈夫。靴擦れとかなってないよねぇ。」
「それは大丈夫だと思う。」
するとさっき見たことのある顔がこちらのほうに歩いてきた。
「あれ。君はさっきの。」
萌がそう言うと、
「あっ。静岡の人たちかぁ。」
そう言った。その人は暁君だ。
しばらく休んだらまたコーポへの道のりを歩いた。
「暁君って長崎のほうから来てるんだよねぇ。」
「えっ。ああ。」
「どうして、福岡のほうにある専門学校とかに行かなかったのよ。」
「・・・まぁ、大して理由はないんだけど、俺九州に入る気はなくてさぁ。出来れば東海に入りたいって思ってる。だからこっちに来たってもんなんだけど。まぁ、そんな感じ。」
「ふぅん。」
「永島達はどうしてここに。」
「オープンキャンパスの時にさぁ、適性検査ってこんなことするんだなぁって思った以外は何も考えずにここに来たけど。」
僕がそう答えると、
「へぇ。考え方軽そうに見えるもんなぁ。」
と言った。
「そう言えば、暁も一人暮らしだよねぇ。どこに住んでるの。」
「ああ。コスモってところだよ。」
それを聞いて耳を疑った。僕と萌は声をそろえて「えっ」と言った。
「僕たちもコスモに住んでるんだけど・・・。」
「えっ。ああ。そうなんだ。てことは二人とも自炊とかしてるわけなんだ・・・。」
それはどうだろうか・・・。でもうなずいた。
「僕は料理には困ってないから。もともと家庭は得意で、料理とか裁縫は自慢できるんだけどね。」
「へぇ。ナガシィとは真逆ね。」
「なっ。比べるな。」
「まぁまぁ。さっきから見てたら君たち相当仲いいし料理で困った時には坂口だっけ。」
と確認してきて、萌がうなずく。
「あっ。ごめんまだ顔と名前が一致してなくて・・・。坂口さんに助けてもらえそうだろ。」
まだ覚えきれてないということを謝って続けた。
「・・・。」
そのことは半分本当だと思いつつコーポのほうへ歩いた。
「でも、明日もあるんだよねぇ。明日は私服でいいって言ってたし、何着てこうかなぁ・・・。」
「はぁ。明日何もなかったらどこか行こうかなぁって思ってたのに・・・。」
とつぶやいた。
「えっ。明日どこがに出かけるつもりだったの。」
「あっ。俺はね。」
「さっきの自己紹介でも鉄道研究部入ってたって言ってたけど、研修旅行みたいなのあったんだよねぇ。どこ行ったことある。」
「1年生の時は博多に行って2年生の時が青森で3年生の時が富山だった。」
「へぇ。僕のところからじゃあ博多以外は足を延ばしずらいねぇ・・・。」
「ちょっ。ナガシィどこ行くつもりだったのよ。」
萌が僕と暁の間に割って入ってくる。
「えっ。別に特別なところに行くつもりはないんだけど・・・。」
「絶対また列車の写真撮りに行くんでしょ。私も連れてってよ。」
「・・・分かった。連れてくから。」
「あ・・・本当に仲いいなぁ。おしどり夫婦って感じ。」
「おしどり夫婦かぁ・・・。」
お互い同じタイミングでつぶやいた。
「そう言われたことあったよねぇ・・・。」
僕が萌に確認すると萌をうなずいた。確かにそう言われたことがあったのだ。この話は小学生のころだったが・・・。
しばらく歩いてコーポに着いた。コーポの階段を上がっていく。
「あっ。暁ってこれの何号室に住んでるの。」
もうちょっとで聞き忘れるところだった。
「206号室だけど、学校行くときは一人で行くよ。お前らの邪魔はしたくないからさぁ。」
と言って2階で別れた。
「おしどり夫婦ねぇ。懐かしいっていえば懐かしいね。」
「あの時はナガシィ怪我したんだっけ・・・。」
「・・・。」
その話をしながら自分の部屋に入った。
自分の部屋に入るとため息をついた。さっきの旅のことだけど・・・。
(はぁ。せっかく作って来たのに。また作り直さなきゃいけなくなっちゃったなぁ・・・。)
明日は写真撮影で行けそうもない。6日は風呂の蛇口を一式変えてもらうために業者が来るから出かけられない。出かけられるのは7日かぁ・・・。
今回からの登場人物
暁稔哉 誕生日 1993年9月30日 血液型 A型 身長 173cm
平百合孝史 誕生日 1994年2月20日 血液型 O型 身長 162cm
近畿真利 誕生日 1993年9月16日 血液型 B型 身長 175cm
草津謙吾 誕生日 1993年7月1日 血液型 A型 身長 169cm
今治真太 誕生日 1994年2月11日 血液型 AB型 身長 157cm
高槻海斗 誕生日 1993年7月26日 血液型 O型 身長 161cm
蓬莱美鈴 誕生日 1993年7月20日 血液型 B型 身長 155cm
水上能登 誕生日 1993年10月30日 血液型 AB型 身長 167cm
千葉祥人 誕生日 1993年7月20日 血液型 AB型 身長 171cm
長万部新 誕生日 1993年11月3日 血液型 A型 身長 169cm
犀潟友久 誕生日 1993年5月13日 血液型 B型 身長 163cm
羽犬塚りく 誕生日 1994年4月1日 血液型 O型 身長 164cm
内山零 誕生日 1994年2月10日 血液型 A型 身長 157cm
百済直登 誕生日 1994年1月30日 血液型 B型 身長 158cm
栗東優希 誕生日 1994年3月16日 血液型 A型 身長 165cm
瀬野眞実 誕生日 1993年6月10日 血液型 B型 身長 159cm
暁稔哉
由来は「寝台特急あかつき号」。
平百合孝史
由来はシャークノーズの100系新幹線。
近畿真利
由来は近畿日本鉄道。
眼鏡をかけています。
草津謙吾
由来は東海道本線草津駅。
今治真太
由来は予讃線今治駅。
高槻海斗
由来は東海道本線高槻駅。
草津と並びカメラの天才。別名は「好天の高槻」。
蓬莱美鈴
由来は湖西線蓬莱駅。
コンタクトをしています。
蓬莱の文字は駅名と同じではありません。
水上能登
由来は上越線水上駅。
千葉祥人
由来は総武線千葉駅。
長万部新
由来は函館本線長万部駅。
眼鏡をかけています。
犀潟友久
由来は信越本線犀潟駅。
羽犬塚りく
由来は鹿児島本線羽犬塚駅。
内山零
由来は新幹線の団子鼻。0系新幹線。
曽根在住のお嬢様。
百済直登
由来は百済貨物駅。
眼鏡をかけています。
栗東優希
由来は東海道本線栗東駅。
瀬野眞実
由来は山陽本線瀬野駅。
コンタクトをしています。スーツ以外の格好の時は頭の帽子がトレードマーク。