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MAIN TRAFFIC2  作者: 浜北の「ひかり」
Sasago Vocational College Episode:1
36/108

220列車 進化

さてさて、年代が戻ってきました。

1.名前は?

 木ノ本榛名です。


2.男?女?それとも阿部さん?

 女です。


3.学生?社会人?

 学生です。


4.好きな番組は?

 番組かぁ。鉄道旅行ネタ。


5.今、何してる?

 深夜徘徊。


6.愛読書は?

 鉄道雑誌。


7.もし、自分の子供が同じ進路を志したらどうする?

 同じ進路。やめときなさい。


8.部屋に小説は?

 あるわけないじゃん。


9.最近の悩み事?

 全然ないよ。あるとしたら、御堂筋線の30000系が見たい。


10.怖い話は苦手?

 好きでもないし、嫌いでもない。


11.鉄道ネタなら。好きな車両は?

 好きな車両かぁ・・・。EF66電気機関車とEF65電気機関車。


12.皆さんにすすめたいもの(なんでもあり)

 深夜徘徊。


13.好きな歌・アーティスト?

 VVVFって歌に入るよね。


14.好きなスポーツ?

 ソフトボール。


15.生まれ変わるなら男性、女性どっちがいい?

 男性がいい。そのほうがいろいろと都合よかった。


16.嫌なことは?

 皆から女の子らしい趣味持ちなさいって言われること。


17.自分が嫁って言っちゃうぐらい好きなもの?

 海馬の青眼の白竜。いや、あれは嫁じゃないでしょ。


18.最近はまっているもの(何でもアリ)?

 地下鉄乗りつぶし。浜松無いから。名古屋は乗車経験なし。東京はややこしすぎ。


19.一番行ってみたい時代?

 時代。ソフトボールがサッカー抜いて1位になった時代。


20.これまでの悔いは?

 男に生まれたかったです。


21.一番行ってみたい場所は?

 空。


22.自分の手元にあったらいいなって思うもの?

 タイムマシン。


23.自分にもし裏があるとしたら、それはどんな性格?

 男の性格。


24.自分の理想の立ち位置はクラス何位?

 目立たないところ。


25.一番立ち会いたい現場はどこ。

 お母さんが働いているところ。

 7月17日。今日からクレペリン検査の補習授業がある。15日連続。土日関係なしに行われる。自分はここでどうしても早くなりたい。難波(なんば)さんはDランクにいる人は確実にAランクになると言っているけど、そう簡単になるものとは思えない。いったいどんなからくりが待っているのだろうか。自分を信じて15日間難波(なんば)さんにしごかれることだ。

「おはようございます。それでは始めたいと思います。」

難波(なんば)さんはそういうと全員にクレペリン検査の用紙を配った。と言っても本試験の用紙ではない。本試験のコピーだ。半分ぐらいはあるだろうか。

 クレペリン検査の補習を受けに来ている人は前列右端から順番に僕、(もえ)栗東(りっとう)高槻(たかつき)。2列目は平百合(ひらゆり)草津(くさつ)内山(うちやま)今治(いまばり)。3列目は瀬野(せの)蓬莱(ほうらい)百済(くだら)長万部(おしゃまんべ)留萌(るもい)。この人数で行う。いったいどんな秘策が待っているのだろうか。

「それでは、今から始めたいと思いますが、皆さんにはこれを計算して・・・していただきます。」

(えっ・・・。)

その言葉にあっけにとられた。たったそれだけで早くなるものなのだろうか。今僕の限界は1分間50が限界だ。たまに60近く行くことはあるが、60以上計算できた試は今まで一度もない。

「そして、皆さんには1人1列ずつ順番に行ってもらいます。今回はこっちで勝手に順番を決めさせていただきます。」

難波(なんば)さんはそうことわってから、今からやるからくりの順番を決めた。順番は1から難波(なんば)さん、僕、(もえ)栗東(りっとう)高槻(たかつき)平百合(ひらゆり)草津(くさつ)内山(うちやま)今治(いまばり)瀬野(せの)蓬莱(ほうらい)百済(くだら)長万部(おしゃまんべ)留萌(るもい)の順番。

「それでは超ゆっくりで始めます。」

難波(なんば)さんはそういうと、計算をスタートした。

 このクレペリン検査補修での鉄則としてはとにかく計算についていくことが大前提である。それをすれば確実に計算量が増えるらしい。ものは試しやってみるしかない。

「2、3、5、1、7、4、1、0、5、6、3、9、4、1、0、2、7、5、8、7、4・・・。」

クレペリン検査はどうすればいいのかは結構前にも言っている。隣り合う数字を計算し、もし答えが二桁となる場合は答えとなる数字の下一桁を書けばいい。今はとにかく鉛筆を動かすことだ。

「5、3、7、2、6、3、0、7.(とも)ちゃん次お願いします。」

と言われた。

「はい。えー、2、1、3、6、7、1・・・5、9、0、7、3、5、3、5・・・4、1・・・えー、9、7、8、2、1、6、8・・・えー、5、4。」

僕は難波(なんば)さんがそうしたとおりに。いや、そうしろというとおりにそれを行った。もうわかっているかもしれないが、これは全て答えを言っているのである。つまり、僕が担当する最初の隣り合う数字は7と5。これを計算すると12になる。そして、クレペリン検査の原則の通りに答えを7と5の間に書くと2となる。それを口で言いながら、鉛筆で書く。この動作の繰り返しなのだ。しかし、僕の言い方には波がある。これは僕が苦手とする9が絡む計算もしくは、息継ぎである。9が絡む計算を行うとそのあとのペースがどうしても狂ってしまう。

(クッ・・・。えーと9+3は・・・。)

「2、7、1、5、7、1、3・・・。」

時折躓いて、ペースを上がり、また躓いて、ペースが上がる。それの繰り返しである。

「5、3、1、9.」

これで僕の担当する列が終了した。今度の3列目の担当は(もえ)である。

「1、6、9、・・・2、3、8、5、2、6、・・・2、4、6、2、8、1、3、・・・。」

(もえ)は終始ゆっくりとしたペースで進めていく。やがて(もえ)の列が終了し、今度は計算の早い栗東(りっとう)にバトンが渡される。

「えー、6、9、4、7、5、1、2、3、7、5、8、3、5、0、1、5、0、8、4、・・・。」

さっきまでの僕や(もえ)とは打って変わって、とてもペースが速い。僕はすぐに追いつけなくなってしまった。こうなった場合、補修での鉄則は書いていることに専念すること。しかし、今の僕には栗東(りっとう)がどこを言っているのかまったくわからない。仕方ないから今の実力で栗東(りっとう)が終了するまで栗東(りっとう)の列を書き続けた。僕が3分の2ぐらいに行こうとしていたところで栗東(りっとう)は全て言い切った。

 栗東(りっとう)が終了すると高槻(たかつき)高槻(たかつき)も計算はそこそこ速い。だが、まだついていける。高槻(たかつき)が終了すると平百合(ひらゆり)平百合(ひらゆり)の計算にも十分ついていくことができる。平百合(ひらゆり)の次は草津(くさつ)草津(くさつ)の計算も結構速い。栗東(りっとう)程ではなかったものの途中からついていけなくなった。草津(くさつ)の次は内山(うちやま)。これまでのペースから一気にスローダウン。全部の計算をゆっくりやった。内山(うちやま)の次は今治(いまばり)今治(いまばり)内山(うちやま)クラスのスローペース。今治(いまばり)が終了すると瀬野(せの)瀬野(せの)内山(うちやま)今治(いまばり)より計算は速い。今までのスローペースで気が抜け気味だがまだ気を引き締めよう。瀬野(せの)が終了すると蓬莱(ほうらい)蓬莱(ほうらい)もそこそこのスピード。蓬莱(ほうらい)が終了すると百済(くだら)百済(くだら)のペースが一番ついていきやすいかなぁ・・・。百済(くだら)が終了すると長万部(おしゃまんべ)長万部(おしゃまんべ)もそこそこペースが速い。長万部(おしゃまんべ)の列が始まってちょっとしたところで、計算した数字を間違え、それで僕は躓いた。そしてそのまま長万部(おしゃまんべ)の列が終了した。長万部(おしゃまんべ)の次は留萌(るもい)。さすがJR東海の運転士の娘である。計算スピードも結構速い。長万部(おしゃまんべ)よりもペースは速めか・・・。

 これで一回り。しかし、まだ3列残っている。その2列のうち1列を難波(なんば)さんが担当した。

「5、3、8、1、7、1、8、2、4、7、5、0、1、3、2、7、6、9、3、7、5、8、7、9、0、3、

5、7、2。」

(えっ。何これ。いじめ・・・。)

難波(なんば)さんは今の僕の取ってはメチャクチャのペースで計算を進めていく。栗東(りっとう)と同じようにすぐにどこを言っているのか見失った。そして、列の半分ぐらいで難波(なんば)さんは右端まで行った。

「はい。お疲れ様でした。今日はさわりだけですので、これで終了いたします。あっ、あと。言う順番決めておいてくださいね。」

難波(なんば)さんはそう言って、僕たちにこの先この部屋を使うかということを聞いて、出て行った。ということで第1日目クレペリン検査の講習は終了した。

「はぁ。栗東(りっとう)。お前ないだろ。あの速さ。」

終わると高槻(たかつき)がそう言った。

「いやいや。最後の難波(なんば)さんのほうがいじめだぞ。俺ついていけたけど。」

(どんだけだ。)

「はぁ。ていうかさぁ、(とも)ちゃんと(ゆう)君と海斗(かいと)君いじめ。全然ついていけなかった。」

蓬莱(ほうらい)

「だよなぁ。全然ついていけなかった。なんか恐ろしいペースで計算してるなぁだった。」

瀬野(せの)蓬莱(ほうらい)の意見に賛成した。

(・・・そんなに恐ろしいものか・・・。)

(もえ)除外するってことは(もえ)には付いていけたんだ。」

「えっ。だって(もえ)ちゃん結構詰まってたもんね。」

(・・・クッ。)

「でも、(とも)ちゃんは波があるからさぁ、(ゆう)君みたいにサカサカ行かないんだよねぇ・・・。」

「しょうがないだろ。俺9が絡む計算苦手なんだから。」

「えっ。9が絡む計算が苦手。」

「まさか。9なんてたす数字を一つ少ない数字にすればいいだけじゃん。」

草津(くさつ)がすかさず理屈を言った。

「いや、頭では分かってるんだって。でも、時折どうすればいいか忘れちゃうってことがあって・・・。」

「へぇ。意外だなぁ・・・。」

「オープンキャンパスに来た時に俺は9の計算が苦手だねって難波(なんば)さんに言われたもん。」

ストーリー中では言われていないが、言われたのは事実だ。僕は9が絡む計算が苦手。確かに計算してみれば9の苦手さがよく分かる。よく躓いているのはすべて9のせいだと言ってもいいくらいだ。

「まぁ、先に順番決めちゃうかぁ・・・。」

というわけで、あみだくじで順番が決められた。今度は1番から順番に高槻(たかつき)今治(いまばり)長万部(おしゃまんべ)草津(くさつ)、僕、蓬莱(ほうらい)(もえ)平百合(ひらゆり)栗東(りっとう)瀬野(せの)留萌(るもい)百済(くだら)内山(うちやま)となった。

 しばらくたつと近畿(きんき)が加わった。近畿(きんき)が加わるのと入れ替わりにほとんどの人は家路についた。今実習室に残っているのは高槻(たかつき)草津(くさつ)近畿(きんき)、僕、(もえ)平百合(ひらゆり)瀬野(せの)内山(うちやま)になってしまった。

「・・・。」

僕はシャープペンを持って、やら無かったクレペリン検査後半戦と前半戦の残り2列を練習でやった。もちろん声に出してである。これだけでクレペリン検査の作業量が増加するのであれば僕は惜しまないつもりでいる。百マス計算も応用するが、自分で問題を作って実践するのもいいかもしれない。

 昼ごろになると、瀬野(せの)内山(うちやま)も家路につき、昼以降もしばらく残っていた平百合(ひらゆり)も家路についた。残ったのは高槻(たかつき)草津(くさつ)近畿(きんき)、僕、(もえ)だけになった。

「さて、勉強するかぁ・・・。」

草津(くさつ)が全員を促して、勉強を進めた。

 翌日。昨日発表された順番プラス難波(なんば)さんでクレペリン検査補習授業。相変わらず栗東(りっとう)難波(なんば)さんのところはついていけない。昨日ついていくことができなかった草津(くさつ)長万部(おしゃまんべ)留萌(るもい)には付いていけるようになっている。

「・・・。」

自分の順番が回ってくると自分でも速くなっているのではないかというのが実感なくわいてきた。

 クレペリン検査が終了すると僕は(もえ)に一つ頼み事をした。

「なぁ、(もえ)。ちょっと1分計ってくれない。」

「いいよ。」

(もえ)は時計を用意して、

「よーい。スタート。」

と言った。その瞬間に僕はシャープペンではなくクレペリン検査の時に使っている鉛筆を持って進めた。今やっている場所はクレペリン検査の練習を兼ねて行われる問題を正規の方向で見た場合逆さまになる数字の集まりである。

(えっ。ちょっと長すぎるんじゃない・・・。もう1分たったでしょ。)

もう2列目の後半に来ている。そしてすぐに3列目に移った。(補修で使う用紙に書いてある計算量は1列24計算である。)

「・・・。」

「やめっ。」

(もえ)のその声で鉛筆を置いた。

「えーと、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、・・・。」

僕はこの1分間で計算した量を数えてみた。

「59、60、61、62、63、64、65、66・・・。」

(ウソだろ・・・。)

自分の中で計算した量がおかしいのではないかと思った。しかし、(もえ)がちゃんと一分計ってくれたのだ。今更、1分以上計っていましたなんてことはないだろう。

「・・・。」

(もえ)が覗き込んだ。

(ウソっ。たった2日でここまで上がったの・・・。)

前まで50数個が限界だったのだ。10個ぐらい計算できる量が増えているのだ。間違っていない。難波(なんば)さんについていけば、1分間100個も夢ではないだろう。


時には騙されてみてはいかがでしょう。


クレペリン検査は作中でも述べていますように、一桁の簡単な足し算です。3から9までの数字の足し算で、答えが簡単な1、2、0が絡む計算は一切ありません。


作品もそれにできるだけ即させていますが、不勉強で2が絡む計算が含まれていると思われますので、ご了承ください。ご指摘を頂ければ、随時訂正いたします。

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