表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAIN TRAFFIC2  作者: 浜北の「ひかり」
Sasago Vocational College Episode:1
22/108

206列車 He is a girl.

南阿蘇水(みなみあそみず)()まれる里白水高原(さとはくすいこうげん)。車掌・・・。いや、コンピューターだね。でも、大変。

「な・・・永島(ながしま)君・・・。」

「えっ。な・・・何。」

「カワイイー。」

内山(うちやま)蓬莱(ほうらい)の声が揃う。

「お前なんだよ。本当はやっぱり女なのか。」

近畿(きんき)たちは逆にそう言う。

「ねえねえ。ナガシィ君って本当は女の子でも通用しない。だって声だって女の子だし、顔つきだって女の子じゃん。」

「通用するよ。見てみる。」

蓬莱(ほうらい)(もえ)が答えた。まさか・・・。

「あっ。バカ。やめろ。」

「少しぐらい見せてあげてもいいじゃん。前女装したときは蓬莱(ほうらい)さん見てないんだって。」

「そうじゃないだろ。とにかくやるな。」

「ちょっと待っててね。」

(もえ)はそんなことお構いなし。いつもの手つきで、僕は女の子の髪型にされてしまった。

「やっぱり似合う。かわいすぎ。」

「袖の中に手隠してるのだって女の子だしねぇ・・・。」

「なぁ。これかぶってみたら似合うんじゃないか。その色あせた帽子より。」

蓬莱(ほうらい)内山(うちやま)瀬野(せの)の順に口々に言う。

「・・・ちょっとかぶせてみよう。」

本当に僕は女の子のいいおもちゃにされてしまっている。(もえ)が今かぶっている帽子を取って、瀬野(せの)の帽子をかぶせた。

「メチャクチャ似合うじゃん。ちょっと写メらせて。」

「おい。」

「ここまで女の子って思える男子もいないだろうなぁ・・・。」

「いたらすごいって。」

「いたらすごいってねぇ・・・。現にここにいるじゃねぇか。」

「確かに。」

「ナガシィ君。ちょっとかわいいポーズ取ってみてよ。あっ。それか女の子の声出して。」

蓬莱(ほうらい)はそれに期待するように言う。いや、そこまで期待するものでもないだろうと思った。すると今度は瀬野(せの)が、

「それでさぁ、「お帰りなさいませ。ご主人様」って言ってみろよ。」

「なんでだよ。」

「・・・カワイイなぁ・・・。ここまで女の子って思えてある意味すごい・・・すごすぎる・・・。下手したらあたしより女の子よりだろ。」

「いや、それない。」

「とにかくしゃべってよ。「お帰りなさいませ。ご主人様」って。」

「・・・ふぅ・・・「お帰りなさいませ。ご主人様」。」

「やっぱカワイイ。100パーセント女の子だ・・・。」

「えっ。そこまで・・・。」

(もえ)に聞いてみた。内心これは聞かないほうがいいとは思っていたけど。

「だってナガシィって男の子らしいところ少ないもん。知らない人が見たら、一見女の子に見えるかもね。男の子の服着た女の子って。」

(やっぱ聞かない方がよかった・・・。)

 翌日。クラスには僕は女の子っぽい男の子で完全に定着してしまった。しかし、これが最初ではない。と言うのは男性の声はふつうに出せるのだけれど、普段ふつうに話すときは声変わりした後の声をほとんど出さなかったというのがあったから、中学でもよく女の子っていう目で見られていたというのは磯部(いそべ)から聞いていたことだった。そんなに僕はそう見えるのだろうか。ふつうなら男の子として見られたいところだけど・・・。それもあって、僕の扱いは(もえ)の彼氏ではなく、瀬野(せの)の彼女という位置づけになってしまった。

 放課後。放課後は同じくダンスの練習。今日はこれまで来ていなかった面々も全員揃い初めての1年生全体練習となった。

「そうか。お前はやっぱり女だったのかぁ・・・。最初見たときから女の子っぽいなとは思ってたけど・・・。」

百済(くだら)がそうつぶやく。

「バカ、それ言うな。永島(ながしま)がかわいそうだろ。」

近畿(きんき)が仲裁に入った。

「いや・・・。昔からそういう扱いだったときがよくあったから慣れては・・・。」

「それでも嫌だろ。下手したらお前の坂口(さかぐち)さん逃げてくぞ。」

「それぐらいじゃ逃げないよ。ねぇ。」

「あっ。うん。」

「つくづく女の子同士が仲良く話してるようにしか見えねぇなぁ・・・。」

瀬野(せの)が言う。

 それもあったけど、結婚式参加組は練習。練習。3回ぐらい全体で踊ってから、御堂筋(みどうすじ)を北に少し行くとあるサウンドファンに押し掛けることになった。サウンドファンではなぜか水上(みなかみ)とも会った。ここで、レーシングゲームをやりこんでいるそうである。

 カラオケに来たわけではないので、普段の声と全く違う声で歌う羽目にはならなかった。ミクの声で歌ってしまったら余計女の子説が定着してしまう・・・。そこでは「太鼓」でバトルしたり、水上(みなかみ)がやっていたレーシングゲームを見たりして、結構な時間をつぶした。

(もえ)ちゃんスゴ。太鼓ほとんどパーフェクトじゃん。」

「そりゃパーフェクトだよ。オニレベだってコンボ100ぐらい行くことがあるよ。」

(やりこんでるなぁ・・・。)

「でも、PFPだけどねぇ・・・。」

(もえ)がやっているところとか、結構いろいろ見ていたら、だんだん眠くなってきた。それはそうだ。もうすぐ9時をまわろうとしている。みんなには今は序の口だろうが、僕にはとっては寝る準備を進める時間だ。

 9時を回ってしばらくたってからサウンズファンを後にした。

 その帰り道、

「はぁ。結構遊んじゃった。・・・どうしよう。」

「どうしようじゃないって。」

「こういう時ナガシィいいよねぇ・・・。やることほとんどないんだからさぁ・・・。」

「・・・。」

ふと後ろを向いた。後ろを歩いていた人たちがなかなか来ないことを確認すると同時に・・・。

「30000。」

と叫んだ。その声で僕の近くを歩いていた人たちの目が一斉に御堂筋線(みどうすじせん)のほうを向いた。

「ホントだ・・・。」

「ヤベぇ。メチャクチャテンションあがる。」

「まぁ、今日こっちに来るとき乗ったけどなぁ・・・。」

「・・・あれってさぁ、御堂筋(みどうすじ)に一本だけなのか。」

水上(みなかみ)が聞いてきた。僕はそれにこたえれなかったが、それには高槻(たかつき)が答えた。

 緑地公園(りょくちこうえん)まで歩いて、御堂筋線(みどうすじせん)で帰る人たちを見送った。瀬野(せの)も同行してみんなを送り届けた。それから僕たちはどうするか迷っていた晩ご飯のことを考え始めた。

「どうする。今日はあたしがおごるけど・・・。」

瀬野(せの)がそう言う。

「えっ。でもおごってもらうってなんか悪いなぁ。」

「いいよ。今日はあたしのせいで長く引き止めちゃったんだし。本当にごめんな。だから、今日は二人分おごるわ。」

「えっ。私までいいの。」

「だからいいって、いいって。今日はあたしが悪いんだし。」

その結果僕たちは笹子観光(ささごかんこう)の裏にあるカレーイチバンで食べることにした。さすがにおごってもらうという経験も初めてだし、瀬野(せの)の財布の中を緊迫させてもなぁと思ったため、ここで一番安いポークカレーを頼んだ。(もえ)はカツカレー。少しは豪勢に行きたいと思っていたのだろう。

 カレーと食べるとお腹もいっぱいになって、とてもすぐには動ける状態ではなかった。

「へぇ。結構なことしてたんだなぁ・・・。あたしの学校にはそんなの無かったから・・・。うらやましいなぁ・・・。その代わりにマン研みたいなのがあったけどなぁ。」

「やってたの。」

「いや、やってない。それよりもあたしは絵描いてた。って言っても美術やってたわけじゃないけどな。」

とことわってから、

「あたしちょっと話作ったりするのに凝ってて、今30人ぐらいの設定作ったんだけど・・・人間じゃないってなるパターンが多いんだよねぇ・・・。」

「・・・それだったらナガシィもそう言うことしてたよねぇ。」

(もえ)がつぶやいた。

永島(ながしま)もなんか話の設定作ってたりしたの。」

「えっ、まぁ。でも、世界観がフォースウォーズに似ていすぎるんだよなぁ。将軍級(ジェネラルクラス)の人はライトセイバー振り回すし、フォースみたいな力使えるし・・・。一つだけ違うとすれば、あっちはフォースは最初から宿ってるものだけど、こっちは半分の命と引き換えにえることができるってなってることぐらいかなぁ・・・。」

「SFかぁ。ていうかそこまでできてるならなんか作ったんじゃない。」

「えっ。うん。」

それで自分が中学生の時に考えたストーリーのことを話し始めた。

「舞台が西暦2500年。その時人間は200歳まで普通に生きれるようになってて、老化するスピードも遅くなってる。つまり、100歳になっても若者と同じぐらいの身体能力が残ってるってことな。話が前後するけど、そのちょっと前に水星(すいせい)が消滅しちゃって、人間は計り知れないほどの技術力を手に入れる。その技術を(かて)に今大国って呼べる国々は宇宙に進出する。日本はそれにちょっと出遅れて、侵略戦争って形を取りながら、領土を広げて、銀河を統一。平和が訪れる。あっ。先に宇宙に進出していった大国は滅んでないよ。そいつらは日本の見方だから・・・。で、平和になった後に水星(すいせい)の消滅した理由を知りたいわけじゃない。研究者がそれを研究して、そのすべてが分かると、その時代が終わり、時間がまき戻って現代になる。それでもその末裔(まつえい)が作った船とかは現代に残る。それを調べたいわけだけど、現代では未来に末裔(まつえい)が持っていた技術力を知ることができないっていう風に終わるんだけどねぇ。」

「すごいなぁ。あたしも結構設定に凝ってる方だとは思ってたけど、そこまで設定に凝ってるなんて思ってなかったわ・・・。」

瀬野(せの)はこれに感心した。確かに。これは設定に凝りに凝って作った物語である。しかし、これを書くには世界観が似ていすぎるということと自分にその執筆力がないということで物語は実体化できないと断った。

 そのあと500系の在り方がどうかという話で盛り上がり、結局店を出たのは23時を過ぎてからだった。それから寝る支度をして、お風呂に入る。布団に入った時間は0時06分だった。

(明日学校なのに・・・。初めてだなぁ・・・。次の日になってから寝るの・・・。)

すぐに寝付いた。起きると4時32分。ちょっと布団の中でゆっくりして、6時30分ごろ。ごはんを食べて、学校に行った。昨日集まった人は死にかけていた。


永島智暉という人物がようやく完全に固まりました。

まず、女の子よりの顔と声。その度合いとしてはすっぴんでも通用するほどの女子。つまりもう名前以外はただの女子という感じになりました。

最初はここまでにするつもり・・・あったか・・・。

ですから、この先も女子で通していくところが多々あると思われます。その例としては、教室の机に座るときに内またになるとか。のどぼとけがどこにあるのかわからないとか。手のひらを口の前で合わせて、いかにも可愛く見せているというような仕草とか。

なお、主人公のほかの点ですが、声は女子寄りとしています。つまり、アニメになったら(なるわけないけど)声優は女性の方にやっていただくと言うのが第一でしょうね。しかし、それだけで終わりません。永島は結構特殊です。普段の声は女子でも真剣になったら男子。さらに、歌うときはさらに声色が違い、曲によっても異なります。もちろんですが、駅のアナウンスや車掌のアナウンスをするときは特有のしゃべり方になったりといろいろ。なんですかこのハードル。

もし、主人公を演じるようになった声優さんがいたら、謝ります。主人公はとても声優にやさしくないと・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ