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MAIN TRAFFIC2  作者: 浜北の「ひかり」
Sasago Vocational College Episode:1
20/108

204列車 ゴールデンウィーク後半

原作が結構たまってしまったため、10月は試験的に週2投稿(月・木投稿)といたします。勝手ながら、申し訳ございません。


除雪車は冬季しか使わない。だから、国鉄は考えた。機関車を通年で使って、冬季は除雪車として使おう。しかし、使い勝手は悪かった。DD53。

「ナガシィ。今日は買い物行こう。」

玄関まで出ていくと(もえ)が外でそうせかしていた。冷蔵庫の中も空っぽになってしまったことだし、行くとしよう。もう父さんから贈られてきたカップラーメン類もほとんど食べてしまったから、自炊本番の始まりだろう。

「分かったよ。」

エコバッグを持って外に出た。買い物のついでにとペットボトルも持った。

 笹子観光(ささごかんこう)に行くように歩いていく。笹子観光(ささごかんこう)を無視して、直線に歩いて行くと、緑地公園(りょくちこうえん)の駅ビルに入る。その駅ビルを通り越していくと、緑地公園(りょくちこうえん)の反対側に出る。僕はこっちにほとんど来たことがない。ここを千里中央(せんりちゅうおう)方面に歩いていくと鉄道模型を扱っている電気屋京神電気がある。(どうでもいいことだが、店の看板表記は「Kei-Shin」である。)その京神には一度鉄道模型を見に行った。ゴールデンウィーク中だし、クラスの犀潟(さいがた)が知っている江坂(えさか)KATO(カトー)の専門店にも行ってみようかとは思っていたが、そこまで行く気力は起きなかった。

 店に入って、買い出しをする。(もえ)が僕のかごの中を覗いて、

「何。ナガシィって炭酸飲めるようになったの。驚いた。前なんか炭酸飲めないって言ってたのに。」

「いや、このごろ炭酸にはまってるだけ。」

かごの中に入っているのはオレンジソーダ。確かに。僕はこれまで炭酸が飲めなかったというか、炭酸を飲まなかった。まぁ、これが完全に飲めないわけではないという証明になったのだろうか・・・。

「グレープ系はダメなの。」

「いや、オレンジ系が好きなだけ・・・。」

「ふぅん。」

しばらく買い物をして、店から出た。店の地下1階出口を出て左に行くとすぐに地下道になっていて、緑地公園(りょくちこうえん)の下を通っていくことができる。しかし、今日は上から出たから、地下道のほうへ行かないといけない。店から出ると目の前にある大きなとおりは御堂筋。新御堂筋と合わせて、片側4車線の大通りだ。浜松のほうはいくらあっても片側3車線の新東名が最大だ。

 ここの歩道を少し北に歩いていくだけで地下道のほうへ入れる。その間にチャリが何台か通り過ぎて行ったけど、1台だけ止まった。

「よーす。永島(ながしま)坂口(さかぐち)じゃねぇか。」

と言って自転車を止めたのは高槻(たかつき)だった。

高槻(たかつき)。何してんの。」

「何してんのって・・・。新しく御堂筋(みどうすじ)に入った30000系を撮るためだよ。」

「・・・あれってまだ1本なんだよなぁ。」

「ああ。そうだよ。お前らじゃ、見たことも乗ったこともないだろ。」

「えっ。うん。」

「それ昨日草津(くさつ)が撮影で仕留めたって聞いたから、こうもし手られないから、江坂(えさか)のほうまで行って、走ってるところを撮ろうと思ってな。」

まぁ、僕はこっちのことはよく知らないから向こうでも撮れるのにと思った。だが、近いところで、すぐに新御堂筋が御堂筋線(みどうすじせん)を隠すように並行するため、撮れないから、向こうのほうまで行くのだろう。

「へぇ。頑張って。」

「ああ。」

そう言ってから高槻(たかつき)江坂(えさか)のほうにチャリを飛ばしていった。名神を越えるために御堂筋線(みどうすじせん)は結構高い位置を走って行く。そして、名神までは片勾配の下り坂。放っておいてもチャリのスピードがぐんぐん上がっていくだろう。

 その夜。高槻(たかつき)からメールが来た。内容は少し見当がついていたけど・・・。仕留められたらしい。まぁ、1日ずっと同じ場所で待っていれば、放っておいても向こうからやって来るかぁ・・・。

 大阪(おおさか)駅・・・。

「やっぱり草津(くさつ)いるじゃねぇか。」

時間は20時を回っている。草津(くさつ)は一人ベンチに腰掛けていた。

「ああ。今日はちょっとポイント変えようと思ったんだけどなぁ・・・さすがにこんな時間になったら外のポイントなんてどうでもいいさ・・・。」

草津(くさつ)がそう話している間に高槻(たかつき)は隣に腰掛けた。

「車で来たのか。」

「えっ。ああ。あれのると別な意味で目が覚めるなぁ・・・。」

「・・・今日も徹夜するつもり。」

「ふつうにする。」

「・・・。」

「一昨日から撮影に出て、車飛ばして、東京(とうきょう)まで行って、16時20分上野(うえの)の「カシオペア」とって、19時03分の「北斗星(ほくとせい)」も撮って、そのあとまた高速飛ばして、昨日の5時ちょっと過ぎに戻ってきた。」

「高速何キロで飛ばしてきたんだよ。」

「140km/h(キロ)。」

「早。」

「でも、223系(あいつら)には勝てないな。車情けないな。」

「何を持って勝てないって言ってるんだよ。速度じゃ十分すぎるぐらいに勝ってるじゃねぇか。・・・てことは新東名とか通って来たのか。」

「ああ。走りやすかった。確か150km/h(キロ)くらいだしたかな。」

(どんだけだ・・・。)

「よくそれで、警察に捕まらなかったな。」

「周りがふつうに出してるからなぁ。」

「そういう問題かよ。天才。」

大阪(おおさか)駅の天井の屋根を見つめた。確か最大の高さは66メートルだったか。下から見上げるとそれ以上のところにあるように感じる。元の屋根はだんだんガラス張りになってきたから、ステーションシティーのほうからでも入線してくる列車など眺めることができるようになった。

「ふぅ・・・。にしても東京(とうきょう)って本当に面白くなくなったな。」

草津(くさつ)がつぶやいた。それは自分も感じていることだ。結局合理化を計るとなったら、いろんな系列が右往左往するより、同一の系列が右往左往する方が部品を同じものにできる比率が高まるから、合理化が図られるという結論だろう。

「あれじゃあ国鉄とほぼ同じだな・・・。」

「いや。そうだけど。」

「まぁ、時期に大阪(おおさか)もそうなるって見え見えだけどなぁ・・・。もしかしたら、「やくも」にも進出するかもなぁ。287系。」

「進出するとして、ラインカラーどうなるんだよ。」

「・・・今の「ゆったりやくも」の色になるって踏んでたほうがいいだろうな。今更「スーパーやくも」のパープル使うとは思えないし・・・。」

「・・・。」

「それか287の番台で行くかもしれないな。287は重心落としてあるだけだから、空気ばねの傾斜機構つけるかもな。」

「287で車体傾斜機構ねぇ・・・。」

ホームに客が増えた。もうすぐ20時15分発の新快速がやってくるからだ。入選のアナウンスが流れて、後ろを見てみれば、287系の設計思想とほとんど同じように作られた225系がいた。

「お前、225には見向きもしないんだな。」

「俺はどちらかと言ったら223派。」

「それは知ってるけどさぁ・・・。」

「そう言うお前だって223派じゃねぇか。それももっとストライクゾーンが狭いじゃねぇかよ。」

「気にするなよな。そこ。」

「別に気にしちゃいねぇよ。」

結局その日は草津(くさつ)と徹夜になった。僕たちにとっては別に珍しいことじゃない。草津(くさつ)のほうは徹夜慣れしてて、年に150回ぐらい。優に半分は徹夜するぐらいである。もちろんその目的は勉強やテレビではないのが9割。そうしているときは大体夜に往来する寝台特急と貨物列車を撮っているのだ。夜に撮られた写真は草津(くさつ)が取った写真の中でも半分ぐらいを占める。僕のほうはというと3割ぐらいだ。

 翌日。5月6日。早い話でゴールデンウィークも最終日になった。

「途中から立ち話になったな。」

「ああ・・・。」

「じゃ、帰るか草津(くさつ)。」

「あと、今日だけかぁ・・・。俺は「彗星(すいせい)」が来るまでいるけど。」

「そう。じゃな。」

それで別れた。明日学校で会うことだし。

(・・・もう東京(とうきょう)にはE233しか走らなくなるんだろうなぁ。埼京線(さいきょうせん)横浜線(よこはません)のほうもE233に置き換わる話が出てるし、実際にCGもできてる。時間の問題だよなぁ・・・。もう日本で行ったことがない県は沖縄だけだから、車両全部撮ったと言えば撮ったのか・・・。)

一人でそんなことを考えた。北海道の方には18切符のシーズンに何十日もかけて行ったことがある。確か20日ぐらいは家にいなかったと思う。それを中学生の時。中3の夏にやった。九州にも10日ぐらいかけて行ったことがある。もう撮っていない車両のほうが少ないのではないか。自分が撮ったことのない車両となると東北で動いている気は40形の改造である「みのり」、「くまげら」、「(ぶな)」ぐらいか・・・。後は中1になる前に廃車になった車両たちかぁ・・・。

「ふぅ・・・今年も行けるかなぁ・・・。」

空を見て独り言を言った。空はもう青く染まり始めていた。

 一方・・・、

「ねぇ、これなんだと思う。」

「えっ。だってこれ分かりやすすぎるだろ。だってこれ以外は全部お客さん視点じゃん。お客さん視点じゃないやつなんて、これだけじゃん。それに先生言ってたじゃん。ホテルマンにそう言うエリート心とかプライドはいらないって。」

この会話だけで受けたりしたことがある人はどんなことをしているか見当がついただろう。今僕たちがやっているのは「サービス接遇検定」の問題集である。

「あっ。そうか。」

「そうかって。これぐらい忘れないようにしようよ。」

「・・・これはどうなるんだったっけ。」

「・・・。」

「ねぇ。」

頬に(もえ)のシャープペンが・・・チクッとする。

「イタッ。」

「ねぇ、これ。」

「だから、これはこれじゃないの。」

「・・・ありがとう。」

「・・・そうやって全部の問題俺に聞く気。」

「よく分かってるねぇ。」

「分かってるねぇじゃないだろ。少しは自分で勉強して。」

「はいはい。ナガシィ先生。」

(こういう時だけ先生なんだ・・・。)

「もう。いつもはでっかい子供だの・・・さんざん俺のこといじくって来るのに・・・。これもいじってる内。」

そう(もえ)に聞いてみた。

「それはナガシィが判断してよ。」

「キャッ。」


この中の設定としては「寝台特急」はあと「さくら」「あさかぜ」「彗星(すいせい)」「富士(ふじ)」を残して他の九州特急は消えたという設定にしてあります。ここ大事です。

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