186列車 大阪行き
この頃鉄道が出てくる小説でタグの中に「運転手」と書いている人がいますが、正しくは「運転士」です。一文字違うだけじゃないかと言っても、この一文字は大事です。
それにプラスして、今回からこの前書きを利用してちょっとした駅名もじりの問題を出したいと思います。なお、出題範囲は駅名ですので、廃駅まで含まれます。よく考えてみてください。なお、これは自分が駅名を見て、ただただ感じ取ったことを書いていますので、そこだけご了承ください。もちろん、残酷な問題文まで出ますが、そう感じ取っただけという範囲で納めてくれれば幸いです。それでは早速行きたいと思います。
北海道のとある駅です。
「浜で鈍感なやつをフル。」どこでしょうか。
4月2日。遠州鉄道の芝本駅まで今日は父さんが送ってくれた。いつもなら和田山さんだけど・・・。まぁ、そこは関係ないか。向こうで必要だと思われるのを旅行用の大きなバックの中に入れて、旅立つ。父さんと僕は行ってきます。行ってらっしゃいぐらいしか口にしなかった。ホームに上がると既に萌が待っていた。
「7時19分の普通って何両だと思う。」
落ち合うなりそう言う話になった。
「そうだな。多分311系じゃないのか。」
「・・・。」
「それで、4両なら4号車の2枚目のドアのところにいれば間違いないよ。」
そう付け加えた。
浜松駅。ここにつくといつもの空気が流れている。これから、もしかしたらこの先ずっと見れなくなるかもしれない光景をこの目に焼き付けながら、歩いてホームに上がる。4番線から発車する列車は4両と表記されており、それが311系か313系の基本番台か1100番台以外ありえないということになった。
数分経って現れた車両は311系。ここまでは予想の範囲内である。
(行ってきます・・・。)
心の中でつぶやいた。311系はスピードを上げて、浜松のホームを後にする。そして、刻一刻と浜松から離れていく。この景色もいつまで見れるかわからない光景だ。
高塚でレール運搬用の事業車キヤ97形が止まっているのを見てからはそれと言って珍しい光景は見ることはなかった。豊橋から乗る特別快速は313系基本番台と300番台の6両。しかし、普段見慣れている速度での運行ではなく特別快速なのに止まりそうな速度で走る場面もあった。終点大垣について乗り換え。乗り換える相手は313系5000番台6両。大垣に来ていた117系の「そよ風トレイン」の姿も見ることができた。そして、定刻10時18分に米原に来た。
「さて、ここにきてもまだ時間があるなぁ・・・。」
「ナガシィ。10時30分の長浜行きが1000番台(223系)だったら乗ってく。」
「ああ。乗ってく。」
そう言ったけど、それは期待しすぎたかもしれない。こういう結果になった。
「・・・。」
10時30分の新快速は225系での運転だった。ホームに入ってくる段階で223系のライトとはひかり方が違うということが分かった。225系が採用しているヘッドライト(HIDランプ)は223系よりも鋭く光っている。その違いだけでも分かってしまうのだ。まぁ、本当の目的はこれではないからまずは一安心というところだろう。
「はぁ、これかよ・・・。まぁ、これに乗ってくよりは2000番台(223系)のほうがまだましだけどねぇ・・・。」
「後ろ4両がなんなのか。これ行ったら見ておこう。」
それも見たくない結果に終わった。後ろは225系の4両編成。12両すべて225系だった。
11時03分発の新快速は2000番台(223系)での運転。これの先頭に行って発車を待つ。ここからは臨地研修でいったことと途中までは同じ。田村でさっき長浜に行った折り返しの225系がやってきて、河毛で一本前の近江塩津行きがやってきた。それが1000(223系)だったということに腹が立ったけど・・・。近江塩津に到着すると今度は播州赤穂行きに乗り換え。その播州赤穂行きも2000番台(223系)。今日は1000番台には会うだけで乗れないのではないかとうすうす思い始めた。
「ナガシィ。近江今津で前が1000番台(223系)だと思う。」
「ちょっとは期待してるけどさぁ・・・。琵琶湖線のほうで走ってたら関係ないよなぁ・・・。」
「そ・・・それはそうだけど・・・。」
なんだかんだすぐ近江今津についたと思う。前の車両は連結する前にすぐ分かった。1000番台だった。二人で勇んで前の1000番台の先頭まで歩いていった。
しばらく止まって発車。近江塩津から走っているこの線路は湖西線と呼ばれる路線。線名由来はおそらくそのままで琵琶湖の西を走っているからだ。この路線には踏切は一つもない。全線高架で線形はとても恵まれている。北陸に行く「特急サンダーバード」はここで130km/h運転を日常的に行っている。もちろん全列車で130km/h運転を行っている新快速も例外ではない。
途中ここで動いている緑色の地域色をまとった113系や「サンダーバード」とすれ違い、堅田~おごと温泉の間では「トワイライトエクスプレス」とトンネルの中ですれ違った。山科に入線して、ここからはいつもと同じ大阪まで目指す。大阪についたら乗り換え。その前に播州赤穂行きを見送った。
「ナガシィ。もし225の6000番だったらナガシィの責任だからね。」
「おい・・・。」
「だってナガシィがそんなの見つけるから。」
「そこ違うだろ。見つけただけでも感謝したほうがいいと思うけど。何かと対策が・・・。」
「取れるわけないでしょ。共通運用に。」
(それは当然かぁ・・・。)
さて、僕たちが実際に乗ったのは223系の6000番台4両。大阪から東海道線を走る223系の快速と競走。梅田貨物のほうからのびてくる貨物線が合流するところで僕たちの方が逃げ切った。尼崎からは福知山線に入る。未曾有の福知山線脱線事故が起きた場所は尼崎から高架を下って最初のカーブであることはすぐに分かった。宝塚まで向かう途中に宮原に投入された225系ともすれ違った。
宝塚からは207系の普通に乗車。終点新三田で下車した。周りを見ていると駅から少し離れた位置に建物が見え、僕の後ろのほうへ目をやるとベットタウンという感じの街並みが広がっていた。207系や321系が来る景色としてはちょっと不揃いだと感じたが、それはどうでもいいか。
「ナガシィ。「丹波路快速」に225系組み込まれてる可能性あるよねぇ。」
「あるけどでもパターンは結構あるよね。223系同士か、223系が前で225系が後ろ。その逆。225系だけの8両。でもまぁ、6両って書いてなくてよかったじゃん。6両だったら225系しかないんだからさぁ。」
「・・・。それはそうだけど。もし225が前で223が後ろだったらどうするの。三田着くまで乗り換えできないじゃん。」
「最悪パンタで分かるんだから、それで走ってけば間に合うんじゃない。」
「こんな大きい荷物抱えて走るなんてヤダよ・・・。」
(それは僕も同じ。)
来た列車は運よく223系が前225系が後ろだということだった。223系の補助席に座っていようかと思ったが、結局立っていることにした。尼崎に到着すると6000番台(223系)の写真を撮り、発車まで見送った。それまで下から尼崎についてすぐに発車する列車は「丹波路快速」が発車する前に発車していた。
それから321系で運行される普通松井山手行きに放出まで乗車。201系で運行される普通久宝寺行きに乗車。221系で運行される「大和路快速」で大阪まで戻ってきた。新大阪には新快速でいった。平日で16時45分に8両ということもあって、混み方は激しい。僕たちの前の客が運よく新大阪で下車したので、それに便乗して降りる形になった。
「えーと。「くろしお22号」だったよね。287系で運転されるやつ。」
「えっ。ああ。でも、その前にパノラマグリーン付きの381系のほうも運行されるからそれも撮りたいんだけど。」
「・・・。」
「いいよね・・・。」
「はぁ。私は381系より283系のほうがいいけどなぁ。」
「さっき乗ってるときに見ただろ。」
「・・・。もう。そうじゃなくて。」
「写真だったら送るけど。」
「えっ。」
不満そうだった顔が一気に変わった。そのあと283系が写った写真を萌に送り、381系を待った。381系のパノラマグリーン車が入った編成は基本「スーパーくろしお」として運行されていた。「オーシャンアロー」のもとになる列車である。6・7号車の間は通り抜けることはできない。そして、6号車がクハ381形(先頭車)であることから関西で実施されているヘッドライトの点灯は片方ながら行っていた。
「くろしお21号」が発車してからここには「はるか」が入線してくる。「はるか」の合間を縫ってさらに貨物列車が通過する。本当に忙しいホームである。17時20分が近づいてくるとだんだんとホームに人が集まり始めた。全員287系が目当てなのだ。17時20分。287系で運行の「くろしお22号」が入線。ヘッドライトは225系と同じHIDランプ。鋭く光ったライトが11番線に入って来た。
これの写真を撮って、287系が回送されていくまでホームに残った。回送されて行ったら、僕たちは改札口のほうに歩いていった。
御堂筋線に乗り、学校が近い緑地公園で下車。僕たちがこれから住む場所はここからそんなに離れていないコーポである。
「永島。萌。」
後ろから誰かに呼ばれた。振り向いてみると木ノ本だった。
「はぁ。さっき別の車両にいたの気付かなかったかぁ。」
木ノ本は独り言を言ってから軽くあいさつした。
コーポまでの道のりは僕、ちょっと離れて萌と木ノ本が続く形になった。
「ねぇ、萌。気になるんだけど・・・。」
木ノ本が切りだしてきた。
「なんで永島と手をつないだりしないのかなぁって。」
「・・・。別につなぎたくないってわけじゃないけどね。」
そう言うと永島のところまでかけて行き、左腕にしがみついた。
「ちょっ。痛いなぁ。」
「少しくらいいいじゃん。」
(・・・。恋愛っぽいことふつうにしてるじゃん・・・。)
僕と萌はコーポまでその状態で歩いた。コーポについてそれぞれの部屋に入る。木ノ本は205号室。僕たちは4階だから、急な階段を上って4階まで上がってきた。
「ふぅ。」
一息ついた。
「萌。今日はさすがに僕の部屋に入って来るとかしないでよ。」
「分かったよ。じゃあ、ナガシィも逆はしないでね。」
「はいはい。」
一人暮らしをするに至ってそう言う関連の本は学校からもらった。その本の通り鍵をかけそのうえでチェーンをかけた。
「ハハ。」
「はぁ。ここまで来ちゃったなぁ・・・。」
ここまで来るとなんか笑えてきた。こんなことで笑うなんて。僕は本当におかしな人だろう。
「ハハハ。」
笑うとすぐに咳込んだ。
「キッ。」
今度は目から見える景色が揺らいでくる。
(クソッ。)
大粒の涙がこぼれた。
(なんでだよ。自分でやるって決めたからここに来たんじゃねぇかよ・・・。バカ。泣くなよ。)
寂しさを隠せなくなって、ついに崩れ落ちた。
大阪にやってきました。
大阪にはむこうじゃ見られない車両がたくさん。いいねぇ。けど、225系はちょっとなぁ・・・。先頭の形状は被害を最小限に抑えるためだとしてもちょっと特化しすぎたという感じを受けます・・・。