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この唄のある場所
メロディの一つもない唄を ときどき口ずさむ
思いつきのその音で リズムをとりながら
空想の世界へ 扉を開けて
僕だけの世界を描いては 時計をとめたこの場所で
好きなフレーズを 抱きしめていた
めまぐるしい日常の中 夢中になったあの時間を忘れてく
そうやってまた 少しずつ距離が開いてく
言葉を綴るのが 怖くなってた
日に日に遠ざけてく そんな気持ちに気づいてる
でも、どうしようもないから
また同じこと繰り返してるんだ
あの頃 空想を描いてたはずのこの場所
どんな恥ずかしい物語だって まるでそこに存在みたいにさ
好きだとか 切ないんだとか そんな唄に心が宿っていたんだ
それなのに いつしか
誰かの眩しさに焦がれたりして
苦し紛れに何かを吐き出すための道具になってたんだ
僕のこの場所はそんなもののためじゃない
誰かのためなんてそんなものでもないよ
ここに言葉を置くのはいつだって 僕が僕のためにしてきたことだ
怖がることはないよ
もう一度、あの気持ちを取り戻すだけ…
もう一度、忘れたモノ思い出すだけ…
こんな僕のことだから
遠くない未来 きっと、また迷う日はくるだろう
だけど また迷って”この歌のある場所”に辿りつけたら
またこの場所に戻ってこられる気がするから…




