第2話 【冒険者ギルド】
泊めてもらったご夫婦にお礼を言い家を後にしたひなたは、仕事を探していた。
「ど〜したらいいんだよぉ〜」
気の抜けた声でそう言うひなたを1人後ろから見守るものがいた。
「どうも!お嬢さん、ヒナタ?と言ったかね?」
「また、あんたかよ」
「そんな事言っちゃいます?仕事を紹介してあげようと思ったのにぃ」
「……」
黙り込み考えるひなたを嫌な笑顔でみつめるディグ。
「まぁ、良いならいいんだ、バイバーイ」
「ま、まって!」
「ん?」
何かを確信したかのように先程よりも殴りたくなるほどの笑顔で振り向くディグにひなたは、眉間にしわをよせながら言う。
「仕事を…ください」
「そぉかそぉか!欲しいか!仕事が!」
先程よりも酷いかをになるひなたを更に煽り続けるディグ。
「さっさとよこせよ、仕事をよぉ」
「はい、すんません」
ひなたの圧力に負け、肩を上げ、縮こまっているディグを横目に、ひなたは、勝ち誇った顔で進んで行く。
「ここだ」
「ここって、冒険者ギルド?」
「あぁ、そうだ…お前には、5つの魔法適正がある。」
脳の処理が追いつかずキョトンとしているひなたに、ディグは『ひなた』についての説明を始める。
「お前には、草、水、炎、光、闇の魔法適正がある。一つ一つの説明は省く。そして、お前には第5ランク世界に挑んでもらう。あぁ、あと、お前異世界人だろ?」
「!、ま、まぁそうだけど?」
「じゃぁ、説明しないとな、この世界にはランクがある、『第1ランク世界』下界。俺達が今、過ごしている世界だ。次に『第2ランク世界』魔界。この世界よりも沢山の魔法が溢れた世界だ。『第3ランク世界』神界。強いて言うなら、神の住む世界だ。以上だ。」
「以上?第5ランク世界まであるんじゃないの?」
「あぁ、実際にはそうだ。ただ、俺たちの所には神界までの情報しか降りてこない。」
見た事も無い程の暗い表情のディグ。そこには、重く、気まづい空気が流れていた。
「やるよ」
「え?」
「だから!やってやるっつってんの第5ランク世界まで行ってやるよ」
俺は、これほどまでに勇敢で、かっこいい人間を見た事がるだろうか。異世界人とは、少女とは、こんなにも、迫力のある者だったようだ。
「まずは、下界にちょとしかいないモンスターを倒しに行くか。」
「了解」
ひなたはまず、1番簡単な魔法の、草魔法の使い方を教えてもらった。ただ、使いこなせるかどうかは別だったようだ。
「やっ!ほっ!」
俺は、格闘術を教えたようだ……
ディグが、そんな事を考えている時
「魔法出たぁぁ?!」
遠くから、ひなたの喜びの声が聞こえてきたとかなんとか。