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キミの世界は青いから……  作者: 白い黒猫
幼稚園時代
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青いヒロシくん

 おかしなモノが見えるのはモヤモヤな塊だけでは無い。

 それは人間とか動物が人と違う色を被って見える事。

 顔色と言う言葉があるけれど、俺にはそれが極端に見えているようだ。


 人の顔が時には赤かったり、青かったり、黄色かったり、緑だったり。

 俺だけおかしな見え方しているのに気がついたのは、幼稚園とかで絵を描くようになってから。


 幼稚園の友達の絵を描こうといわれた時、俺は見えているままに友達の顔の周りに見えている色を塗ったのに、「ジンくん、絵を好きな色で塗るのは楽しいけど、顔はちゃんと肌色に塗ろうね~少し怖く見えるから」と注意されてしまった。


 だんだん、その顔に出ている色は感情だとだんだん分かってきた。楽しいと黄色、怒っていると赤色。悲しいと青色。憎しみとか恨みとか嫌な感情が加わると黒味が加わる。

 それらの色が混ざりあって様々な気持ちの色になり顔色として見える。

 相手の気持ちが人より見えるというのは、モヤモヤが見える事より便利。悪意を持った人や面倒な人とも距離を取りやすく人との関係を上手くいかせることには役にたった。

 嘘をついている人も独特な色を出すので分かりやすかった。


 この能力を持つことで気になったのはヒロシくんの事。

 ヒロシくんも幼稚園の友達の嘘をついていると分かる。俺が変なモヤモヤが見えているというのも嘘ではないと分かってくれた。そしてユウレイが見えるという友達の言葉は嘘だと見抜いている。 

 ヒロシくんも俺と同じ能力を持っているのかと思って聞いてみたけど違うと言われた。そう言ったヒロシくんには嘘をついた時に出る色が全く出なかった。


「だったらなぜ人の嘘が分かるの?」


 そう聞くと、ヒロシくんの色が赤くなる。

「近くに、嘘ばっかり言う人がいるから、嘘がよくわかるようになったんだと思う」

 そう言って大人のような顔で笑った。


 もうひとつ気になる事は、ヒロシ君はいつも透明で深い青い色を帯びている。

 笑っていても、青さは取れない。

 笑ってくれると少し青さが薄くなるから俺はヒロシくんが楽しくなるような話題を出来るだけするようになった。

 大好きなヒロシくんが黄色の楽しい感情になって欲しいから。

 ヒロシくんが楽しくなるような話題をふったり、好むような本を探して教えてあげたり。

 ヒロシくんが笑うと色が黄色く明るくなり青が減る。それが嬉しくて俺はヒロシくんを楽します事を頑張った。

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