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キミの世界は青いから……  作者: 白い黒猫
幼稚園時代
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正義の味方?

 ヒロシくんは、おかしな表現だけど大人っぽい幼稚園生だった。

 幼稚園でも周りの事を冷静に見て、それを言葉に出来る子だった。


 何かケンカとかのイザコザが起きたら、先生はモンダイを起こした子たちだけでなく、ヒロシくんにも何があったのかを聞く。そんな感じでセンセイにも信頼されていた。


 ヒロシくんの言葉はいつも正しく間違えてないので、幼稚園のみんなもその言葉に文句とかもいわなかった。

 俺だけが見えるモヤモヤも、そんなヒロシくんが俺が見えているというモノが嘘ではなさそうだと言ってくれたから信じてもらえたというのもある。

 ただ困ったことは、ヒロシくんが俺が他の人が見えないものが見えるということが「スゴい」とか「トクベツ」と言ったことで、幼稚園でユウレイが見えるゴッコが流行ってしまったこと。

 子供だったから思い込みなのか、本当に俺とは違うモノが見えているのか分からないけど、彼らが言うユウレイが俺に見えることは無かった。

 ヒロシくんにも聞いてみた。あんなに色々な物事が見えているヒロシくんでも他の子が見えているというユウレイは見えないという事だった。


 そんなある日、幼稚園に知らない人がやってきた来た。その人は笑顔で「お邪魔します」と言って幼稚園の中に入ってきた。

 やってきたのは白いワンビースを着た長い髪の優しそうな女の人。

 誰もその言葉にお返事しなかったので「コンニチハ」と返すと皆が変な顔をして、その人もビックリしたように目を丸くしていた。

 最初は新しいセンセイかなとも思ったけど、センセイらしくなく綺麗な服を着ているし、エプロンも付けてない。

 となるの誰かのお母さんなのかもしれない。

 しかしエンチョウセンセイも全くその女の人と話そうとしないし、その女の人も誰にも話しかけない。

 その女の人に気が付いた俺だけを見てニッコリと明るく笑いかけてきた。


 そして人差し指を口の前で立てて、「オシゴト終わったらすぐ出ていくから、みんなには黙ってね 」

 そう言われたので俺は黙って頷いた。


 横にいたヒロシくんは、何か気が付いたみたいだけど何も言わなかった。

 そのお姉さんは真っ直ぐあのモヤモヤの方に歩き、モヤモヤを見て哀しそうに眉を寄せその前でしゃがんだ。

 お姉さんはモヤモヤに俺たちのような子供に話しかけるように、何かを言いながらモヤモヤをナデナデするように手を動かしていた。

 するとお姉さんの手から明るい白い光がでて、黒いモヤモヤが薄く小さくなっていって最後にはなくなった。

 ビックリしてその様子を見ていた俺に、お姉さんはニッコリ笑って手を振ってくれた、俺もつられて振り返す。

 オシゴトが終わったらしいお姉さんは幼稚園の玄関の方に行き、誰も見ていないのにペコリと皆んなにお辞儀して「お邪魔しました」と挨拶して出ていった。ドアも開けずにスッと通り抜けて……。


 二人っきりになった時、ヒロシくんに何があったのか話をした。

 ヒロシくんは、あの嫌なモヤモヤがなくなったことを喜んでくれた。


「あのお姉さんって何だったのかな?」


「うーんー。みんなオカシクするモヤモヤを消してくれるってことは良いモノなんだろうね。天使とか?」


「そうだね。正義の味方かな?」


 二人でそう結論づけた。

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