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キミの世界は青いから……  作者: 白い黒猫
中学校時代
10/31

大人には程遠く

 ミキさんはああ言ったが、子供の時間はのんびりゆったりしていて、俺達は中学生になった。

 公立の学校は今大変な問題児がいて少し荒れているという話で、俺とヒロシくんは同じ私立の中校に通っている。

 クラスも同じなので、二人でバスに乗り一緒に通う。

 俺とヒロシくんは、相変わらずつるんでいる。

 一緒に図書館行ったり同じ塾に通ったり河原を歩いたりと、中学校なので一つの街の中での交流になるので地味そのもの。

 それでも俺たちには十分楽しめる世界だった。

 街という狭い世界の中が楽しいのではなくて、ヒロシくんと一緒にいるのが楽しかった。

 競うように面白い本を見つけそれを紹介しあって、それを読んでまた二人で感想を楽しむ。

 様々な時間を一緒に過ごして来たから、ヒロシくんとはより深く仲良くなったような気はする。

 俺は成長期がまだ来てないからだと、思いたいがまだ小さいままで、ヒロシくんは背も伸びて更に大人っぽくなった。


 ヒロシくんの両親は相変わらずギスギスしているようだ。

 お父さんにはずっと恋人がいると言うことが喧嘩の理由。

 ソレを聞くことしか俺は出来ない。でも俺に愚痴るだけで少し彼の青さが薄くなるから俺は話を聞くことにした。

 読んでいる本、互いの家の事、何でも話して共有する。そうすることでヒロシくんの悲しさや辛さをも分け合えて、ヒロシくんに俺の楽しい気持ちを分けることで二人で楽しい時間を過ごしていると思う。


 大人になったら一緒にお酒なんて飲んだりして楽しんだりするのだろうか?

 ずっとこんな感じで良い関係が続いていけばよいな。


 ヒカリお姉さんとの関係も、結局は変わっていない。

 ミキさんとも時たま街で会うことがある。ミキさんとは何か会話するわけはなく視線を合わせ「ヨッ」という感じで一言とも言えない挨拶をして離れる事が多い。

 時々、缶ジュースなども奢ってお話しをすることもある。

 より分かってきたのはヒカリお姉さんとミキさんの事。というより鬼と天部の関係。

 鬼は本当に鬼で生まれた時から鬼。そして鬼の主な仕事は地獄で罪を犯して堕とされた人間の管理。

 力が強いので、この世での荒事も担当しているとのこと。

 三鬼と書いてミキさんと読む名前ならしい。


 一方天部は、元々は人間。

 天国で過ごしていた魂が立候補することでなれる職業。

 とはいえ単に立候補すればなれるという簡単なものではないらしい。

 ヒカリさん曰く、研修を経て筆記に実技に何度も面接試験といった試練を乗り越えた者だけがなれる栄誉ある職業なようだ。

 霊力も高く寿命も長いことから鬼の方の地位の方が高い。

 ヒカリお姉さんは前任者が別の部署に異動になったことで、俺の住む地域を担当することになった新人天部だという。

 ヒカリお姉さんはノンビリとして大雑把な性格もあり、その仕事ぶりはミキさんらからみて問題に思える状況だったようだ。

 あの幼稚園の残情がしばらく居残り続けたのもそのため。

 残魂が街にボロボロ落ちている残情を食べて、より中の魂が怒りや悲しみを抱えることになり苦しんでいる。

 先日そのことを目の当たりにしたことでヒカリお姉さんも心を入れ替えたらしい。

 隣のエリア担当に教えを乞いに行き、より効率的に残情を見つけ処理するかというノウハウを学んできたと嬉しそうに話していた。

 確かに以前より残情を見ることが少なくなったように感じる。

 そのコツを聞いたらヒカリさんは嬉しそうに教えてくれた。

 ニュースをよくチェックすることと、警察や消防の出動情報をネットで常にチェックすることそうする。そうするだけで今まで無作為に歩き回っていた時より格段にエンカウント率が上がったと自慢げな顔で笑った。

 今まで「パトロールよ!」と歩いていたのは、なんの根拠もなく、ただ歩いていただけだったんだと少し呆れてしまったけど、そのことは言わないでおいた。

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