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50.夏休みもあとわずか

先週ぐらいから非常に重い風邪を引いてしまいずっと寝込んでいました・・・

投稿が滞ってしまいすみませんでしたorz

 初めての衝撃的な顔合わせがあってから数日が経った。

 夏休みもあと数日となり私はまた寮の自室に戻ってきていた。


「……ふぁぁ」


 リーティアさんの家のベッドは寝心地が最高なのは当たり前なのだが、この寮のベッドも全然良い。例えるなら高級か最高級かという感じだ。

 というわけで残りの数日は寝まくって過ごそうというのが私の計画だ。

 聞くところによると例のお転婆姫様は王子やリーティアさんなどを呼びお茶会を開いたりしているようだが、恐らく私は庶民だからお呼ばれしていないのだろう。実際、初の顔合わせでもあの姫様が見ていたのは私ではなく王子やリーティアさんであった。


(一人って……楽だ)


 ありがたいことにこの寮の食堂は長期休暇でも注文式で頼むことが出来る。しかも学費にその料金も入っているわけで注文は自由だ。

 今日も昼食を食堂で頂いてから即行で部屋に帰ってきてベッドに横になっている。行儀が悪いとか食後にいきなり横になるのかとかそういうのは気にしない。


 午後の微睡み。昼寝というのは人類の生み出した至福の時間に違いない。

 薄いレースのカーテンから差し込む日の光、穏やかな風に揺れる木々の優しい声と、鳥のさえずる子守唄、そして──


「ステラさん!」


 部屋を叩くノックの音……


***


「あの、リーティアさん……」

「なに?」

「なんで私は机に向かってるんでしょうか……」

「そこに宿題があるからよ」


 天国と地獄は紙一重であった。今日一日寝て過ごそうという私の穏やかな日常はリーティアさんという嵐によって掻き消されてしまっていた。


「私の家でやってた分だけじゃ絶対に残っていると思っていたわ」

「うぅ」

「そもそも終わらせないでどうするつもりだったのよ」

「そこは……適当に誤魔化しながら時間を稼いで何とか……」

「どの道するのなら今しておきなさい。私が教えてあげるから」

「……はーぃ」


 どちらかというともうお母さんである。

 それからしばらくスパルタ(私基準)で宿題を粛々と(文句を言いながら)済ませていく。


「はぁ、疲れた」

「まだ一時間も経ってないけど……まあ、いいわ。少し休憩しましょう」


 リーティアさんが合図をするとスーラさんがお茶菓子を乗ったワゴンを押して現れた。ずっと待機していたのだろうかという疑問は聞かないでおく。


「そういえば、あのお姫様は?」

「ん? ああ、ラティエラ様のこと? ……あまり考えたくはないわね」


 適当に話題を振ろうと思ってそう言うと、彼女は微妙な表情になった。


「めんどうくさい?」

「シッ……大丈夫だろうけど聞こえたら凄く……面倒くさいわ」


 彼女は盛大にため息をつくとポツポツと静かな声で話し始めた。


「あれは、お転婆とかそういう次元じゃないわよ」

いつも読んで頂きありがとうございます!

次回の投稿は明後日の水曜日となりますのでよろしくお願いいたします!

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