48.帝国からの来客
先週は忙しすぎて投稿できませんでした。すいません・・・
現在、私とリーティアさんは馬車に揺られていた。行先は学園だがいまだ夏季休暇の真っ最中である。
もちろん、リーティアさんの家にいるのが飽きたから早く学校に戻ろうなどという考えはない。出来ればあの豪華な館で一生寝ながら過ごしたいと思っていたが、突然面倒な事態が起こったのだ。
「帝国から留学???」
お茶会の翌日、突然ラティーナ様に呼ばれてリーティアさんと向かうと、急遽そんな話が決まったのよと疲れたように口を開いた。
「なんでも向こうの我が儘でね。しかももうすぐ到着する予定らしいのよ」
「それはいくらなんでも急すぎですし、失礼では……」
リーティアさんの言葉に頷くしかない。留学自体は可能だけど流石にタイミングがおかしい。
「普通ならそうなんだけどねぇ……なにせその留学する人物が──」
ガタン、と馬車が跳ねた。急ぎ旅ゆえにスピードは中々速い。そのおかげで未舗装な道だとよく揺れる。
「大丈夫?」
「なんとか……」
リーティアさんは割と経験があるのかケロッとしているが、不慣れな私は思った以上の衝撃を受けて若干気分が悪い。
ただ、それでも急がないといけない理由がある。
「まさか向こうの王族が来るなんて思いもよらなかったわ」
「……いやまったく」
そう、急遽決まった留学生はなんと帝国の王家の者だったのだ。確かにそれならある程度の我が儘は通るかもしれないぐらい地位は高い。
「第三王女……どんな方なのかしらね」
「うーん……」
そんな方がもう帝国を出発しもうすぐ着くと言われたのが数日前の話だ。こっちの王家の方にも留学の話は来ていたようだがまさかこんなに早く話を進めてくるとは思わず、しかし出発したのを断っては国との間に亀裂が走る可能性もあり、無下にも出来なかったようだ。
『帝国の狙いはそこかもしれないわね。まさか私の書いた内容とは全く違うことが起こるとは思ってなかったわ』
留学の話をラティーナ様から聞いた後、こっそりと呼ばれた私に彼女は困ったようにそう言った。
『恐らく帝国には何らかの狙いがあって王女を留学させているのには違いない。けれど今はその狙いがわからないから貴女も注意してね
』
『は、はい』
『それにしても、まさか作中に登場させてない人物が出てくるなんてね。やっぱりすべて物語通りに進むわけじゃないのねぇ』
いよいよもってこの時がきたという感じである。そりゃ私やラティーナ様というイレギュラーな存在がいれば話の流れがそのまま進むわけはないのだ。
というわけでここからは未知の領域となる。まあそもそも漫画だけ読んでいた私からすれば全ルートを把握しているわけでもないし、作者も知らないキャラクターが出てきたところで対応を変えるつもりもない。
「まあ、ものすごくお転婆で我が儘し放題で滅茶苦茶騒ぎまくる奴じゃなかったらいいよ私は」
「……まさかそんな方が帝国から来るとは思えないけど」
しかし、そういう予想は大体……
「ちょっと!! このわたくしがわざわざ帝国からやってきたというのに、この国はまともな歓迎も出来ませんの!?」
急ぎの馬車の旅を存分に味わってへとへとで学園に着いた私達の前に現れたのは、お転婆で我が儘し放題で滅茶苦茶騒ぎまくる系の王女様であった。
いつも読んで頂きありがとうございます!
今、少し仕事が忙しいために次回は水曜日に投稿する予定ですのでよろしくお願いいたします!




