42.魔法の特訓
昨日は急用が入り投稿できませんでした・・・すいません
光魔法もしくは闇魔法のようなものは一定の形を持っていない。火魔法のように火を起こし水魔法のように水を湧かせるのではなく、それを扱う人によってその形を変える。
かつて闇魔法を使い一国を飲み込み消し飛ばした話もあるし、光魔法が猛威を振るう疫病を消し去ったこともある。
逆に闇魔法で荒れ狂う龍の気を沈めたり、光魔法による光線で大地が割れたこともあった……らしい。
つまるところそれらの魔法は扱う者によってその性質が大きく変わるのだ。だから国も扱いに困りとりあえず保護するようにしているのだ。
「とりあえず基本的に使うことが成長の一歩だから倒れない程度に光魔法を行使してみましょ」
「あい」
倒れてしまった翌日は大事を取って休むことになった。ラティーナ様は相当リーティアさんに詰められたのか見たことないぐらいしょんぼりとしていたが、別に彼女が悪いわけではないので気にしないでくださいとは伝えた。
「もし何か力になれることがあったら言ってちょうだいね。今のことでも貴女の過去についても」
とりあえず二人に前世の記憶があることは現状は内緒で行くことにした。そもそも信じて貰えるわけもないし、それが一番だろう。
それでその翌日から私の魔法を学びたいという願望は叶えられることになった。
「今出来ることはどういうものなの?」
「今はこれだけ……」
私はそう言うと手の平の上に光球を発生させた。これだけでも私にとってはすごいんだけどこの世界の人にとってはそういうのは初歩の初歩らしい。
「じゃあ、まずはそれを持続させつつ何か変化があるまで待ちましょう」
「うぃ」
ちなみに魔法の講師はリーティアさんである。流石にそういった講師をいきなり呼ぶのは難しいらしく、それなら幼少の頃からそういうのを学んできた彼女が教えるのが一番という判断だ。
「ちなみにずっと使っていると怠くなってくる?」
「まだそこまで使ったことがないからわかんないや」
「……じゃあ、ひとまず椅子に座って出し続けるところからね。お話でもしながらしましょう。でも、何かあったらすぐに言いなさいね」
「りょーかい」
用意された椅子に座ってそのまま出し続けてみる。特に怠いとかそういう感じはないけれど光球は私の手の上から動きそうにない。移動させられたらかっこいいと思うんだけど。
「そういえばリーティアさんは氷魔法を最初から?」
「まさか。最初は水魔法だったわよ。そこから練習を重ねてたら水を凍らすことが出来るようになって、またそれから練習していたら氷を作りだすことが出来るようになったの」
「へぇ……」
基本的に派生するほど優秀であると言われているから、子供の頃から才に溢れていたのだろう。
「それだけ魔法も使えて学園の成績も良いし、このまま王太子妃かぁ」
漫画の悪い部分がない彼女は完璧超人に近いわけだからこのまま進めばそうなるのが自然だ。実際彼女はそうなりたくて狂っていたわけだし、そういう心配がなくなったのは嬉しい。
「っ……そ、そうなのかしら」
そんな暢気な考えを持っているから、私はこの時の彼女の声の強張りに気づくことができなかった。
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