表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/55

41.これからのこと

 目が覚めると馴染みのない天井が飛び込んできた。


「あ、ステラさん! よかった、起きたのね」


 声の方に顔を向けるとリーティアさんが椅子に座っていた。


「お母さまから急に体調を悪くしたって聞いたけど……具合は大丈夫?」

「あ、ええと、大丈夫だと思う。まさかリーティアさんが看病を?」

「私は偶然いただけなの。ここまで運んだりしてくれたのは使用人よ」


 確か、ラティーナ様が私と同じ日本出身でなんとこの世界を描いた原作者であり、それでいて……そう、この世界に飛んできた理由だ。

 彼女は何らかの事故に巻き込まれてしまったと言っていた。だから私もそうではないのかと聞かれた。


「……っ」


 やっぱり思い出そうとすると鈍い痛みが走る。そう、たぶんこれはフィルターがかかっているのだろう。あの光魔法に覚醒した時と授業に出るようになってから思い出した記憶。きっとこの体が受け入れられる段階になったら思い出すようになっているのかもしれない。


(だとしたらどんな重い記憶なんだ、まじで……)


 完全に忘れているわけじゃなく、断片的にピースのような記憶は思い出せる。そう、あれは確か先輩絡みの何かであったはずだ。それもとても大事だった気がする。


「ちょっと、本当に大丈夫なの?」


 何とかうまい具合に思い出せないか試行錯誤していたら不安そうな声がかかる。


「あ、ああ、ごめんなさい。本当に具合は大丈夫」

「も、もしかしてマナーレッスンが厳しかったかしら。それでムリが祟って……」

「いや、たぶんそれはないと思う。うん」


 他の貴族についてわからないけどたぶんかなり優しい難易度で教えてくれているのはわかった。まず講義の時間も少ないし講師はめっちゃ優しいおかげで変な負担もない。色々と面倒くさがりな私のことを考えているのだろうなぁというのは窺い知れた。


「まぁ、たまに体調を崩しちゃうことはあるから、そういうものだと思うよ。今はもう本当に大丈夫だから」

「……そう? それならよかった。でも無理はしないでね。貴女に何かあったら国から怒られちゃうから」


 ちょっと冗談めかしてそう言われる。そういえば光魔法に覚醒したせいで国から保護の名目で学園に入ったことを今更思い出した。

 光魔法……光魔法か。


「ねぇ、リーティアさんちょっと頼みたいことがあるんだけど」

「なに? 別に明日は一日寝ていてもいいけれど」

「うぐっ」


 まさか彼女からそんな魅力的な提案が来るとは思ってなくて怯んでしまう。し、しかし今ここでそっちを選んでしまうとまじでこのまま休みを終える可能性もある。

 ここは心を鬼にして言うほかあるまい。


「その、魔法をちゃんと使えるよう教えて欲しいんだけど……」


いつも読んで頂きありがとうございます!

感想や評価などいつも励みになっております。

次回もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ